映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

オブリビオン

2013年06月05日 | 映画(あ行)
のめり込めない・・・



            * * * * * * * * *

2077年、エイリアンの攻撃により地球は壊滅。
人類は他の星への移住を余儀なくされます。
地球に残り、まだ残っているエイリアンの脅威に対し
監視任務に就いているジャック・ハーパー(トム・クルーズ)は、
墜落した謎の宇宙船の中で、
眠っている美女ジュリア(オルガ・キュリレンコ)を発見。
なぜか彼女は、度々ジャックの夢のなかに出てくる女性とそっくり。
ジャックは彼女を保護しますが、
やがて、ビーチと名乗る男に捉えられ、驚愕の事実を聞かされるのです・・・。



表題の「オブリビオン」は「忘却」の意味。
ジャックは、この任務に就く前にそれまでの記憶を消されているのです。
非常にシンプルで美しい中空に浮かぶ住居。
しかしあまりにも無機質で生活感がない。
それはジャックの失われた記憶とあいまって、
何やら非人間的な気配すら漂わせている・・・。
そんなジャックのアイデンティティを揺るがす真実が、
周りの状況すらも変えていく・・・ということなのですね。



壊滅した地球。
破壊されたビルや橋。
上空にはこれ又破壊された月が浮かぶ。
何やら夢のように寂寥として、
そして美しかったりします。
エイリアンはまず月を破壊し、そのことによって地球に大きな天変地異が生じる、
という設定は、なるほど~と思わせられました。
そして又、この物語はラズストーリーでもあります。
ジャックはヴィクトリアという女性と共に任務にあたっており、
まあつまり個人生活の上でもパートナーであるわけですが、
なぜか別の女性の夢ばかり見てしまう。
それは、失われた記憶の断片であろうと想像がつくわけですが・・・。
自分の本当の記憶、そして本当の愛。
ジャックはそれを取り戻していく・・・。



こうして振り返れば映像もシンプルで美しく、その愛も美しい。
だけれども・・・、
なんだか私にはのめり込めなかったのだなあ。
あまりにも無機質なので、どうにも愛着がわかないというか。
感情移入もしがたく・・・。
熱くなれない。
ほとんど好みの問題なのでしょうけれど、
私としては残念な結果となりました。



しかし、無人偵察機のドローンはユニークでした。
無人・・・というよりもつまりはロボット。
可愛い形をしてるくせにこれが又、いかにも“機械”で、
感情を持たないところが妙な緊張感を醸していたので、
これはマルでした。

「オブリビオン」
2013年/アメリカ/124分
監督:ジョセフ・コジンスキー
出演:トム・クルーズ、オルガ・キュレリンコ、モーガン・フリーマン、メリッサ・レオ、アンドレア・ライズボロー
メカの美しさ★★★★☆
寂寥度★★★★☆
満足度★★☆☆☆


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ドローン (iina)
2013-07-04 12:03:40
そうでした。無人偵察機のドローンが、ユニークで無人でした。

無人ばかりか、不気味な存在でいながら、愛らしい姿でした。

返信する
機械 (たんぽぽ)
2013-07-04 20:21:27
>iinaさま
今実際に作られているロボットは可愛く作られていますよね。アシモとか、先日宇宙衛星で使われるというロボットをTVで見ましたが、カワイイ!
でも本当は、何を考えているかわからない、底知れない不気味さがあるべきなのかもしれません。
逆に言うと、ドローンは、味付け次第で凄くキュートで愛される機械になるかもしれない・・・。
返信する

コメントを投稿