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ローズ胡美玉 著 『楽は苦に在り』 第五十三章 繭から飛び出す

2011年12月30日 | カトリックとは
第五十三章 繭から飛び出す

 私は小さい子供の頃から、蚕を飼うのを楽しんでいました。中学校で学んでいた時は、朝に何匹かの蚕と数切れの桑の葉をかばんの中に入れ、授業の合間、あるいは昼食の時に、何枚かの葉のえさをやったものです。日が経つにつれ、蚕はとても速く成長しました。蚕は2週間毎に脱皮し、合計で3回脱皮しました。脱皮する間は物を食べませんでした。

それぞれの脱皮後に、蚕は自らの皮を脱ぎ捨てます。体はますます透明となり、そして絹を分泌し始めて自分自身の周りに繭を紡ぎます。最後に、蚕は蛾へと変わり、繭から出て卵を産み、そして死にます。蚕の一生は非常に興味深いです。それは何らかの形で天主様の創造の謎を少しばかり表しています。

私は蚕の一生と、私の人生を比較したいと思います。私も人生の中で、3回の脱皮がありました。一回目は一九四九年の私の洗礼です。イエズス様の苦しみと死は、私に天国への門を開け、私をあわれな罪人から天主様の子へと変えました。

二回目に、天主様はイエズス様の証人として、聖母の誕生日である一九五五年九月八日に刑務所で生まれるように私をお選びになりましだ。それは、私の人生で最も幸せな時間でした。私の二十六年間の投獄中、聖母は御自分の胸に私を抱き寄せ、とても親切に私を見守って下さいました、聖母の御加護の下に、私は悪人のののしりを聞きませんでした。私が聞いたのは、聖母が私を寝かしつけるために子守唄を歌っていた優しい御声でした。私が見たものはただ、聖母マリアの優雅で威厳のある御顔でした。イエズス様の十字架上の最後の御言葉に耳を傾けましょう。イエズス様は、マリア様の御手と御心に全人類を託されました。もし、空が落ちるか地球がばらばらになったとしても、安らかに母親の胸の中で眠っている赤ちゃんは、何にもおびえません。

天主様は、これら全ての重要な歳月を通じて、私に無限の恩寵をお与え下さいました。私は自分の信仰を保つ一方で、共産主義者の長年にわたる洗脳を経ても、私の心はまだ単純で影響を受けないままでした。私は自分を迫害しているすべての人々を許します。おそらく、レジオ・マリエでの私の最初の日から、私は人々、特に宣教師を助けるための大きな熱意を受けてきました。天主様の御加護の下に、憎しみ、疑い、または嫉みのどれもが今まで私の霊魂に触れたことはありません。私の第二の人生のこの部分は、私が自分の心を挙げて天主様に近づくように助けてくれました。確かに、天主様は御自分のはしための謙虚さをお考えになり、私の最大の奇蹟を与えて下さいました。
天主様の御慈悲は限りが無く、そして私が自分の時間や労力を浪費することを御ゆるしにはなりません。天主様の御節理は、私が何度も癌を患うことを御ゆるしになりました。それが私の第三回目の脱皮です。自分の癌の病気により、天主様は私を友人や親戚から離れるようにされ、私に徹底した霊的な黙想のための時間を与えて下さいました。この黙想で、私は人の体に癌があることが恐ろしいことではなく、人の霊魂に癌があることが恐ろしいと気付きました。天主様は、私が暗い谷を通り、火の海を飛び越えるように助けて下さいました。今、何の恐ろしいことがあるでしょう?もし、私に天主様への信仰があれば、天主様には何も不可能なことはありません。

私は何を恐れるのでしょうか?癌の苦しみは、この世の天主様の煉獄です。私は家族の魂を救うため、失った時間を購うため、そして煉獄で魂を救うためにこの苦しみを用いました。


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『楽は苦に在り』ローズ胡美玉 著 目次
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