嘘の自白で人気を勝ち取る
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フランスらしい皮肉なユーモアに満ちた作品。
真犯人当てのミステリではなくて、ちゃっかり図太く生きる女たちの物語。
パリの豪邸で有名プロデューサーが殺害され、
新人女優マドレーヌが容疑者として連行されます。
マドレーヌは、プロデューサーに襲われて自身の身を守るために彼を撃ったと供述。
親友である弁護士・ポーリーヌとともに法廷に立ちます。
正当防衛を訴える二人の鮮やかな弁論と感動的なスピーチは、
陪審員や大衆の心をつかみ、無罪を勝ち取るばかりでなく、
悲劇のヒロインとしてスターの座を手に入れます。
そんなところに、かつての大女優オデットが現れ、
プロデューサー殺しの犯人は自分だと主張しますが・・・。
そもそもマドレーヌはプロデューサーを突き飛ばして逃げただけで、
もちろん銃など持ってもいないし、撃ってもいません。
けれど、これを逆にチャンスと捉えた二人の作戦勝ちというわけですね。
でもそうであれば真犯人は別にいるわけで・・・。
オデットは、ニセの犯人が大人気となっていることに腹を立てて、
二人の元にやって来て二人を脅すわけです。
女たちが、自らの夢や欲望のために這い上がろうとする、
でもどろどろではなくて、あっけらかんとユーモアに満ちているのがいいなあ。
大好きです。
プロデューサーが、女優にエサを散らせつきながらセクハラ・・・。
やはりありがちな話なんですねえ・・・。
<シアターキノにて>
「私がやりました」
2023年/フランス/103分
監督・脚本:フランソワ・オゾン
出演:ナディア・テレスキウイッツ、レベッカ・マルデール、イザベル・ユペール、
ファブリス・ルキーニ、ダニー・ブーン
皮肉度★★★★☆
ユーモア度★★★★☆
満足度★★★★☆