おっ、『ペーパーハウス』の番外編かよ、こりゃ期待しちゃうね。
『ペーパーハウス』は去年見たNeflix作品で、マイベスト3に入るお気に入りなんでだぜ。韓国でリメイク版が作られたくらいだ、間違いなく世界的な大ヒットだったんだ。
その続き、じゃないか、番外編と来ちゃ見ないわけにゃいかんさ。
今回はスペインが舞台じゃないのか、『ベルリン』ってことはドイツで強盗か?って一瞬思う俺って、何て迂闊なの!強盗団の一員ベルリンの前日談だった、そうかそりゃそうだよね。おっと、ネタバレあり要注意!
いいよ、いいよ、洒落たセリフのやり取りといい、ベルリンの気取った振舞いといい、女たらし振りといい、男ながらも涎もの?音楽の選曲、使い方の巧みさ、これも健在だな。見終わった後、曲名チェックしちまうもの。
本編で、ほとんど強盗映画史上、これ以上ない奇想天外の金庫破りプラスを描いちまってるから、番外編と言えど、これはかなり作る人たちにゃ荷の重い作業だろうな。生半可な金庫破りじゃ視聴者納得しっこないもの。果たしてそのアイディアは?
なるほど、世界中の宝物が集まるオークション会社を狙ったか。その前準備として、年代物の貴重品を盗み出し、それを惜しげもなくぶっ潰してトリックに使うって出だし、うん、さすがに『ペーパーハウス』を継ぐ作品になりそうな予感じわじわだぜ。
でもなぁ、集めたメンバー、ちょい小者?けた破り感は本編に劣るかな。それと、標的のオークション会社社長、その奥さんに一目ぼれ!即ナンパ!!って、いくら女好きなベルリンでも、ちょっと自制心足りな過ぎじゃないの?
さあお目当て、金庫破り!見事金庫室に押し入ったと思ったら、妻から離婚を告げられてむしゃくしゃしていたメンバーと奔放なベルリンが取っ組み合いの喧嘩、おいおい、そんな重大局面でいがみ合うか?お宝、目の前だぞ、侵入がバレちまうって、もう、禁酒法時代のギャングやチンピラのコンビニ強盗じゃないんただからさぁ。
こりゃ、2番煎じは出しがら!って一般法則を踏襲しちまったか、残念、ここまでか、お付き合いは。
まぁまぁ、待てよ、バレてからの逃亡、これはスリル満点、行き詰る展開じゃないか。厳戒態勢の中、6人組が3っつに分かれて、逃避行。途中、検問に引っかかったり、うつつを抜かした夫人に気付かれたりして、窮地、崖っぷちの連続。そこを巧みに掻い潜る仕掛けの見事さ、うん、やっぱり『ペーパーハウス』番外編だけのことはある。と、座り直して、
さらに見続けていたら、なんと、なんと、大楕円は純愛もの、それも4組の愛の結末に導かれちまった。
若者男女4人が、反発しつつ惹かれ合い、ついに己に素直になって、結ばれる過程、いやぁ、韓ドラも唸る仕上がりだったぜ。ちょいほろりとしてしまった。
ベルリンの愛の破局も洒落た結末で締めくくってたし、そうか、『ペーパーハウスの時は仲間との連帯、自己犠牲がテーマだったが、2番目は恋物語がメインテーマだったんだ。こりゃやられた。
全編通して、洒落た雰囲気と意外さ満点の素早い展開、この魅力はしっかり引き継いでいて、うん、期待はお見事!満足させてくれたぜ。