菜の花座文翔館公演『雲雀、はばたきて』の装置が完成した。今回は、センター舞台、つまり客席の中央に舞台を設置するので、装置はそんなに置けない。だって、客席から役者が見えなくなってしまうものね。だから、装置と言っても、上手、下手にちょっとした壁と扉を作るだけだった。って書くと簡単そうだが、これがねー!!なんせ、センター舞台でしょ、もうすぐそこにお客さんがいるわけだよ、ちゃちな扉作ってるわけにいかないんだ。それと、裏側ってものがないわけだから、装置は自分で立つように作らなくちゃならない。ね、結構大変なんだ。
さらに、大変だったのは、センター舞台なんてものを作っちまったせいで出てきた、あれやこれやなんだ。まず、客席が舞台で寸断されちまってるから、舞台奥の客席に行くための通路を確保せにゃならん。これは階段でいったん舞台に上がり、さらに、階段で客席に降りる形にした。これのために、上下に階段が2セット、つまり、4個。それから、舞台袖から楽屋までの通路。これがなかなかやっかいで、ちょっと、ここで説明するのは難しい。まず、本番当日来てもらって感じ取ってもらおうか。今、言えるのは、その際、舞台袖にすでにある時代ものの手すりを乗り越えるなんてとんでもないことを考えてしまったので、そのための階段2個と渡り板のセットが上下に2セット。ともかく、国の重要文化財だからね、絶対傷を付けてはならない。そういうぎりぎり限定された条件の中で、やりたい放題をしようってわけだから、手間暇かかったわけだ。
なーんて、偉そうに言ってるけど、今回は、僕はまったく装置作りにはタッチしていない。すべては、装置担当のオカダと舞台監督のマキコのコンビが仕上げた。ほとんどまるまる2ヶ月!土日はすべて玉庭のふるさとセンター(ここが、菜の花座の装置制作場所)に通いつめて完成させてくれた。しかも、オカダの几帳面さが随所に見て取れる会心の装置群だ。こういうきまじめな職人を抱えているってことが、菜の花座の大きな強みなんだよな。
さあ、この仕組み見るだけども、価値はある。10月12日(土)、山形市文翔館議場ホールでの公演だ。入場券は残り僅少!ほんとか?お早めに!お早めに!!