映画と本の『たんぽぽ館』

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マザーレス・ブルックリン

2020年06月15日 | 映画(ま行)

母なしブルックリンっ子

* * * * * * * * * * * *


1950年代、ニューヨークを舞台とした探偵の物語。
エドワード・ノートン監督にして主演作品です。



ライオネル(エドワード・ノートン)は、チック症という障害がありながら、
驚異的な記憶力を持ち、探偵事務所で働いています。
事務所のボスはフランク(ブルース・ウィリス)。
フランクは孤児院にいたライオネルらを引き取り、事務所で仕事をくれたのです。
ライオネルにとっては人生の恩人であり、友人であり、信頼できるボスなのです。
ところが、そのフランクが何者かに殺害されてしまう。
ライオネルは、この事件の真相を探るために動き始めます。
そうして見えてきたのは、この大都会に暗躍する巨大な闇の権力・・・。

ライオネルの障害が、本作の大きな特徴を作り出しています。
緊張すると、とんでもない言葉を口に出してしまうのです。
それで一見は頭がおかしいヤツに見えなくもない。
でも、並以上に記憶力があり、頭も良くて、実に探偵向きなのでした。で
も、このハンデキャップのため、
これまでは探偵事務所の中でもあまり人と関わる仕事には就いていなかったのです。
しかし亡きボスのために、彼は動き始める。
何よりもボスは、ライオネルの力を信じていて、いつも励ましてくれていた、
そのことが彼を後押しする。

50年代のニューヨーク。
大きな公園の造成やら高速道路やらのために、
多くの人々が立ち退きを余儀なくされ、スラムも発生、
・・・そんな時代背景を反映していて、
まあ、実際にあったかもしれないような金持ち本意の街作りの思想が表されています。
いかにも50年代というような、人々のファッションや行き交う車、オフィスの様子。
完璧です!!

調査が進むうちに、何やら真相に近づいては来る。
が、それにしても何か欠けているピースがあるような気がする。
何やらすっきりしないもどかしい感じ・・・。
それがライオネルの思いですが、見ている私たちも同様です。
その最後の鍵はフランクが残していてくれた・・・!
灯台もと暗し、とでもいうそこのところが、良かった。

 

題名の「マザーレス・ブルックリン」は、
フランクがライオネルをよくそう呼んでいた呼び名。
「お母さんがいないブルックリンっ子」みたいな感じでしょうか。
いかにもこの2人の信頼関係が浮かび上がる感じですね。

<Amazonプライムビデオにて>
「マザーレス・ブルックリン」
2019年/アメリカ/144分
監督:エドワード・ノートン
原作:ジョナサン・レセム
出演:エドワード・ノートン、ブルース・ウィリス、ググ・バサ=ロー、
   アレック・ボールドウィン、ウィレム・デフォー

時代性★★★★☆
満足度★★★.5

 



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