オネエのことは秘密
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元ドラァグクイーンのなっちゃんが急死します。
それで、なっちゃんに一方ならぬお世話になって同じドラァグクイーンの道に入った、
モリリン(渡部秀)、ズブ子(前野朋哉)、バージン(滝藤賢一)の3人が駆けつけました。
この3人は、なっちゃんが故郷の家族にゲイであることも、ドラァグクイーンであることも
隠していたことを知っていたので、あわててなっちゃんの自宅アパートに忍び込み、
証拠隠滅を図ります。
調度そこへ、なっちゃんの母・恵子がやって来て鉢合わせ。
3人はどうにかその場をごまかしますが、恵子から葬儀に参列するように誘われます。
やむなく、3人はオネエを封印して
なっちゃんの故郷・岐阜県郡上八幡の葬儀へ向かうことに・・・。
なっちゃんの家族といってもこの母親だけなのですが、
オネエのなっちゃんの持ち物、化粧道具やら女性の服装やら、
確かに見られればすぐにそれと分かる持ち物でいっぱいですよね。
3人はそれらを必死で隠して処分。
それだけならまだしも、はるばる郡上八幡まででかけて、
ごく普通の男性のフリをしなければなりません。
もっとも道中はその必要はないので、オネエ満開です。
このロードムービー感がまた楽しいのですが。
この郡上八幡という舞台がまた、なんとも雰囲気があっていいですよね。
私も一度だけですが観光で訪れたことがあって、好きな町です。
折しも郡上踊りがおこなわれるお祭りの日。
実は、ズブ子はお姉キャラそのままでテレビなどに出演し、
知名度もあり人気もあるのです。
そのおかげか、お姉キャラも今や特別に「奇異」なものではなく、
むしろ歓迎ムードすらある。確かに、
今はそういう時代になっていますよね。
けれど現実問題として、こんな風な日本情緒たっぷりの田舎町ではどうなのか・・・?
そんなところも取り入れられた粋な作品だと思います。
本作はまた、オネエではない男性たちが、オネエの役を演じる。
そしてまたオネエなんだけど、オネエではないフリをするという演技が要求されるわけで。
そこのところが、さすがの滝藤賢一さん。
素晴らしかったです。
<Amazon prime videoにて>
「ひみつのなっちゃん」
2023年/日本/97分
監督・脚本:田中和次朗
出演:滝藤賢一、渡部秀、前野朋哉、カンニング竹山、松原智恵子
コミカル度★★★★★
ロードムービー度★★★★☆
オネエ度★★★★☆
満足度★★★★☆
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