映画と本の『たんぽぽ館』

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昼顔

2020年01月13日 | 映画(は行)

不倫ドラマの名作

話題を呼んだTVドラマ「昼顔 平日午後3時の恋人たち」の劇場版。
といっても、私は見ていませんでしたが、
そのドラマ以前から斎藤工さんのファンではありましたので、
やはりみてみましょうか、と。

互いに結婚相手がいながら不倫関係に陥ってしまった主婦・沙和(上戸彩)と
高校教師・北野(斎藤工)。
北野の妻によって二人は引き裂かれ、別れます。
ここまでがテレビドラマのストーリー。
本作はその3年後から始まります。



夫と離婚した沙和は、何もかもを失い、海辺の町で一人で暮らしています。
北野とはもう決して会わない、連絡先も交わさない、話さない・・・と誓約書を書いていて、
その後の北野のことも何も知りません。
しかしあるとき沙和は、町の講演会講師に北野の名前を見つけます。
北野は大学の非常勤講師として、この町に来るのです。
講演会当日、迷いながらもやはり講演にやってきてしまう沙和。
そして、会場に沙和の顔を見つけた北野は・・・。

再び出会ってしまった二人の、切ないストーリー。
私はTVドラマを見ていなかったので、この北野という男の印象が少し意外でした。
しかし、なるほど・・・とも思ったのです。
彼は蛍の生態を研究している学者肌、というか少しどんくさいくらいの、
真面目で誠実なヤツなのですね。
不倫をしそうな感じではない。
ただ、その優しさ誠実さゆえに、妻をも恋人をも傷つけたくないと思ってしまい、
そこでどうにもならない泥沼に沈んでいく、というわけなのです。


このたびも、実は出会うべきではなかった。
けれども出会ってしまうわけですねえ・・・。
ドラマですから(^_^;
そしてまた、これがばれてしまうんだなあ・・・、北野の妻に。



それで修羅場となってしまうのはもう、お約束。
しかし、この妻の気持ちが私にはよくわかりません。
つまりはすでに夫の気持ちはもう自分から離れてしまっている
というのは多分、もっと前からわかっていたはず。
夫を脅すようにして無理矢理恋人と引き裂いたり、自分の方を向かせたりして、
それはむなしくないのだろうか・・・? 
もし私なら、悔しいけれどきっぱり別れますね。
慰謝料たっぷりとって。
そうでなければ自分のプライドが許さないし、
この先到底まともな夫婦生活を送れるとも思えない。
私が淡泊過ぎるのかなあ・・・?
でも、ドラマなどでは大抵、妻は妻の座にしがみつきますよね。
やはり私の方が変わっているのかしらん???
でも本作見ていると、やっぱりこの妻のことは好きになれず、
「ヒトゴロシ!」と叫びたくなってしまいます。

だがしかし、ラストに驚きの事実が・・・。
私は最後に沙和が百葉箱の中から指輪を見つけて、泣き崩れる・・・
というようなラストを予想したのですが、そうではなかった!! 
やられました。

とりあえずテレビドラマの方を見ていなくても、大丈夫でした。

 

 

<WOWOW視聴にて>
「昼顔」
2017年/日本/125分
監督:西谷弘
出演:上戸彩、斎藤工、伊藤歩、平山浩行

不倫の修羅場度★★★★★
悲劇度★★★★★
満足度★★★★☆