えーっ、なに!糠野目、降ってんじゃん。和田はお湿りにもならない、短時間のミスト程度だっていうのに。もう!不公平だっ!その間、たっの8キロだよ。どうして、そうなるんだよ。って腹立てたってどうにもならない。わかってる。でも、ついつい、気まぐれな雨雲を呪い、不確かな天気予報に毒付き、さっさと乾いた地面にため息をつきたくなるんだよ。もう、畑はぱさぱさ!これじゃ、播いた大豆だって芽が出るわけがない。せっかくここまで虫にも食われず順調におがってきた期待の星キャベツとブロッコリーも萎れ気味だ。たっぷり実をつけたブルーベリー、水が欲しいって嘆いているよ。天気予報じゃ、次の雨降りは3日後の月曜日。待てないよ、とてもとても。ブルーベリーには水やりすることにしよう。
そうだ、去年も今頃はカラカラ天気だった。たしか1か月くらい晴天が続いて、野菜たちにも緊急放水を繰り返したんだった。田んぼも水が来なくて、上の方と水の奪い合いになりかけた。険悪な雰囲気が広がり、日にちを決めて水を入れる番水に入った翌日、ついに待ちに待った雨が降った。それも土砂降り。
今年はあの雪の少なさだったから、田んぼの水はずいぶん心配した。山にゃ地下水、蓄えられていないよ、きっと。田植えだって、満足にできるかどうか?ところがね、意外なことに、堰の水は枯れることなく流れて来ている。上で水を止められることもなく、必要十分に我が家の田にも流れ込んでいる。田んぼの代掻きを丁寧にしたお陰で、水持ちもよく、ここまで田が干上がるようなことはない。もちろん、地下水くみ上げの田んぼも、水は豊富。少雪の影響、どうなってんだ?自然の仕組みって、人間ごときには計り知れない部分があるってことだ。天気の良い分、稲の生育はいたって順調。すくすく育った稲が、風のリズムを楽しむように揺れている。
畑の作物も、すべてがすべて乾燥に弱いってわけじゃない。イチゴなんか、カラカラの土にしっかり根を張って、連日、真っ赤な実をこれでもかっていうほど、提供し続けてくれている。大きく膨らんだ玉ねぎ、ニンニクも、この晴天続きは、収穫にはもってこいだ。雨が来るぎりぎりまで待って、堀上げることにしよう。雨が降らないことも恨めしいが、あと数週間もすれば、今度は、降り続ける雨を呪うことになる。太陽が照り輝き、雨が降り注いで、畑も田んぼも上手く行く。呪いの言葉などもっての他、ただひたすら、乞い願うばかりのこと、それぞ正しき自然とのお付き合いというもんだ。