ぼっちえのき
* * * * * * * * * * * *
いつの間にか謎も悩みも解きほぐす、解読解決青年・久能整。
大学教官の天達(あまたつ)にバイトに誘われて山荘を訪れるも、
思わぬ事件に巻き込まれて…!?
* * * * * * * * * * * *
さて、整くんの第7巻。
天達先生に請われて、バイトとして、とある山荘を訪れた整くん。
ここに集まった人々でちょっとした謎解きイベントをするというのです。
その雑用係としてやって来た整くん。
しかし、天達先生から頼まれたのであれば、単なる雑用係が目的とは思えませんね。
イベントの謎をついうっかりすらすらと解き明かしてしまう整くんですが、
実は本当の謎は別にあった・・・。
このエピソードもTVドラマ化されているのですが、
大きく違うのはドラマでは刑事の風呂光さんも一緒に来ているところ。
う~む、さすがにそこは必要ない気がしますが。
この原作で注目すべきは、同じく天達先生にスカウトされた整くんと同期のレンくん。
彼がまたユニークなのです。
ぐいぐいと人に迫って来るタイプ。
気が利いてくるくると動く働き者。
思っていることはズバズバ言う。
整くんとは真逆のタイプで、多分整くんには苦手なタイプ。
けれど、彼もまたなかなか鋭いところがあって、
本作では2人の推理がものをいいます。
レンくんは、整くんはウザいと言われるくらい色々余計なことまで良くしゃべるけれど、
実は自分の身の上については、ほとんど話さないことに気がついています。
整くんが「トマトのサンドイッチはべしゃべしゃしてイヤだ」と、
自分の好みを話したことだけで、
心を開いてくれたように思って、嬉しく思うレンくん。
いい感じです。
ちなみに、私も整くん同様の理由で、トマトのサンドイッチは苦手。
しかるに、忘れられないのは、「あしたのジョー」の矢吹丈が
トマトのサンドイッチが好きだというシーンがあるのですよ。
そこは私、うそ~と思って、ショックでした・・・。
話がそれました。
このレンくんは人の見た目から連想する密かな呼び名をつける名人。
それで、整くんのことを「ぼっちえのき」と言うのです。
なるほど~!
あえてこの2人を呼び入れたのは、おそらく天達先生の計算なのでしょう。
整くんにとっては、初めての「いなくならない」友だちができた
と言っていいのではないでしょうか。
どっさり作ったカレーを、結局誰も食べられなかったのは残念・・・。
「ミステリと言う勿れ 7」田村由美 フラワーコミックスα
満足度★★★★☆
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます