くるくると現れる真相
* * * * * * * * * *
本作は題名からするとラブストーリーかと思うのですが、
そうではなく、サスペンス。
あの「教団X」の中村文則さん原作ですので、一筋縄で行くはずがない。
婚約者と結婚を間近にした新鋭ルポライター、耶雲恭介(岩田剛典)。
天才写真家・木原坂雄大(斎藤工)が関わる盲目の女性焼死事件について調べ始めます。
ストーリーが進むごとに現れる新たな局面。
そしてそれぞれの登場人物が持つ心の闇。
例えばーーー
耶雲はただ意欲に燃えるルポライターなのではなく、はじめからある目的を抱いている。
彼の婚約者・百合子(山本美月)は、単なる心変わりで木原坂になびいたわけではなく・・・。
編集者・小林が耶雲の調査に乗り気でなかったわけは・・・
はじめに提示された構図がガラガラと崩れ去って、再構築されたときに現れる真相。
なかなか興味深いものでした。
結局、黒幕的存在だったのは・・・?
炎の中でもがき苦しむ女性の姿を、
救いだそうともせず、食い入るように見つめ、写し取ろうとする芸術家・・・
というのは、地獄変をもとにしていると思うのですが、
残念ながらそこのところのテーマにはさほど深入りはしていません。
ここをもっと掘り下げれば、作品にも重みはましたかも・・・とは思います。
それにしても斎藤工さんのこういう役、なんともピッタリで、いいですよねえ。
写真家も映画監督も似たような感じだし・・・。
でもそれを言ったら、耶雲の役は窪田正孝さんにしてほしかった。
悪いけれど、岩田剛典さんよりもドンピシャに思えるのですが・・・。
去年の冬、きみと別れ (初回仕様) [DVD] | |
岩田剛典,山本美月,北村一輝,斎藤工,浅見れいな | |
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント |
<J-COMオンデマンドにて>
「去年の冬、きみと別れ」
2018年/日本/118分
監督:瀧本智行
原作:中村文則
出演:岩田剛典、山本美月、斎藤工、浅見れいな、北村一輝、土村芳
ミステリ度★★★★☆
満足度★★★☆☆
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます