ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

別れは熱く!

2008-03-04 10:32:42 | 教育

 卒業式が終わった。玄関前のコモンホールでは、演劇部の下級生が3年生を取り囲み名残を惜しんだ。何度も呼びかけ、何度も抱き合い、何度も涙を拭い、何度も写真を撮った。いつまでも去りがたく、別れの儀式はどこまでも続く。他の部でごった返していた玄関もいつの間にか人が去り、残るのは演劇部だけだ。熱い部活は別れも熱い。

 今年卒業する3年生は10人、多彩な顔ぶれだった。高校生離れした演技で観客を魅了したミドリ、部長としてテレビ取材や挨拶を巧みにこなしたコウキ、キャストとしても制作としても部の要となったマリコ、子どもミュージカル14回公演を主役として頑張り通したユリエ、ただただ部活とダンスが好きで学校に通い続けたユカ、照明のエキスパートとして孤軍奮闘してくれたミカ、人間嫌いを乗り越えてとうとう舞台監督にまでなってしまったマサミ、几帳面な音作りと絶妙なセンスで音響を担当したサトミ、来る日も来る日もミシンに向かい続けたマイナ、体中絵の具だらけにしていつも最後に作業から上がってきたアサミ、10人のチームワークは抜群だった。

 才能も興味も人柄もてんでんばらばらの3年生だったが、共通するのは真面目さだった。ともかく、部活を休まない。怠けない。するしない。休みもない、時間も長い演劇部だったが、不平一つ言うことなく?活動を続けた。一年間の舞台制作6作品、通算23回の公演、その他にダンスや獅子舞、コントの出前は数知れず、そんなはちゃめちゃな活動を一人として脱落者なくやり遂げた。しかも、休まないのは学校も同じ。ほんどの部員が3カ年皆勤・精勤、1カ年皆勤・精勤で表彰された。成績も悪くなかった。公欠続きで遅れがちの勉強も、少ない時間を上手に使ってカバーしていた。

 こんな3年生がリードする部活動だから、下級生も休まなくて当たり前、成績上がって当然?の演劇部になった。真剣に稽古に取り組み、夢中になって舞台を作り上げる真面目さ熱心さがあったればこそ、年間23回公演なんて活動も展開できたし、東北大会出場、全国大会出場権獲得なんてどでかい成果も生み出すことができた。逆に、この活動の密度の濃さ、がむしゃらさが、あついあつ~い部の熱気を作り出せたってことでもある。

 目頭を押さえつつ泣き笑いに顔を歪ませながら、いつまでも名残を惜しむ下級生がいる。数々の思い出と憧れのきもちを心に溢れさせてたたずみ続ける1,2年生がいる。これほどにくっきりと人の心に焼き付いた君たち3年生、なんと幸せなことじゃないか。

 

 

コメント (9)
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