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稲垣家の喪主

2024年01月15日 | 映画(あ行)

叔父叔母に、なんとしても結婚してもらいたい僕

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第9回WOWOWシナリオ大賞受賞作。

小学生の稲垣宙太(金成裕里)はひどいあがり症で、
クラスの皆の前で何か言わなくてはならないときなどには、
緊張してしどろもどろになってしまいます。
ある時、ジイジの葬儀であがってしまいろくに喪主挨拶ができない父を見て、
自分のあがり症は遺伝だと思います。

このままでは、将来自分の家族の喪主になるようなときに
同じことになってしまうと心配になってしまうのですが、
でもそれはまだまだ先の話・・・。

ところが、考えてみると彼の家には未婚の叔父叔母が同居しているのです。

元キャリアウーマンながら、なぜか急に仕事を辞めて実家に帰ってきてしまった叔母・杏子(広末涼子)。
そして売れない漫画家の叔父・脩二(森山未來)。

二人は結婚どころか恋人もいなくて、このまま近い将来何かあったら、
自分が喪主を務めなければならない、と宙太は思います。
それを回避するために、二人にはなんとしても結婚してもらわないと!

そしてそんな時、杏子を気に入ったらしき一人の男と、
脩二がかつて憧れていた一人の女が接近してきて・・・。

 

さて、この叔父叔母の結婚話はそう簡単に進むのかどうか・・・?
というところですが、まあ話はそう簡単ではありません。
さすがシナリオ大賞受賞作だけあって、細部までよく練られていると思いました。

小学生宙太の視点から描かれているというのもユニークだし、
宙太の友人二人の言動もいかにもおとなびているのがまたユーモラスで楽しい。
彼らは下手な大人よりよほど大人みたいです。
しかし、大人の恋愛や結婚の機微まではやはりわからない。

この家の人々の温かさも心地よく見ました。

 

<Amazon prime videoにて>

「稲垣家の喪主」

2017年/日本/114分

脚本:小山ゴロ

出演:広末涼子、森山未來、金成裕里

満足度★★★★.5



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