映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

TEAM NACS 「下荒井兄弟のスプリング、ハズ、カム。」

2018年06月10日 | 舞台

家族のドラマが、また、楽しい

下荒井兄弟のスプリング、ハズ、カム。 [DVD]
大泉洋,大泉洋
アミューズソフトエンタテインメント

* * * * * * * * * *


2009年作品。
脚本・演出:大泉洋

これまで見たTEAM NACS作品は森崎博之さんの脚本だったのですが、
本作は大泉洋さんということで、少し雰囲気が違います。
こちらのほうが庶民的。


舞台は下荒井家のリビング。
この家の父親が亡くなって10年の法要のため、兄弟皆が集まったのです。
いきなりの幕開けで、安田顕さんがすっぽんぽんの後ろ姿で登場!!
全く驚かされます。
この人物が、下荒井家の三男。
彼は長男(森崎博之)を結婚させるために、ある女性に会わせようとします。
ちょうどそんなとき、五男(戸次重幸)が、
自分が結婚を決めた相手を長男に紹介しようとする。
ところが、引きこもりの四男(大泉洋)が画策し、
五男の恋人を、長男にお見合い相手だと思わせて会わせてしまうのですね。
ややこしい勘違いがおかしい・・・というのがプロローグ。
さて、そこへいきなり20年前に家出をし、以来音信不通だった次男(音尾琢真)が帰ってくるのです。

おかしくてちょっぴり切ない、家族の物語。
たっぷり楽しみました。
大泉洋さんの役柄が、引きこもりで盗聴が趣味というかなりの変人なのがなんともおかしい。
けれど、彼の初の“盗聴テープ”というのが最後に登場するのですが、
これがなんとも泣けてしまうのです・・・。
家族間で盗聴などと、ピンと来ないなあ・・とは思っていたのですが、
けっきょくこの最後のエピソードを引き出すための伏線だったのか・・・。
やられました。
そしてまた、この兄弟には重大な秘密があったわけで・・・。
ここの亡き父親が実に大きな人物だったということも偲ばれますねえ・・・。

そうそう、本作で私が感服したのは音尾氏の演技です。
例によって出演者はTEAM NACSの5人だけなので、
一人何役もこなさないと登場人物が足りません。
それで、音尾さんはヤクザの次男役ではありますが、
五男の恋人の女性としても登場します。
まあだから、とびきりの美女にはならないけれども・・・
これがなんとも、上品で清楚な感じの大人の女性なんだなあ・・・。
けばいお化粧も何もありません。
それなのに、どう見ても知的で感じの良いお嬢さんだ。
長男が一目惚れしてしまうのも、無理はない・・・。
この女性と、ヤクザの次男、どっちも同じ舞台で演じるとは・・・
音尾琢真さん恐るべし。

<WOWOW視聴にて>
TEAM NACS 「下荒井兄弟のスプリング、ハズ、カム。」
満足度★★★★★



最新の画像もっと見る

コメントを投稿