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キリストの教会は使徒継承的である

2014年08月29日 | カトリックとは
アヴェ・マリア・インマクラータ!

愛する兄弟姉妹の皆様、

 この項は、これから洗礼を受けようとされている方のために書いています。

 キリストは、人間の社会組織として教会を創立しました。イエズス・キリストが創立した教会は、四つの特性をもっています。それは、唯一で、普遍的で、使徒継承的で、聖であるという、ことです。

【ポイント】キリストによって創設された教会は、唯一、公、使徒的で、聖なる教会

 それでは、キリストによって創設された教会が、使徒継承的であるということを見てみましょう。

キリストの教会は使徒継承的である

キリストの教会が使徒継承的であるという意味は、いつの時代でも、キリストの教会の統治者たちが、キリストによって使徒たちに与えられたそのおなじ権威を受け継いでいなければならないという意味です。

キリストは、自分の名において話す権能を使徒たちに与えている。「あなたたちに平安!父が私をお送りになったように、私もあなたたちをおくる」と。

また、「あなたたちのいうことを聞く人は私のいうことを聞く人であり、あなたたちをこばむ人は、私をこばむ人である。そして、私をこばむ人は、私をお送りになったお方をこばむのである」と。

キリストは、世界に終末がくるまでは、必要なご自分の聖なる事業を使徒たちに委託して、彼らをつかわしたのです。使徒たち自身はみな死んでいきましたが、キリストの決定的なことばから考えると、彼ら使徒たちは、なんらかのかたちで、世のおわりまで生きていかなければならないことになる。

彼らは、天主の教導によって、自分たちがえらんで任命した、後継者による以外には、この世にとどまることができなかった。

従って、彼らの後継者たちに、その権がわたされ、代々の教会の司牧統治者たちが、《私たちの権は、キリスト自身から受けついだ、生きた権であり、私たちの権は使徒たちからの権です。なぜなら、私たちは合法的な継承によって、使徒と同一人物である》と言うことができるように、使徒たちはあらかじめこの問題を解決しておかなければならなかったのです。

キリストのことばによれば、使徒たちが、天主の意志によって人類に遣わされた、最後の特使になったことは明瞭です。キリストが、使徒たちと、使徒たちの後継者たちに与えた権は、ほかのだれにも与えられていません。

使徒たちの派遣は、最後の、そして、いつまでもつづく派遣でした。使徒たちが、彼らの任務をはたすために、ほかの人たちを補助者にえらんだということは、新約聖書を見れば、あきらかに記されています。

そのうえ、後世のために、彼らの後継者をたてる、たしかな規定をあらかじめ用意したということも、おおくの権威ある記録によって、立証されています。
たとえば、およそ一〇〇年頃に死んだ聖クレメンスは、《キリストは、天主からつかわされ、使徒たちはキリストによってつかわされた。彼らは司教と助祭とを任命した。・・・そして、彼ら(司教、助祭)が死ぬと、しつかりした、他の有徳の人びとが、彼らの聖務につく規定をつくった》と言っています。
I Clem, xlii, xliv I Clem, xlii, xliv


聖イレネウスは、第二世紀の後半、《司教と彼らの後継者たちは、今日においても、使徒たちによって任命された人びとである》と書きのこしています。
Adv. Haer. Liber III, cap. iii
It is within the power of all, therefore, in every Church, who may wish to see the truth, to contemplate clearly the tradition of the apostles manifested throughout the whole world; and we are in a position to reckon up those who were by the apostles instituted bishops in the Churches, and [to demonstrate] the succession of these men to our own times;

だからといって、キリストはご自分の教会をおさめる司牧統治権を使徒たちに与えることによって、彼らをひとりひとり相互に独立させたというのではありません。キリストは、聖ペトロをかしらにたてて、一つの使徒団をつくりました。

(1) キリストは、この団体をささえる岩に、聖ペトロを任命し、聖ペトロのうえに教会を建てました。したがって、他の使徒たちは、聖ペトロから、彼らの権力の力をもらったわけです。彼らは、聖ペトロにしたがっていたからこそ、教会の使徒たちであったのです。

(2) キリストは、天の王国の鍵を聖ペトロに与えました。これは要するに、聖ペトロが、天の王国の門をまもる主人で、他の使徒たちも、聖ペトロにうけいれられなければ、天の王国にはいることができないことを意味するものです。

(3) キリストは「善き牧者」というかれの任務を、聖ペトロにゆずりました。キリストは、「私の小羊を牧せ」「私の羊を牧せ」と聖ペトロに命じ、この命令によって、キリストがただひとりの牧者であったように、聖ペトロが、キリストの地位にたつ、ただひとりの牧者になります。聖ペトロは、かれの兄弟たちである、他の使徒たちをもふくめた、すべての人びとにおよぶ権力をもつ、最高牧者にたてられたのです。したがって、すべての人は、例外なく、聖ペトロのいうことをきき、かれにしたがわなければならなかったのです。従って、聖ペトロとかれの後継者とにたいする恭順が、キリストによってたてられた教会の明瞭な特徴になります。

以上が、シーアン司教による『護教』の説明による、キリストの教会が持つ「使徒継承性」です。ここでは、特に、キリストから使徒ら(特に使徒のかしらである聖ペトロ)に与えられた権威に注目が与えられています。


最近似通った別の本も見つけました。それは『私たちの信仰の証拠 Evidence for Our Faith』(by Joseph H. Cavanaugh, C.S.C., 1959, University of Notre Dame Press)です。ここでは、更に、教えと秘蹟(聖化の手段)についての使徒継承性にも言及しています。


 次回には、キリストが建てた教会が、聖なるものであることを見てみます。
 その後に、キリストが創立した教会の特徴を持っている教会が、今現在どこにあるかを、考察しましょう。

天主様の祝福が豊かにありますように!
トマス小野田圭志神父(聖ピオ十世会司祭)

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