映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

TEAM NACS HONOR~守り続けた痛みと共に

2018年06月02日 | 舞台

受け継がれる故郷の歴史

HONOR ~守り続けた痛みと共に [DVD]
森崎博之,森崎博之
アミューズソフトエンタテインメント

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2007年  脚本・演出 森崎博之

人口650人の架空の村の70年に及ぶストーリーです。
先に見た、「LOOSER」は新選組、「COMPOSER」はベートーヴェンと、
実在の人物たちを主役に据えていましたが、今回は全く無名の人。
故郷とは、受け継がれる故郷の歴史とは・・・、
私達にそんな問いを投げかけます。

まずは4人の幼なじみの老人たちが太鼓を叩くシーンから。
(でも実際は5人並んでいるところがミソ)
そこから彼らの回想が始まるのです。
かつて彼らが子供の時に、五作という風変わりな老人から太鼓を教わったこと・・・。
そしてその彼らが幼い頃のシーンになるのですが、
物語はさらに、その五作が幼かった頃にまでさかのぼっていきます。
森を守り、祭りを守り、子どもたちを見守ってきた、
一人の老人の生きざまが浮かび上がってきます。
村人たちからは変人か狂人のように扱われてきたのだけれど・・・。


架空の村ですがやはり北海道ですね。
その歴史と言ってもせいぜい3代を遡るくらい。
本州ならもっと膨大な時の流れの物語になるのかもしれません。
けれどそのたかが70年位の時間の中に、多くの人々の生と死があり、
そして戦争という大きな転換期があり、
若者は故郷を離れ、老いてまた戻ってくる。
変わらないようでいてやはり移り変わっていく故郷の村と共にあった五作の人生。
名もなき人物ではあるけれど、
実は身の回りの多くの人の物語でもあるのかもしれません。


私、前回から言いたくて仕方がなかったのですが、
安田顕さんの存在感が凄い!!
なんだかもう、つい目が吸い寄せられてしまいます。
現在テレビドラマ「正義のセ」に出演中ですが、
ここに安田顕さんなしでは、全然でつまらなくなってしまうだろうと、
私は確信しています。
TEAM NACSの録画はまだ何本かあって、
ますます見るのが楽しみになってきました。

<WOWOW視聴にて>

「TEAM NACS HONOR~守り続けた痛みと共に」
満足度★★★★☆



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