映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

今夜、世界からこの恋が消えても

2023年11月15日 | 映画(か行)

一日限りの記憶・・・

* * * * * * * * * * * *

正直、道枝くん目当てのミーハー視聴です。
でもこれが、思ったよりは悪くはなかった・・・。
というか、泣かされました。

一条岬さんの同盟小説の映画化。

高校生の神谷透(道枝駿佑)は、クラスメイトに流されるまま、
皆の憧れの的、日野真織(福本莉子)に嘘の告白をします。
彼女は、「お互い本気で好きにならないこと」を条件に、
嘘の恋人同士として付き合うことに。

実は、真織は前向性健忘症で、夜眠るとその日の出来事をすべて忘れてしまうのです。
その日の夜、詳細な日記を書き記し、
次の日の朝読み返すことで、どうにか記憶をつなぎ止めていたのです。

真織はそのことを透にはかくしていたのですが、
ある時透はそれを知ってしまい、以後、知らないふりを続けながら付き合いを続け、
いつしか二人の嘘の恋は本物に変わっていきます。
真織との一日限りの恋を積み重ねていく透でしたが・・・。

一日限りの記憶・・・、でたーっ! 
お定まりのパターン!! 
と思いながら見て行きました。
でも次第に思いは切実になっていきます。
日記に書き記された文字だけが頼りの「記憶」。
もしその日記が消え失せたとしたら・・・。
二人で過ごした大切な日々が、ないことと同じになってしまうのか・・・。

そして、物語は突如悲劇的な方向に向かって、余りのその切なさに涙、涙です。

ところで私の一つの大きな疑問なのですが、毎日学校に通っていろいろなことを学ぶ。
真織のその記憶は翌日消えてしまわないのでしょうか?
理屈で言えばそれも忘れて、学習不可能なのでは?と思うのですが。

ちなみに彼女がこの症状になるのは高校入学したばかりの頃らしく、
それまでの記憶はしっかり残っているのです。
だから、親友はその事情をよく知っていて、
彼女の学校生活全般を支えている、という次第。

現実的にはやはり無理筋ですかね・・・?

「消えた初恋」で共演していた道枝駿佑さんと福本莉子さん。
いい感じです。

 

<Amazon prime videoにて>

「今夜、世界からこの恋が消えても」

2022年/日本/121分

監督:三木孝浩

原作:一条岬

出演:道枝駿佑、福本莉子、古川琴音、前田航基、松本穂香、萩原聖人

 

お涙度★★★★☆

記憶喪失度★★★★☆

満足度★★★★☆