ボクシングにしがみつく男たち
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ボクサーに人生をかける3人の男たちのドラマです。
プロボクサーの末永晃(森山未來)は、かつてチャンピオンの座をつかみかけたものの失敗。
その後は「噛ませ犬」としてリングに上がり、ボクシングにしがみついています。
別れて暮らす妻と息子あり。
デリヘル嬢の送迎ドライバーとして日銭を稼ぐ。
末永が夜、ジムで一人で練習していると、
時々ふらっと現れて、なれなれしく話しかけてくる大村龍太(北村匠海)。
別のジムに所属する期待の新人。
プロテストも一発合格。
その後も順風満帆。
妻がいて妊娠中。
大物俳優の2世、鳴かず飛ばずのお笑い芸人・宮木瞬(勝地涼)。
テレビ番組の企画でプロとなり、初めての試合が、対末永とのエキシビションマッチと決まる。
彼のお笑いネタよりはマシ、ということで
ボクシングに取り組む様子を面白おかしくテレビ番組に仕立てられている。
末永と宮木のエキシビションマッチは、さすがに誰もが宮木のボロ負けを疑わないが・・・?
前編としては、若き大村はちょっと置いておいて、
末永と宮木、ボクシングをなんのためにするのか、
そしてその問いは生きることへの問いでもある、
行き詰まった2人の男の対決を中心に描かれています。
どんなに頑張っても報われるとは限らない。
止め時を探しているようでもある末永ですが、彼を肯定的に見てくれるのは小学生の息子。
たまに会うときには「世界チャンピオンの夢を諦めないで」と、
今も彼をヒーローとみてくれるたった一人の存在。
宮木は売れない芸人として誰もに見下されているような気がしているのですが、
唯一彼の恋人だけは、彼を気遣い、励ましてくれています。
たった一人でいい。
寄り添って見守ってくれる人がいれば・・・。
さてさて、このエキシビションマッチの行き先は・・・?
<WOWOW視聴にて>
「アンダードッグ 前編」
2020年/日本/131分
監督:武正晴
原作・脚本:足立紳
出演:森山未來、北村匠海、勝地涼、瀧内公美、水川あさみ、柄本明、風間杜夫
人生の行き詰まり度★★★★☆
満足度★★★★☆
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