認知症サポート講座で演じるコント、台本書いたぜ。
お約束の盆前に出演者チームに渡せた。滑り込みセーフってやつな。いいのいいの、間に合ったんだから。後は菜の花座内のコント集団「サボッターズ」にすべてお任せだ。
出演希望者を勘違いして、大切な一人をキャストから外して書く、なんて大失敗はあったが、なんとかグループ内で話し合って、交代で演ずるとか、工夫して喧嘩しないようにやってくれ。頼むぜ。
何を題材に書くか?ネタの核が決まらずしばし悩んだが、そうか!6月に吾妻タクシーに書いたアロハコントの決め技、横流ししちまえ!っておいおい、ちょっと安易じゃねえか、まっ、自分で書いたものだから、著作権侵害は問題にゃならんけど。
そう、アオレンジャーに登場してもらおう。
認知症の人の世界って決して荒唐無稽、混乱の極致にあるわけじゃなくって、その人なりの合理性やストーリーに裏付けられてるんだ、ってことを参考の本「マンガでわかる認知症の人が見ている世界」で教えてもらったんだ。
夜間徘徊の習慣のあるおばあさん、実は現役時代、看護師長さんで、夜勤の際には必ず病院内を巡回してた、その習慣を何十年後に繰り返しているだけなんだって話し。
これだよ。だったら、昔アオレンジャー演じてた人とか、めちゃくちゃ好きだった人とか、レンジャーになり切っちゃってもありなんじやないか?
いや無理筋だろ?でも、いいのさ、コントの世界では。禁じ手なんてないっ!ナンセンスこそがコントの掟。
よしっ、これで行く。
アオレンジャーはクライマックスで登場してもらうとして、もう一人、レンジャー成り切りさんをピンクで作って、モモレンジャー。話しがうまくかみ合わないって症状にして、孫のバスケットチームのジャージをバトルスーツに拝借して、葬式帰りの喪服姿の娘を黒十字軍と見做して戦いを挑む。
もっと重症なのがアオレンジャーの隣のジイサン。衣装も完璧に備えているが、自分が扮している役を覚えていられない。
こんな二人の認知症に、頭から否定して対応するんじゃなくて、ある程度成りきりに付き合いながら、接することが穏やかな解決策に通じるって筋立てにした。
そう、ジイサンのケアヘルパーさんはアカレンジャー、娘もキーレンジャーを装い、飛び出した二人を保護してくる駐在さんはミドレンジャーになって二人に合わせてくれる。
最後はゴレンジャーの揃い踏み、でポーズ!
と、こんな風には決まらない。なんせ、本物らしき衣装で出て来るのはアオレンジャーのみ、モモレンジャーはピンクジャージを頭に被ってたり、アカレンジャーは赤いシャツにズボン、キーレンジャーは黄色のハンカチを首に巻き、ミドレンジャーは交通安全の緑の旗って具合にそれぞれレンジャーのつもり。
まっ、このちぐはぐさが子どもたちの笑いを誘うに違いないって読みだ。
駐在さんは本物が登場する。これは最初からのしきたり、代替わりしてもけっこう楽しみに演じてくれている。
さっ、今年は9月8日小松小学校が初演だ。しっかり稽古積んで、子どもたちに笑いとやさしさを届けてくれよ、サボッターズのみなさん。