ステージおきたま

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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

コント台本公開!第2弾

2008-03-16 20:33:11 | 演劇

 二日ないし三日に一度の記事アップってなかなか大変なんだ。書くことも無くなってくるし、時間的にも相当きつい。特に、今は、次回菜の花座公演の台本のことで頭も身体も目一杯だから、新しい記事を書くゆとりがない。残念!

 かといって、何か書かないと気がもめるので、おお、そうだ!2月の生徒活動発表会のコント台本を公開していないではないか!と言うことで、諸般の事情により、今回はコント台本を載せて、堪忍してもらおうか。もっともこのコントあまり良い出来じゃないから、さらに気が引けるところあるんだけど、まあ、いいでしょ。場所ふさぎの一手です。気を悪くしたひと、ごめんなさい。

 なお、このコントはクレージーケンバンドの名作『タイガー&ドラゴン』を元に書いたものなので、コントの最後はすべて「俺の話を聞け」になっている。この部分では、当然、『タイガー&ドラゴン』のさびの部分が突如鳴り渡るわけなので、その辺もよろしく。

 コント『俺の話を聞け』

          舞台は後方に海が広がる公園。上手から下手へ腰高の堤防が連なり、その上は散歩通になっている。中央に幅広の階段。その横手にベンチがある。

第一話『電気海月』

          下手から男が二人言い争いながらやってくる。

男A    ちょっ、ちょっと待て!

男B    いや、今、忙しいから。

男A    ちょっと、ちょっとだけだ。

男B    今度、な、今度!

男A    今度、今度っていつ?

男B    次は、絶対。

          と、二人しだいに早足になりながら上手にはける。上手から、走りながら登場。逃げるBをAが追いかけている。

男A    待て、逃げるな!

男B    だから、今度、な、今度!

男A    ちょっと待て、俺の話を聞け!

男B    勘弁してくれよ!

          と、二人下手に走り去る。二人、下手からスケボーに乗って走りながら。

男A    5分でいい、5分でいいから。

男B    今日はダメ!今日は許して!!

          と、二人上手に去る。上手から今度は三輪車に乗って登場。下手に走りながら。

男A    2分!2分だけでいいから、俺の話を聞け!

男B    わかる、わかってるよ、いいたいことは!

          と、下手にはけ、男B下手土手上から、海に飛び込み泳ぎ始める。男Aも続いて飛び込み、後を追う。

男A    俺の、俺の、俺の話を聞けえ~~~~。

男B    あんたの、あんたの、あんたの話しはききたくない~~~~~。

          と、上手に泳ぎ去る。上手から、ボートを漕ぎながら、男Aのみ登場。下手に向かって必死で漕いでいく。

男A    金!貸した金!金返せえ~~~~~。

と、突然中央で電飾に輝く大電気海月が立ち上がり掴みかかる。男Aびっくりして、向きを変え、上手に向かってこぎ始める。

男A    金のことなどどうでもいいから。

男B    俺の話を聞け~~~~~。

第2話『恋人たちと乞食』

         恋人たち下手からやってくる。男はウキウキと嬉しそう。ようやく叶ったデートかな。女、気乗り薄。男、ベンチに座って。ハンカチを出して、隣の席に敷く。

男     ここ、ここ座って。

          女、男のハンカチでベンチをごしごしこすって後ろに捨て、隣りに座る。

男     俺、ここ、気に入ってんだ。ねっ、いいとこでしょ。

女     まあね。

男     ずっと。ずーっと、思ってたんだ。いつか、いつか、彼女ができたら、ここに来ようって。

女     ええーっ、あたし、あんたの彼女なの?

男     いやあ、まあ、みたいな、

女     みたい?

         船が上手からしずしずと進んでくる。

男     いえいえ、まあまあ、あっ、船!船だ!

         と、後ろの海を振り返るが、船は慌てて下手に逃げ去り、見あたらない。

女     どこにもいないじゃない。

男     おかしいなあ?通ることになってんだけど、ま、ま、ま、海って、すっげー、ロマンチックじゃない。世界の果てまでずーっと/

女     あっ、今、何時?

男     えっ、今、えーっと、今の時刻は、

女、携帯を取り出し。

女     やば!

         と、携帯をかける。

女     ああ、ごめ~ん!ちっとさあ、やぼ用できちゃってさあ。・・・うん、30分、いや、15分、15分で行くから。

         女、携帯をしまう。

男     俺、・・俺、・・こういうのって、初めてでさあ、

女     こういうのって?

男     だから、二人きりってーか、デートってーか。

女     へー、そう。

男     君は?

女     ねえねえ、なんか、お腹空かない?

男     えっ、腹、ああ、へったお腹。これ、

         と、懐から焼き芋を出す。

女     焼き芋~?

男     さっき待ってる時、そこで、

女     いいよ、

男     焼き芋、美味いじゃない。腹一杯にもなるし。

女     いいってば。

          女、無理矢理押しつけられた焼き芋を手にそっぽを向く。男、前を向いて、焼き芋を頬張りながら、

男     夢みたいだ。君と二人で、・・・・ずっとずっと空想してたんだ。こうやって二人で焼き芋かじりながら、・・・・おしゃべりして、・・・・俺、前から、君のこと見つめてたの、知ってる?・・・・俺、気弱いから、・・・・自信ないし、・・・・

          女、途中で携帯を取り出し、メールをチェック。焼き芋をベンチに置くと、下手に去る。乞食がやってきて、ベンチの焼き芋を見つけてベンチに腰掛け美味そうに食う。男は、女が乞食に入れ替わったことに気付かない。

男     でもさ、いつまでも、そんなんじゃダメだって、・・・・決心したんだ。君のこと、・・誘おうって。で、・で、・で、打ち明けようって。

          乞食、頷きながら芋を頬張る。男、そーっと、手を伸ばして、女(乞食)の手を探る。乞食、ちょっと、驚くが、手を握らせる。

男     あ、あ、あ、あ、あり、あり、ありがとう。・・俺、ほんと、ほんと初めてなんだ、こんなこと、・・・でもさ、いつまでも、そんなんじゃダメだって、・・・・決心したんだ。君と、君と、初めてのキッスを、・・・

          と、男、目をつぶって、乞食の方に唇を突き出す。乞食、焼き芋を口に入れたまま、男を見る。男、焼き芋とキッスする。焼き芋をかじり合った二人、顔を見合わせる。思わず、焼き芋を飲み込み、むせかえる二人。男、女がいなくなったことに気付いて、追いかける。と、突然、タイガー&ドラゴンのさびがかかる。

男     俺の、俺の、俺の話を聞けえ~~~~~!

第3話『ちんぴら』

          上手から少年が本を読みながら歩いて来る。上手から、いかにも風なちんぴらが二人(女が演ずる)肩で風を切りながらやってくる。

ちんぴらA  こんど奴らにあったら、ただじゃおかねえ。

ちんぴらB  ああ、そうともさ。

          少年、本に夢中でちんぴらとぶつかってしまう。

少年     あっ、ごめん、いえ、済みません。

          少年、脇に挟んでいた紙包みを落とすが、気付かない。ちんぴらBひろう。

ちんぴらA  おいおい、小僧。

少年     勘弁してください。つい、夢中になって、

          と、逃げる。ちんぴらB、立ちふさがって、

ちんぴらB  おい、兄ちゃん。

少年     わざとじゃないです。

ちんぴらA  そんなこたあ、わかってるよ。

少年     ごめんなさい。堪忍してください。

          と、すり抜けようとする。ちんぴらB、少年の腕を掴んで、

ちんぴらB  待ちなって。

少年     僕、金、まるっきり、ないです。ほら、

          と、ポケットから財布を出して、中を開けてみせる。

ちんぴらA  だれが、金寄こせって言った?

少年     いえ、じゃあ、これ。

          と、マンガ本を差し出す。

ちんぴらB  ばかやろう!

少年     すみません。

          と、今度は来ていたジャケット脱いで渡す。

ちんぴらA  この野郎、俺たちを誰だと思ってやがんだ。

少年     許してください。

          と、さらに、シャツを脱いで渡す。

ちんぴらB  だから、そんなもん、

少年     わかりました。

          と、ズボンを脱ぎ始める。

ちんぴらA  こら、よさねえか。

コメント
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