だいたいねぇ、700席のホールなんて大きすぎるんだよ。田舎町のアマチュア劇団が満席にできる数字じゃないね。菜の花座の場合、旗揚げ公演が、最高で350だったか。まあ、普段の公演なら、200がいいとこ。いやいや、その200だってなかなか達成できない数字なんだ。
アマチュアだけじゃない。プロの劇団だって、ここ川西町フレンドリープラザの客席を満席達成できるのは、井上さんのこまつ座と、超有名な役者が出るときくらいだからね。最近で言えば、渡辺えり子さんと小日向文世さんのミザリーかな。あの素晴らしい舞台をプレゼントしてくれた音楽座だって400いかなかった。つらいよねぇ、ほんと、つらい!
だから、僕らみたいな弱小劇団は、150~200席くらいのこぢんまりしたホール、と言うより小屋がお似合いなんだよ。って、言うか、そのくらいの方がきっちりお客さんとやり取りできていいんだ。700もの客席にお客さんちらほらってほんと、萎えるもの。
ところが、演劇ができる設備整えていて、しかも200席なんてホールは、ここいらにはどこにもない。じゃあ、作っちゃえ!
と、いうことで、今回の菜の花座の公演『遭難、』は小劇場をでっち上げて、打つことにした。どうやって?舞台の上に舞台も客席も詰め込んじゃうって話しだ。これって、フレンドリープラザじゃもう随分前から実験済みの手法なんだ。平田オリザさんの青年団がこの方法で、行き詰まるような緊迫した舞台を作っているし、最近のプラザ演劇学校公演ももっぱら、この手で勝負している。
まあ、二番煎じって感が無きにしもあらずだけど、これを今回徹底して、これから先の定番にまで仕上げられないかってのが、僕の目論見だ。ステージの上手半分を舞台にして、下手半分と下手袖にぎっちりと、そう、東京の小劇場のようにきゅうきゅうに客席作る。入り口は下手袖への出入り口だ。ここから客席まで、狭い通路をしつらえて、・・・おっと、あんまりばらしちまうと、当日の楽しみが無くなるな。
成功か失敗か、まずは見に来てください。えっ、小劇場のできばえじゃないですよ、芝居のほうですよ、芝居!目の前で、つばが飛んでくる近さでやりますからね。乞う!ご期待!!