本読みが終わった。歌の稽古をしながら、三年生の面接練習をしながら、どうやらセリフ回しを直しつつ最後までたどりついた。やはり三年生中心だから、飲み込みも早い。それと、定期公演で『見よ、飛行機の高く飛べるを』みたいなシリアスな芝居をこなしてきた成果かな、こちらの言うことを比較的すんなりと理解してくれるし、それをなんとか形にできるようになっている。
と、いうことで、明日からは装置、衣裳作りに入る。昼休みを利用してまたまた宮内の生地屋さんへ。まず、海の布40m、それから乙姫様とその侍女鯛と蛸の衣裳。さらに渡海上人金光坊の着物と袈裟の布やら漁師や三婆のもんぺや着物布など大量に買い込んだ。いつもながら大幅にまけていただけた。ありがたい。それにしてもこの登場人物の奇妙なこと!お楽しみ、お楽しみってところだね。
さて、今回の作品、歌に次ぐ目玉は何か?
これはもう、舞台に浮かぶ船だ。なんたって、大海を漂流する船が主役だもの、大きな船がステージを覆う。抽象舞台なんかじゃない。きっちり船を造る。さあ、どうやって作るのか?いや、本当にできるのか?実はやってみないとわからない。
この作品を書き始めた時から、船をどう舞台に乗せるか考え続けてきた。素材は何を使うか、どう建てるか、向きはどうするか、役者の出入りはどうするか、ともかく難問ばかりだ。中でも難しいのは船べりの曲線をどうだすか。なんとかアイディアを絞り出したが、さて、どうだろう?まずはやってみないとね。
これがうまく行けば、もう芝居の成功は間違いなしだ。素晴らしい歌を渡り歩くようにストーリーをたどれば、衝撃のラストが待っている。さあ、船作りだ、明日から!!