良くない性格だ!実にうまくない!このくそ忙しい時期なのに、またまた、新しい仕事請け負っちゃうんだから。やらされる部員の身になってみろよ!って声が、僕自身の中でも響いている。でもね、だめなんだな、これが。なんか新しいこと提案されると、つい乗っちゃうんだよ。しかも、人がお手上げでこっちに回ってきたとなると、もう、ダメ!よっしゃー、やってやろうじゃないの!!って奮い立ってしまうのね。
今回は、ふるさとCM大賞の話。ほら、テレビでやってるてしょ、県内の各市町村のCMビデオ。お婆ちゃんが空飛んだり、少女が文翔館で佇んでいたり、ってあれだよ。ったて山形県以外の人はわからないよね。要するに県内各市町村のCMビデオクリップコンペだよ。
もう何年やってるのかなあ、そろそろネタ切れ、油切れの状態みたいなんだな、市や町の担当者も。もう、ダメ!堪忍して!って投げ出したいところなんだけど、なに!おらほの町、出ねってか!ってあっちゃこっちゃから責められるから、止めるわけにもいかない。どうするどうする?
どっか代打を買って出てくれるとこはないか?おお!そうだ!高校があんでねえか!高校生にやらせりゃいいじゃん!どうせ、やつら暇してんだし。テレビって言うたら、喜ぶべ!って誰が考えたかって言うと、置賜じゃあ、高畠町だったんだ。そう、去年、高畠町は高畠高校に制作を全面依頼して、これがどうやらうまく行ったみたいなんだな。どこまでうまく行ったのか、それは知らない。要するに町、高校もそこそこメンツが立ったってことなんだろう。
じゃあ、うちだって、おいおい二番煎じかよ!ということで、今年は置農地元、川西町とお隣南陽市が、高校に制作依頼したってことなんだ。はっきり言って、丸投げ!しかも、予算はゼロ!全くのなんもなし!!こんなのありか?そんなの、おら知らね!って突っ返しまえばいいんだ。こちとら忙しいんだ!学園祭あるし、子どもミュージカル連続公演あるし、県大会あるし!やってられっか、そんなもん!って頭の片一方でけつまくりつつ、片方じゃ、なんか、面白れえんじゃねえか!って、ほらほら、またまた悪い虫だよ。
で、やっぱり、引き受けちまったってことなんだ。あーあ!済まん!部員諸君。撮影は学園祭の最終日と翌日。たはっ、なんて日程だい!でも、仕方ないんだ、それ以外に取りようがない。しかも、明け方に撮影したい、なんて、もう、どこまでも身勝手なんだ。それに、準備のために、めちゃめちゃかぶり物をつくるらなくちゃなんない。歌も、ダンスも創作!明日、中間試験が終わったら、早速仕事にかかってもらおう。
でもな、仮に体の良い丸投げだとしてもだ、置農なら、演劇部なら、なんとかしてくれるでしょ、って期待されちゃあ、引き受けないわけにいかんでしょ。しかも、テレビCMだよ。面白れーじゃない。上位に入ると、週に一度とか、二度とかともかく一年通して何度も流れるんだ。なっ、君たちの姿が一年通して液晶画面を彩るってことなんだ。よっしゃー!やってやろうじゃないの!とんでもない奴、創ってやろうじゃないの!そう、その心意気なんだよ。そのやけっぱちが大切なんだ。堂々と勝負、買って出てやろうじゃないの!ねっ、その気になっただろ。これ、やり通せば、また、きっといいいことあるさ。
そう、やけっぱちが、道を開く。うーむ、新しい格言が一つできた。