ごはんDE笑顔が終わって、ようやく演劇部に集中だ。大会作品『漂流』、台本は渡してあったし、歌の練習なんかも始めていたけど、どうにも片手間仕事で辛い思いをしていたし、させていた。今日は晴れて演劇部活動だけの日曜日。おっと、就職する部員の面接指導はあったけど。嬉しくてランニング普段の2倍の10周もしてしまった。
作曲の知野先生がみえるまで、基礎トレとダンス練習でしごいた。ダンスは身体の切れ味を高めるのに絶対だ。上級生と1年生の振りを見ているとそれがよくわかる。音楽のテンポについていけない。身体の動きが小さい。リズムに乗れない。これで冬から人前で全曲踊ることなんてできるんだろうか???でも、今の3年生だって1年の時はこんなだったんだ。それが今では、・・・。だからダンスの効果は馬鹿にできない。
3時、約束通り知野先生来校でレッスンが始まった。とりあえず歌って見ようということで歌わせてみるが、いやぁぁぁ恥ずかしい。リズムは狂っているし、音程が取れない所も随所にある。ソロとるはずなのにほとんど歌えないなんて奴もいて、いったい今までなにしてたの?ってきっと怒ってるだろうな、と気が気じゃなかった。
時間があまりなかったのだが、一曲ずつポイントになる部分を指摘してもらった。本当はもっともっと直したかったんだと思うな。そこをぐっと堪えて、どうしも必要な部分だけダメだしをしてもらった。僕が何度言っても直らなかったところが簡単に出来るようになったり、曲の解釈が間違ってた部分がわかったり、収穫は大きかった。
重唱の部分をどう割り当てるかなどでも、こちら素人は簡単に女性パートと男声パートに分けたりしていたんだけど、それを男女混合で二つに分けて思いがけず厚みのある音にしてくれたりもした。今回の曲はリズムが難しい曲も多く、生徒たちだけでは手こずっていたのだが、その効果的な練習方法も伝授していただいた。
3時間のレッスン、あっという間に終わって、ああ、もっと見てもらえたらなぁと後ろ髪を引っ張りたい気持ちでいっぱいだった。最後子どもミュージカル『どんでん森はどっきどき』の曲を3曲ほど聞いてもらって終了した。
レッスンの途中で、今回の曲をどの様な気持ちで作ったかも話ししてくれて、単に役に徹する以上の心構えで歌ってほしいとの注文を受けた。実際、生徒達が歌う曲の数々を聞いて、素晴らしい曲をプレゼントしてくれたなぁとつくづく感じた。途中、涙が止まらなくなることも何度かあった。
曲は作曲家からの授かりもの、そしてそれは震災の犠牲者への手向けもの。出来る限り多くの人たちに見て、聞いてもらわなくちゃならない。地区大会なんかで終わっちゃならない。もちろん県だって通過しなくちゃ。そして、できれば全国まで。そのためにも優れた舞台を作ること。感動的な1時間に仕上げること。これは演劇部が託された使命と言えるだろう。良いものに出会える機会はそうそう多くはない。僕も部員達もこの素晴らしい授かりものを大切に育んでいこうと思う。