意外に簡単に人を狩るエドガー
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『ポーの一族 春の夢』『ポーの一族 ユニコーン』に続く第3弾。
19世紀末、旅の途中のエドガーとアラン。
体調を崩したアランのためにアーサー・クエントン卿の館に滞在することになり、
エドガーは…?
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「ポーの一族」新シリーズの第3弾です。
前作で、「現在」に復活したエドガーが描かれたのですが、
残念ながらその続きの話とはならず、本作の舞台は1888年。
アランがその後どうなるのか、という話はまだまだお預けのようです。
さて、本作に登場するのは、アーサー・トーマス・クエントン卿。
「ポーの一族」ファンならば覚えがあると思います。
本作は何と旧シリーズにあった「ランプトンは語る」の前日譚ということになります。
トーマス・ローレンスが描いた「ランプトンの肖像」という絵画がありまして、
赤い服をきた美少年の絵です。
その「ランプトンの肖像」の模写があって、しかしなぜかその顔がエドガーの顔。
クエントン卿が描いたというその絵のことが問題となった「ランプトンは語る」のストーリー。
本作では、まさにその絵が描かれたときのことが詳しく語られています。
旅の途中エドガーとアランは道に迷い、クエントン卿の屋敷にたどり着き、
そこでしばらく世話になることになります。
そんな時に出会った人々、
そして、正体不明のエドガーに妙に惹かれてしまうクエントン卿の物語。
ここで興味深いのは、アランが眠り続けてしまうということ。
バンパネラの一族にはどうやらそうした時期があるらしいのです。
そして、エドガーは自分の生命(生命といえるのか?)を維持するために、
意外と頻繁に人間を狩ります・・・。
それはいずれ死が近い老人であったり、
やむなく秘密を維持するためだったりしますが・・・。
つまりバンパネラというのは、やはり「鬼」なのだろうなあ・・・。
炭治郎に見つからないようにせねば・・・。
とにかく、本話については次巻に続くということになっていまして、
このペースだとまた1年以上後ということになりそうですね・・・。
気長に待つことにしましょう。
その頃にはコロナ禍も去っているといいのですが・・・。
「ポーの一族 秘密の花園1」萩尾望都 小学館フラワーコミックススペシャル
満足度★★★★☆
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