英語なら言えるのに、日本語だと・・・
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仲野太賀さん、若葉竜也さん、毎熊克哉さん、
最近私が個人的に注目している面々の出演作なので、これは見逃せません。
高校時代から仲のよい山田厚久(仲野太賀)、奈津美(大島優子)、武田(若葉竜也)。
厚久と奈津美は結婚し、5歳になる娘がいます。
ある日、厚久は奈津美の浮気を目撃してしまう。
そして彼女の方から離婚を切り出されたのです。
自分の何が悪かったのか・・・茫然自失状態の厚久。
奈津美はやがて浮気相手(毎熊克哉)と同居しますが・・・。
厚久のあずかり知らぬところで、奈津美の事態はどんどんと悪化しはじめて・・・。
厚久は武田と共に英会話を習っていました。
いつか外国相手の事業を始めたいなどと思っていたので。
その時に思ったのです。
日本語では口に出すのが恥ずかしいようなことでも、
英語なら話せる、と。
厚久は本当に奈津美と娘を大切に思っていた。
けれど、そのことは口に出して言ったことがない。
厚久は「自分が日本人のせいかな」などと言うのですが、
いやいや、そんなことを言っている場合ではない。
少なくとも、離婚を切り出されたときに、
自分の本当の気持ちを誠意を持って伝えるべきだった。
いくら思っていても、口にしなければ伝わらない。
奈津美は日々の生活の中で厚久の気持ちを汲むことができず苛立ち、不安に思っていたわけです。
その後、坂道を転がり落ちるようにどんどん立場が悪くなっていく奈津美。
確かにその後については厚久の責任ではない。
でも、そもそも離婚に至ってしまったことが原因なのだから、
厚久がきちんと自分の思いを奈津美に伝えようとしなかったことが間違いのもと、
とも言えるのです。
実のところ、日本人だからそう易々と愛の言葉なんて口にできない、
という厚久の思いは、心当たりもありますけどね・・・。
もう、いっそのこと英語でもいいから、ちゃんと口にしましょうよ!!
武田は実は彼も奈津美が好きだったのでは?と思えるのですが、
厚久と奈津美の幸せを願い、二人を影から見守るというスタンスです。
二個入りのパピコを厚久と武田が一袋ずつ買って、
それぞれ自分の分1個を取って、もう一つを奈津美に渡す。
つまり奈津美は2個を手にするという・・・。
そんな高校生時代のエピソード。
こんな他愛のない日々が、果てしなく貴重です。
「生きちゃった」
Amazonプライムビデオにて
2020年/日本/91分
監督・脚本:石井裕也
出演:仲野太賀、大島優子、若葉竜也、毎熊克哉、パク・ジョンボム
日本人度★★★★★
悲劇度★★★★☆
満足度★★★★☆
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