ステージおきたま

無農薬百姓33年
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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

そうだ、株間除草機あったんだ!

2016-06-13 08:02:53 | 農業

 最初の除草機押しから1週間、そろそろ2回目の除草に入る時期だ。なんせこの暖かさだ、イネも元気だが、雑草も出番でしょう、とばかりに顔を出す。除草機でひっくり返せた畝間は、さすがにそうでもないが、狭い株と株の間はもう2か月ほったらかした坊主頭のようにぼうぼうだ。この株間の除草が実に厄介なんだ。Qホーという長柄の鎌を操って、1株1株、合間をこそぎとっていかなくてはならない。気が遠くなる前に、うんざりして投げ出してしまう作業になる。これまでは、2回の畝間除草を終えた後、仕方ねえなぁ、と、だらけ心をかち上げ重い尻を持ち上げして、田に向かってきた。1反終えるのに5日、ようやく終着にたどり着いた頃には、最初に取り掛かった部分が草ぼうぼう、やれやれやれ、またもやか!なんとかならんもんかのう?と、老農夫は呆然と佇んできたわけだ。

 そうか!株間除草機ってやつがあったはずだぞ。普通の除草機がもっぱら畝間をひっくり返すのに対して、株間除草機てのは、株と株の合間まで除草できるってうたい文句で売られていた。10数年前、株間除草の辛さに音を上げて購入、高かった!喜び勇んで使ってみたものの、株間もばっちり!なんてのは所詮セールストーク、株間の絨毯のごとく張り詰めた性悪雑草には刃向かうこととてできず、そのまま永年追放処分となっていたものだ。あいつを現場復帰させてみたらどうだ?

 今回、復帰の機会を与えてみようかと思った理由は、藁にも縋りたい気持ちが一番だが、他の土が10数年前よりずっとトロトロ化してるってことと、使う時期を変えてみれば結構上手く行くかも、との思いからだった。この株間除草機ってやつ、普通の除草機とは文字通り、180度違う。後者が前進方向に爪が回転するのに対して、こやつは横に回転するのだ。爪は前後2か所左右に付いていて、前の爪の合間は狭くなっている。この部分が株間を引っ掻きまわすようになっている。

 再起を賭けた試用、機械を田に下しぐいっと押してみる。おおっ!意外と軽いじゃないか!トロ土だからな。それに土も思いの外かき混ぜてくれる。株間については、除草とまではいかないが、土を掘り起こして雑草を浮かせてくれる。おお、よしよし、これなら使える。今のうちに株間雑草の根を切っておけば、Qホーでの除草もきっと楽になることだろう。よし、除草機押し2回目の今回はこいつでやり遂げよう。

 と、始めてみて、重大な欠陥に気が付いた。1条押しだったてこと。1回押し切って、ようやく1列!つまり普通除草機の2倍の時間と労力がかかるってことだ。でも、株間が少しでもきれいになるなら、ここで苦労しておくのも仕方ないことだ、と気持ちを切り替えて、全部、こやつで押し切ることにした。

 いやぁ、甘かった!あのぬかる田んぼの中を2倍歩くってのは、単純に労力も2倍ってことじゃなかった!疲れ果てた頃にようやく半分、そこから気力を振り絞って、残りを歩き続ける。草が生い茂ったところでは、やたら重くなることがわかったが、わかったところで後の祭り。強く押して突き進むと、苗も浮き上がらせてしまう。これには参ったが、仕方ない。静かに力を篭めつつそろそろとおすしかない。しかも、晴天!真夏日に近い29度!何度も水分補給に上がり、休憩を取りながらの作業となった。1枚の田にほぼ1日。2日でようやく大きな田2枚を押し切った。

 苦労の甲斐あって、雑草もきれいに一掃できた、と言いたいところだが、きゃつらはそんなか弱きやからではない。随所に残党となって居残りはびこっている。でも、明らかに根は切ったから、また強固に根をはるまでには時間がかかるだろう。その合間を突いて次の除草を仕掛ければよい。きっと、これまでよりは上手く行くだろう。いや、楽になってくれぇぇぇぇ!お願いだぁぁぁぁ!

 

コメント
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