何度も押し寄せる感動の波
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第16回本屋大賞受賞作の映画化。
ということで、原作は読んでいました。
そこではもちろんいたく感動したわけですが、
だからこそあえて映画を見るまでもないかと思ったのですが、
やっぱり気になるので拝見。
いやはや、映画化されてますます心揺り動かされるということもある、
という見本みたいな作品です。
優子(永野芽郁)は、料理上手な義理の父・森宮さん(田中圭)と2人で暮しています。
高校3年の彼女は、卒業式にピアノで演奏する「旅立ちの日」を猛特訓中。
さてまた一方、幼いミイちゃんはお母さんを病気で亡くし、
新しいお母さん、梨花さん(石原さとみ)を迎えます。
お父さん(大森南朋)は仕事でブラジルへ行ってしまいましたが、
梨花さんはブラジル行きを拒み、ミイちゃんと共に日本に残って暮し始めます。
その後、梨花さんは夫を何度も替えながら、自由奔放に生き始めて・・・。
原作を読んだ方なら、優子とミイちゃんの関係は始めから知れるわけですが、
そうでない方なら、次第に見えてくる真相に驚きを感じることでしょう。
こうした企みに、はまってみたかったなと、
原作を知っていたことをちょっと後悔しました。
梨花さんはその後、結婚した森宮さんの元から姿を消してしまい、
全く血のつながらない森宮さんと優子が残されて生活を続けたわけです。
結局3人の父親と2人の母親を持つことになった優子。
学校の教師は、家庭環境に問題ありとして、過度な気遣いをしたりします。
けれど優子自身はその都度の父親から、十分以上の愛情を受けて来ていたのですね。
ただ一つ、心に傷を受けていたのは、
あんなに大好きだった梨花さんが突然理由も告げずにいなくなってしまったこと。
梨花さんはそんなにも束縛される結婚生活がイヤだったのか?
ただ自由奔放な人だったのか・・・?
真相が知れる所ではもう、涙腺崩壊。
いえ、そこだけではありません。
ラストだけではなく要所要所で感動の波に何度も襲われます。
マスクぐっしょりです。
本を読んだときにも感動はしたのですが、
こんなには泣かなかったと思います。
映画としての完成度が高いということなのかもしれません。
梨花さんのことばかりではなく、優子の恋模様もまたいいですよ。
ピアノを弾く早瀬くん(岡田健史)、カッコイイ!!
彼とのことも、実は幼い頃の出来事に関係していたというのもまた、良かった。
余談ではありますが、優子のおべんとう作りにも余念のない森宮さん。
彼の作るたこさんウインナーは、あの真っ赤に着色したマズ~いウインナーではなく、
ちゃんとまともなウインナーだったことにイイネを押したくなりました。
<シネマフロンティアにて>
「そして、バトンは渡された」
2021年/日本/137分
監督:前田哲
原作:瀬尾まいこ
出演:永野芽郁、田中圭、岡田健史、石原さとみ、大森南朋、市村正親
親子愛度★★★★★
感涙度★★★★★
満足度★★★★★
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