孤児は金儲けの道具・・・?
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1900年初頭。
孤児院で1人の少年・ガストンが死亡します。
院長への反抗のため倉庫に1人隔離された上、肺炎をこじらせ、
なんの治療もされず、放置されたまま亡くなったのです。
ガストンはシングルマザーの母親が住む家を探すまでほんの数週間だけ、
ということでここに預けられていたのです。
そして孤児院の院長は、国から孤児を受け入れ、補助金を着服していたのでした。
しかし孤児には教育も受けさせず、近所の農園で働かせ、
粗末な衣服を着せ、ろくな食べ物を与えない・・・。
反抗すれば酷い体罰。
全く言語道断な場所。
少年たちは、他に行く当てもなく、反抗すれば体罰を受けることになるので
ただ耐えていたのですが、ガストンは視察に来た役人に思い切って真実を告げようとします。
でも結局そのことが彼の命取りとなってしまったのでした・・・。
院長らは、ガストンを保健室に入れたけれど、
手の施しようがなく亡くなったと事実を隠蔽します。
それが嘘だと知ったガストンの母親は若手検事ガイドンの力を得て、
裁判へ持ち込もうとしますが・・・。
私、見終わってからこれが実話に基づいていると知って驚いてしまいました。
いいえ、でもいかにもありそうな話ではあります。
とにかく権力者、金持ちの言動を人々はまず信じて、
他の取るに足らない人々のことばは、信じようとしない。
もし、うすうす感じたとしても、たいしたことはないと目をつぶってしまう。
現在わたし達の身の回りで起きている多くのことも、これに近いかも知れません。
性加害のこと。
政治家の裏金のこと。
児童虐待のこと・・・。
この真実を表に引き出すための労力がまた、ハンパなものではないのです。
権力者はあらゆる手を使って、告発者を潰そうとします。
脅したり、他から圧力をかけたり、妨害行為をしたり・・・。
自らは金に任せて有能な弁護士を雇ったりもする・・・。
正しく物事を見極める眼と耳と心がほしいですね。
<Amazonプライムビデオにて>
「孤児院」
2018年/フランス/96分
監督:フィリップ・ニアン
出演:ジュリー・フェリエ、ブルーノ・デブラッド、テオ・フリル、エミリー・ドゥ・プレザック
児童虐待度★★★★★
悪辣度★★★★☆
満足度★★★.5
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