映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

四月は君の嘘

2023年01月11日 | 映画(さ行)

母との関係、そして病気のオンナノコ

* * * * * * * * * * * *

母の死がきっかけで、ピアノが弾けなくなってしまった
天才ピアニストの少年、有馬公生(山崎賢人)。
ある日、天真爛漫なバイオリニスト・宮園かをり(広瀬すず)に出会い、惹かれていきます。

かをりとの出会いをきっかけに、ピアノと母の思い出に向き合っていく公生。
やがて、恐れずピアノを弾くことができるように。
しかしある日、共に出場するはずだったコンサート会場に、姿を現さないかをり・・・。

普通に音楽青春物語だと思って見ていたら、
私の苦手な「病気のオンナノコ」の話になっていきました。
う~ん、聞いてないよー!!

それにしても、内気で気が弱くて、いつもうつむきがちの公生くんと、
明るくて前向き、いつも元気を与えてくれるかをり、
名コンビをたっぷり楽しませてもらいました。

ここで重要なのは、公生と母親との関係。
母はそれこそ名ピアニストで、幼少の時から公生は
実に厳しく母からピアノを教えられたのです。
コンテストに優勝したときでさえも、褒め言葉はなくダメ出しばかりだったりして。
ある時ついに耐えきれず、「お母さんなんか死んじゃえ」と言ってしまった公生。
でも、以前から病に冒されていた母は、本当に亡くなってしまう。

まるで自分が母を殺したような感情に苦しみ、
ついにはピアノに集中しようとすればするほど、
ピアノの音が聞こえなくなるという症状が現れ、
以後、まともにピアノを弾くことから遠ざかっていたのでした。
母親への複雑な感情。
それが通り一遍ではないところがなかなかよいです。

公生の友人役、石井杏奈さん、中川大志さんもいい感じ。
幸せな友情物語でもありますね。

<WOWOW視聴にて>

2016年/日本/122分

監督:新城毅彦

原作:新川直司

出演:広瀬すず、山崎賢人、石井杏奈、中川大志、甲本雅裕、板谷由夏

 

音楽を楽しむ度★★★★☆

病気のオンナノコ度★★★★☆

満足度★★★☆☆



最新の画像もっと見る

コメントを投稿