映画と本の『たんぽぽ館』

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運命の女

2020年01月10日 | 映画(あ行)

平和な生活を狂わせる「運命の男」

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専業主婦コニー(ダイアン・レイン)は、
会社を経営する夫エドワード(リチャード・ギア)と、9歳の息子と暮らしています。
暮らし向きは良くて、充足した日々。
ある日、フランスの青年ポール(オリビエ・マルティネス)と出会い、
情事を重ねるようになります。
エドワードは妻の様子がおかしいことに気づき、
探偵を雇い愛人・ポールの存在を突き止めますが・・・。

 

単なるよろめきドラマかと思っていたら、なんとサスペンスに発展するのでした。
しかし本作中のダイアン・レインがなんとも妖艶な熟女・・・美しい。
狂おしいほどに、愛人ポールとの愛欲に埋もれていきます。
そして、その体のうずきを隠せない、忘れられない・・・。
まるで麻薬のように彼女をむしばんでいく・・・。
不倫故に、燃えるということもありそうですが・・・、
しかし彼女はまた妻・母としての立場を十分にわきまえてもいる。
この生活をやはり捨てることなどできないということも・・・。
女としての狂おしいまでの思いが、大胆に描かれていてなかなかステキでした。

しかしやっかい(?)なことに、夫の妻への愛情は思いのほか強かったわけで・・・。
いえ、こういう場合、妻への愛情の度合いというよりも、
妻を寝取られたことの悔しさなのかもしれませんけれど・・・。

 

ところで本作の原題は「Unfaithful」つまり、不貞なとか、不実なという意味。
まあ、あまりにもストレートです。
でも「運命の女」というのはちょっとちがうような気がします。
この夫婦の生活を決定的に壊してしまうという点で
「運命の男」とすべきなのでは? 
まあしかし、これではロマンのかけらも何もないか・・・。

 

 

<WOWOW視聴にて>
2002年/アメリカ/124分
監督:エイドリアン・ライン
出演:リチャード・ギア、ダイアン・レイン、オリビエ・マルティネス

愛欲度★★★★.5
サスペンス度★★★☆☆
満足度★★★★☆