【参考情報】ヴィガノ大司教:グローバリストは新世界秩序の専制政治を確立するためにウクライナの戦争を扇動した
Abp. Viganò: Globalists have fomented war in Ukraine to establish the tyranny of the New World Order
- ウクライナ国民は、どの民族に属していようとも、超国家的全体主義体制によって知らないうちに人質となってしまったばかりの人々に過ぎない。この体制は、コロナウイルス感染症という欺瞞によって、全世界の国民経済を屈服させた。
2022年3月7日(月曜日)
(LifeSiteNews)―「平和で失うものは何もありません。戦争ではすべてが失われてしまうでしょう。人々に理解力を取り戻させましょう。人々に交渉を再開させましょう。善意と互いの権利の尊重をもって交渉し、真摯で積極的な交渉があれば、名誉ある成功が決して妨げられないことを理解させましょう。そして、集団的であれ私的であれ、熱情の声を沈黙させて、理性をその本来の領域に委ねることで、兄弟たちの流血と祖国の破滅を免れることができれば、人々は偉大だと感じるでしょう―真の偉大さを持って」。
このように、1939年8月24日、ピオ十二世は、戦争が差し迫っていたとき、統治者と諸国民の両方に語りかけました。これは空疎な平和主義の言葉でもなければ、多くの方面で行われていた多数の正義への侵害に加担する沈黙の言葉でもありませんでした。今でも耳にしたことを覚えている人がいるように、そのラジオメッセージで、ローマ教皇の訴えは、実りある和平交渉の前提条件として、「互いの権利の尊重」を呼びかけていました。
メディアの物語(ナラティブ)
ウクライナで起きていることを、主流メディアの重大な捏造に惑わされることなく見てみると、お互いの権利の尊重が完全に無視されていることに気づきます。バイデン政権、NATO、欧州連合(EU)は、ウクライナ危機の平和的解決を不可能にし、ロシア連邦を刺激して紛争を引き起こすために、明らかに不均衡な状況を意図的に維持しようと望んでいるような印象を受けます。ここに問題の深刻さがあります。これは、ロシアとウクライナの両方に仕掛けられた罠であり、グローバリスト・エリートが犯罪計画を実行するために、両者を利用するものです。
民主主義を標榜する国々で賞賛されてきた多元主義と言論の自由が、公式の物語(ナラティブ)に沿わない意見に対する検閲と不寛容によって日々否定されていることは、驚くには値しません。この種の操作は、いわゆるパンデミックの間、標準化してしまい、治験的な血清【いわゆる「ワクチン」】の有効性にあえて疑問を呈したという事実だけで、医師、科学者、反対意見のジャーナリストが、信用を失い、排斥されることになりました。
2年後、副作用と健康上の緊急事態の残念な管理に関する真実が、彼らが正しかったことを証明しました。しかし、真実は頑なに無視されています。なぜなら、真実が、システムが望んでいたこと、そして現在も望んでいることと一致しないためです。
世界のメディアがこれまで、厳密な科学的関連性のある事柄についての恥知らずな嘘をつき、嘘を広め、現実を隠してきたのなら、なぜ、現在の状況において、メディアが知的誠実さを突然見出し、またコロナウイルス感染症で広く否定された倫理規範への敬意をいきなり再発見しなければならないのか、私たちは自問すべきです。
しかし、もしこの巨大な詐欺がメディアによって支持され、流布されたとすれば、国内そして国際的な保健機関、政府、裁判官、法執行機関、カトリックの位階階級自体がすべて、この災難の責任を共有していることを認識しなければなりません――それぞれがそれぞれの領域で、積極的にこの物語に対して支持するか反対しないかによって――この災難は、何億もの人々の健康、財産、個人の権利行使、さらには生命そのものに影響を与えているのです。
この場合でさえ、意図され悪意を持って増幅されたパンデミックを支持してこのような犯罪を行った人々が、戦争によって安全と経済が脅かされたとき、突然尊厳を揺さぶられ、市民と祖国に配慮を示すことができると考えるのは困難です。
もちろん、これは中立的な立場にとどまって、自分の周りで起こっていることを冷静に、ほとんど無関心で見ていたいという人々の賢明な判断であり得るかもしれません。しかし、権威ある客観的な情報源に基づき、事実に対する知識を深め、それを文書化すれば、疑問や当惑は、すぐに憂慮すべき確信になるのが分かります。
経済的な面に限って調べたいと思っても、通信社、政治機関や公共機関それ自体が、少数の金融グループに依存していることを理解するでしょう。この少数のグループは、金と権力による結びつきだけでなく、国家や全世界の政治に対する行動と干渉を指導するイデオロギー的所属によっても結び付いている寡頭制に属しています。この寡頭制は、国連、NATO、世界経済フォーラム、欧州連合、そしてジョージ・ソロスのオープン・ソサエティー財団やビル&メリンダ・ゲイツ財団のような「慈善」団体に、その触手を伸ばしているのです。
これらの組織はすべて私的なものであり、自分たち以外の誰にも責任を負いません。同時に、重要なポストに選出または任命させられる自分たちの代表を通して行動することを含め、各国政府に影響を与える力を持っているのです。彼らは、国家元首や世界の指導者たちからあらゆる栄誉をもって迎えられ、その指導者たちから世界の運命を左右する真の支配者として敬われ、恐れられていることを、自ら認めているのです。こうして、「『国民』の名の下に」権力を握る者【政治家】たちは、気がついてみれば、国民の意思を踏みにじり、その権利を制限しているのです。それは、政治家たちが主人たちに対して従順な廷臣となるため、しかも、誰からも選ばれていないにもかかわらず、政治的・経済的なアジェンダ(行動計画)を国家に命じる主人たちのしもべとなるためです。、
次に、ウクライナ危機に移ります。これは、不条理な権利を主張しようとしている独立した民主国家に対するウラジーミル・プーチンの拡張主義の傲慢さの結果だとして、私たちに提示されています。それによると「戦争屋プーチン」は、祖国の土地、神聖な国境、そして侵害された市民の自由を守るために勇敢に立ち上がった無防備な人々を虐殺すると言われています。したがって、「民主主義の擁護者」である欧州連合と米国は、ウクライナの自治を回復し、「侵略者」を追い出し、平和を保証するために、NATOによって介入しないわけにはいかない、と言われているのです。「暴君の横暴」に直面して、世界の諸国民は共同戦線を張り、ロシア連邦に制裁を加え、「国家の英雄」であり国民の「擁護者」である「かわいそうな」ゼレンスキー大統領に兵士、武器、経済援助を送るべきだとされています。プーチンの「暴力」の証拠として、メディアは爆撃、軍事捜索、破壊の映像を流し、責任をロシアに押し付けようとしているのです。さらに、欧州連合とNATOは、「恒久平和」を保証するために、ウクライナを加盟国として迎え入れるべく、その両腕を大きく広げています。そして、「ソ連のプロパガンダ」を防ぐために、欧州は「ロシア・トゥデイ」と「スプートニク」を閲覧禁止にして、情報の「自由と独立」を保証しているのです。
これが公式の物語(ナラティブ)であり、誰もがそれに従います。戦争中である以上、反対意見は即座に任務放棄(敵前逃亡)となり、反対意見を述べる者は反逆罪となり、多かれ少なかれ重い制裁を受けるに値し、コロナウイルス感染症で、「ワクチン未接種」の人々に対するものとしてよく経験したように、公開処刑と排斥から始まるのです。
しかし、真実は、もし真実を知りたいのならば、物事を違った角度から見ることを私たちに許し、事実がどのように提示されているかではなく、事実が何であるかに基づいて判断することを許してくれます。これは、ギリシャ語のἀλήθεια【aletheia、真理】の語源が示すように、真の正しい啓(ひら)き示しなのです【ギリシア語の「真理」(aletheia)は「隠されていない」という語源を持つ a- "否定" + lēthē "隠れた" < *ladh- "隠された"】。あるいは、終末論的なまなざしで、啓示、ἀποκάλυψις【apocalypse 黙示】というべきかもしれません。
NATOの拡大
まず第一に、嘘偽りのない、また変更することのできない事実を思い出すことが必要です。
検閲しようとする人たちにとってどんなに刺激的であろうとも、事実が私たちに教えてくれるのは、ベルリンの壁が崩壊して以来、米国は政治的・軍事的影響力の範囲を旧ソ連のほぼすべての衛星国に拡大し、最近ではポーランド、チェコ、ハンガリー(1999年)、エストニア、ラトビア、リトアニア、スロベニア、スロバキア、ブルガリア、ルーマニア(2004年)、アルバニアとクロアチア(2009年)、モンテネグロ(2017年)、北マケドニア(2020年)に、NATOに加盟させるに至った、ということです。NATOは、ウクライナ、ジョージア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビアへの拡大を準備中です。実質的に言えば、ロシア連邦は、国境からわずか数キロメートルのところで、兵器やミサイル基地などの軍事的脅威にさらされていますが、米国の近接したところに同じような軍事基地をロシアは持っていません。
ロシアの正当な抗議を引き起こすとは考えずに、NATOのウクライナへの拡大の可能性を検討していることは、不可解というほかありません。特に、1991年にNATOがクレムリンに対して、これ以上拡大しないことを約束した事実を考えれば、なおさらです。それだけではありません。2021年末、シュピーゲル誌は、米国との条約とNATOとの安全保障に関する協定の草案を掲載しました(こちら、こちら、こちら)。
モスクワが西側のパートナーに要求していたのは、NATOがウクライナを同盟に加えてさらに東へ拡大しないこと、また旧ソ連の衛星諸国に軍事基地の設置を阻止する法的保証です。この提案には、NATOがロシア国境付近への攻撃兵器を配備しないことと、東欧のNATO軍を1997年の位置まで撤退させるという条項も含まれていました。
このように、NATOは、ロシアとの約束を守らなかった、あるいは、少なくとも、地政学的なバランスにとって非常に微妙な時期に、この状況を敢えて作り出したのです。なぜ米国は、いや、むしろジョー・バイデンをホワイトハウスに押し上げた不正選挙の後に権力を取り戻した米国の「ディープ・ステート」は、ロシアとの緊張関係を作り出そうとするのか、そしてなぜ想像できるすべての結果を伴う紛争に欧州の同盟国を巻き込みたいのか、私たちは自問すべきです。
【イタリア軍の】統合首脳作戦司令部の元司令官マルコ・ベルトリーニ将軍が、明晰にこう指摘しましたが、その通りです。「米国は冷戦に勝っただけでなく、ある意味で影響力の及ぶ範囲にあるものをすべて奪って(ロシアに)屈辱を与えようと望んだのである。(プーチンは)バルト三国、ポーランド、ルーマニア、ブルガリア(がNATOに加盟するの)を我慢した。黒海へのアクセスの可能性を奪うことになるウクライナ(のNATO加盟)に直面したとき、彼は反応した」(こちら)。
そして、こう付け加えています。「政権の安定性に問題がある。芸能界出身の極めてありえない首相(ゼレンスキー)がいる状況が生じている」。将軍は、米国がロシアを攻撃する場合、次のことを思い起こすのを忘れません。「ウクライナ上空を飛ぶグローバルホークはシゴネラ(イタリア)から出発する。イタリアは大部分が米国の軍事基地である。リスクはそこ【イタリア】にあり、現実に存在している」(こちら)。
ロシアのガス供給を封鎖して利益を増やす
また、私たちが自問しなければならないのは、EUとロシアの間の微妙なバランスを不安定化させる背景には、経済的利益もあるのではないかということです。これは、EU諸国の必要性から来るもので、EU諸国は米国の液化ガスを獲得しなければならず(これに対しては、多くの国が持っていない再ガス化施設も必要で、いずれにせよ、施設建設のためにより多くの費用を支払わなければなりません)、ロシアのガス(これは、より環境に優しい)の代わりにする、ということです。
イタリアの石油ガス会社ENIが、ガスプロムのブルーストリームパイプライン(ロシアからトルコまで)への投資を停止したことは、必然的に追加の供給源を奪われることになります。何故なら、このパイプラインは、アドリア海横断パイプライン(トルコからイタリアまで)にガスを供給するものだからです。
したがって、2021年8月にゼレンスキーが、ロシアとドイツを結ぶノルドストリーム2パイプラインを、「ウクライナだけでなく全欧州にとって危険な武器」(こちら)とみなすと宣言したのは偶然とは思えません。このパイプラインは、ウクライナを迂回するので、キエフから年間約10億ユーロの通過関税収入を奪うものだからです。ウクライナ大統領は、「われわれは、このプロジェクトを安全保障のプリズムを通してのみ捉え、クレムリンの危険な地政学的武器であると考えている」と述べ、バイデン政権に同意しました。米国のヴィクトリア・ヌーランド国務次官は、次のように述べました。「ロシアがウクライナに侵攻するならば、ノルドストリーム2は前に進まない」。ですから、ドイツの投資に深刻な経済的損害を与えつつ、プロジェクト中止が実現したのです。
ウクライナにあるペンタゴンのウイルス学研究所
ウクライナにおける米国の利益ということでは、ペンタゴンの管理下にあるウクライナのウイルス学研究所に触れておく価値があります。この研究所では、外交特権を持つ米国の専門家だけが、米国防総省の下で直接雇用されているように思われるのです。
また、住民に関するゲノムデータの収集に関してプーチンが述べた不満も忘れてはなりません。このデータは、遺伝子選択による細菌兵器に利用可能ですから(こちら、こちら、こちら)。ウクライナの研究所の活動に関する情報を確認するのが難しいのは明らかですが、ロシア連邦が、これらの研究所が住民の安全に対するさらなる細菌学的脅威となり得ると考えたのは、理由がないわけではないことは理解できます。米大使館は、「生物学的脅威削減プログラム」(Biological Threat Reduction Program)に関するすべてのファイルをウェブサイトから削除しました(こちら)。
マウリツィオ・ブロンデ【Maurizio Blondet イタリア人ジャーナリスト】は、以下のように書いています。
「イベント201」は、パンデミック爆発が起こる1年前に、それをシミュレーションしていた。この「イベント201」には、見た目は害を与えないジョンズ・ホプキンズ大学の恵まれた健康安全保障センターが(いつものビル&メリンダと一緒に)参加した。この人道的機関は、長い間、あまり純真でない名前を持っていた。「民間生体防御戦略センター」(Center for Civilian Biodefence Strategies)と呼ばれ、米国人の健康を扱っていたのではなく、むしろその反対のもの、バイオテロの軍事攻撃への対応を扱っていたのである。事実上、軍民一体の組織である。1999年2月、ペンタゴンのあるアーリントン(バージニア州)のクリスタルシティで第1回の会議を開いたとき、950人の医師、軍人、連邦政府関係者、保健所関係者を集め、シミュレーション演習を行った。このシミュレーションの目的は、「軍事化」された天然痘攻撃を想像して、それに対抗することである。これは、イベント201と「パンデミック詐欺」(Pandemic Imposture)で花開くことになる演習の第一弾に過ぎない(こちら)。ウクライナ軍に関する実験も表に出て(こちら)、2016年には、ウクライナのルチェンコ検事に関して米大使館が介入し、同検事が「G・ソロスとB・オバマの億単位の資金循環」を調査しないようにさせました(こちら)。
中国の拡張主義者の台湾に対する野心への間接的な脅威
今回のウクライナ危機は、中国と台湾の地政学的なバランスに対して、二次的ではあるものの、それでもなお深刻な影響を与えます。ロシアとウクライナしか、マイクロチップの生産に不可欠なパラジウムとネオンの産出国はないのです。【パラジウムはロシアが約4割、ネオンはウクライナが約7割】
「市場調査グループのテクセット社が、多くの半導体メーカーがネオンやパラジウムなどのロシアとウクライナ産の原材料に依存していることを強調する報告書を発表して以来、モスクワの報復の可能性がここ数日で注目されている。テクセット社の推計によると、米国の半導体用ネオンの供給の90%以上はウクライナ産で、米国のパラジウムの35%はロシア産である。(中略)米国際貿易委員会によると、2014年のロシアのクリミア半島併合前にネオンの価格が600%上昇したが、これはチップ企業が一部のウクライナ企業に依存していたためである(略)。」
「中国の台湾侵攻が世界の技術サプライチェーンを危険にさらすことが事実なら、ロシアからの原材料が突然不足することで生産がストップすることによって、この島【台湾】が「マイクロチップの盾」を失い、北京が台北併合を試みるようになることも真実である。」(出典)
バイデンのウクライナにおける利益相反
また、人が深く分析しない傾向にあるのが、2002年からウクライナ市場で操業している石油・ガス会社「ブリズマ」に関連する問題です。
「バラク・オバマの米大統領時代(2009年から2017年まで)、オバマの右腕は、国際政治を扱う「委託権限」を持つジョー・バイデンであった。この時以来ずっと、この米民主党の指導者が提供する「保護」がウクライナの民族主義者に与えられた。これはキエフとモスクワの間の妥協できない不和を生み出した一本の線である。(中略)ウクライナをNATOに近づけるという政策を実行したのは、当時のジョー・バイデンであった。彼は、ロシアから政治的、経済的な力を奪いたかったのである。(中略)近年、ジョー・バイデンの名前は、彼の立候補も揺るがしたウクライナをめぐるスキャンダルとも関連付けられている。(中略)ウクライナ最大のエネルギー企業(ガスと石油の両方で活動)であるブリズマ・ホールディングスが、ハンター・バイデンを月給5万ドルでコンサルタントとして雇ったのは、2014年4月のことであった(中略)。すべて透明であるが例外があった。ジョー・バイデンが、現在ロシアによって承認された共和国となったドンバスのこれらの地域のウクライナによる占有を取り戻すことを目的とした米国の政策を、その数カ月の間続けたことだけは不透明である。ドネツク地域には未開発のガス田が豊富にあるとされ、ブリズマ・ホールディングスがずっとこれを狙ってきている。経済政策と絡めた国際政策は、当時の米国のメディアでさえも鼻でせせら笑いさせた程だった(出典)。」
民主党は、トランプがバイデンの選挙運動に害を与えるためにメディアスキャンダルをつくったと主張しましたが、トランプの非難は真実であることが判明しました。ジョー・バイデン自身が、当時大統領だったペトロ・ポロシェンコとアルセニ・ヤツェニク首相に介入して、ヴィクトル・ショーキン検事総長が、バイデンの息子ハンターを調査しないように阻止したことを、ロックフェラーの外交問題評議会の会合において自分で認めています。
バイデンは、「2015年12月のキエフ訪問の際、米国での10億ドルの融資保証を保留する」と脅していた、とニューヨーク・ポスト紙が報じています。「もし(ショーキン検事総長が)解任されなければ、お金は手に入らない」(こちらとこちら)。そして、検事総長はその通りに解任され、ハンターは、さらなるスキャンダルから救われたのです。
バイデンのキエフ政治への干渉は、ブリズマと腐敗したオリガルヒ【旧ソ連地域の新興財閥】への便宜と引き換えに、現職の米大統領が自分の家族とイメージを守ることに関心を持ち、ウクライナの混乱と戦争さえ煽っていることを裏付けています。自分の役割を利用して自分の利益に気を配り、自分の家族の犯罪を隠蔽する人物が、恐喝の対象になることなく、正直に統治できるでしょうか?
【参考資料】バイデンに利用され捨てられたウクライナの悲痛
ウクライナの核問題
最後に、ウクライナの核兵器の問題があります。2022年2月19日、ミュンヘンでの会議でゼレンスキーは、ウクライナの核兵器の開発、拡散、使用を禁じたブダペスト覚書(1994年)を破棄する意向を表明しました。また、この覚書には、ロシア、米国、英国がウクライナの政策に影響を与えるために経済的圧力を行使するのを控えることを義務付ける条項があり、IMFや米国が「グレート・リセット」に沿った改革と引き換えに経済援助を与えることは、さらなる合意違反となります。
ベルリン駐在のウクライナ大使アンドリー・メルニクは、2021年にドイツ公共放送ラジオ(Deutschlandfunk)で、ウクライナがNATOに加盟できなかった場合、核保有国の地位を回復する必要がある、と主張しました。ウクライナの原子力発電所は、国営企業NAEKエネルゴアトムが操業、再建、保守を行っていますが、エネルゴアトムは2018年から2021年にかけてロシア企業との関係を完全に終了させました。エネルゴアトムの今の主なパートナーは、米国政府にたどり着くことができる企業です。ロシア連邦がウクライナの核兵器保有の可能性を脅威とみなし、キエフに核不拡散条約の遵守を要求していることは容易に理解できます。
ウクライナのカラー革命とクリミア、ドネツク、ルガンスクの独立
2013年、ヴィクトル・ヤヌコヴィッチ大統領の政府が、ウクライナと欧州連合の連合協定の停止とロシアとの経済関係の緊密化を決定した後、「ユーロマイダン」として知られる一連の抗議デモが始まり、それは数カ月に渡って続き、ヤヌコヴィッチを打倒して新政府を樹立するに至る革命で最高潮に達しました。これは、ジョージ・ソロスが資金提供した作戦であったと、ソロスはCNNに率直に語りました。「私は、ウクライナがロシアから独立する以前から、ウクライナに財団を持っています。この財団は常にビジネスを行っており、今日の出来事において決定的な役割を果たしました」(こちら、こちら、こちら)。この政権交代は、ヤヌコヴィッチの支持者と、ウクライナの親西欧化に反対する一部のウクライナ国民の反発を招きました。親西欧化は、国民は望んでいなかったものの、カラー革命によって獲得されたものであり、その総合リハーサルが何年か前に、ジョージア、モルドバ、ベラルーシで行われていたのです。
2014年5月2日の衝突に続き、民族主義の準軍事組織(「右派セクター」などを含む)も介入し、オデッサでの大虐殺もありました。欧米の報道機関も、これらの恐ろしい出来事をあきれ返るように語り、アムネスティ・インターナショナル(こちら)や国連は、これらの犯罪を糾弾し、その残虐性を文書にしました。しかし、今日、ロシア軍の犯罪容疑に対して行われようとしているように、責任者に対する手続きを開始した国際裁判所はありません。
尊重されていない多くの合意の中には、ウクライナ、ロシア、ドネツク人民共和国、ルガンスク人民共和国の代表からなるウクライナに関する「三者連絡グループ」(Trilateral Contact Group)が、2014年9月5日に署名したミンスク議定書もあります。合意のポイントの中には、武装した違法集団、軍事装備、そして戦闘員や傭兵を、OSCEの監視のもとでウクライナ領内から排除し、すべての違法集団の武装解除を行うことも含まれていました。合意内容に反して、ネオナチの準軍事集団は、政府に公式に認められているだけでなく、そのメンバーには公式任務さえも与えられているのです。
また、2014年には、クリミア、ドネツク、ルガンスクがウクライナからの独立を宣言し――国際社会が認めた民族自決の名のもとに――ロシア連邦への編入を宣言しました。ウクライナ政府は、住民投票によって承認されたこれらの地域の独立を認めるのをいまだに拒否しており、ネオナチ民兵や正規軍自身が、住民に対して自由に暴れるのを放置しているのです。これらの団体がテロ組織とみなされているにもかかわらずです。2014年11月2日の二つの住民投票は、ドネツク州とルガンスク州への分権化と特別な地位の形態のみを規定したミンスク議定書の延長線上にあることは事実です。
フランコ・カルディーニ教授【イタリアの歴史家】が最近指摘したように、「2022年2月15日、ロシアはこの状況を終わらせ、ロシア語を話す住民を守るための条約の草案を米国に届けました。それは紙くずです。この戦争は2014年に始まったのです」(こちらとこちら)。
そして、それは、ドンバスのロシア系少数民族と戦いたがっていた人々の意向のうちにある戦争でした。「われわれには、これから仕事と年金があるが、彼らにはないだろう。われわれは子どもを持つとボーナスが出るが、彼らには出ないだろう。われわれの子どもには学校や幼稚園があるが、彼らの子どもは地下室にいるだろう。このようにして、われわれはこの戦争に勝つだろう」と、ペトロ・ポロシェンコ大統領は2015年に述べています(こちら)。
こうした措置が、仕事も給料も教育も奪われた、いわゆる「ワクチン未接種者」に対する差別と似ていることに気づかないわけにはいきません。ドネツクとルガンスクでは8年間にわたり爆撃が行われ、数十万人の犠牲者、150人の子どもの死者、そして拷問、レイプ、誘拐、差別といった非常に深刻な事例が発生しているのです(こちら)。
2022年2月18日、ドネツクとルガンスクの各大統領であるデニス・プーシリンとレオニード・パセチニクは、ドンバス人民民兵とウクライナ軍との衝突が続いているため、それぞれの州の民間人のロシア連邦への避難を命じました。2月21日、プーチン大統領がドネツク、ルガンスク両共和国と締結した友好・協力・相互援助条約を、国家院(ロシア議会下院)が全会一致で批准しました。同時に、ロシア大統領はドンバス地域の平和を回復させるために、ロシア連邦から軍隊を派遣することを命じました。
ここで、ネオナチの軍隊や準軍事組織(彼らは鉤十字の旗を掲げ、アドルフ・ヒトラーの肖像を掲示しています)が、独立共和国のロシア語を話す住民に対して露骨な人権侵害を行っている状況で、なぜ国際社会がロシア連邦の介入を非難に値すると感じ、実際に暴力についてプーチンを非難しなければならないと感じるのか、不思議に思うかも知れません。
1991年8月24日のウクライナ独立宣言で有効とされ、国際社会も認めた評判の高い民族自決権はどこにあるのでしょうか? また、NATOが、ユーゴスラビア(1991年)、コソボ(1999年)、アフガニスタン(2001年)、イラク(2003年)、リビアとシリア(2011年)で【ロシアと】同じようなことを行いながら、誰も異議を唱えることないのに、なぜ今日ロシアのウクライナへの介入が問題となるのでしょうか? 言うまでもなく、イスラエルはこの10年間、北部の国境に敵対的な武装戦線が形成されるのを防ぐために、シリア、イラン、レバノンの軍事目標を繰り返し攻撃してきましたが、どの国もテルアビブへの制裁実施を提案することはなかったのです。
欧州連合と米国――ブリュッセルとワシントン――が、いかなる偽善でゼレンスキー大統領への無条件の支持を与えているのかを見るのは、幻滅させられます。ゼレンスキーの政府は、8年前からロシア語を話すウクライナ人を罰せられることなく迫害し続け(こちら)、彼らは自国語で話すことさえ禁じられています。
この国には多くの民族がいて、その中にはロシア語を話す人々が17.2%いるというのにです。そして、ウクライナ軍が人間の盾として民間人を使っていることについても、彼らが沈黙していることはスキャンダラスです。ウクライナ軍は、人口密集地や病院、学校、幼稚園の中に対空兵器を置き、まさにそれらの破壊によって住民の間に死者を出すことができるようにしているのです。
主流メディアは、ロシア兵が民間人を安全な場所に誘導する画像(こちらとこちら)や、人道回廊を設置し、そこにウクライナ民兵が発砲する画像(こちらとこちら)を見せないように注意しています。
ちょうど、ゼレンスキーが武器を与えた民間人の一部による略奪、虐殺、暴力、窃盗についても沈黙しているのと同じです。インターネット上で見ることのできる動画は、ウクライナ政府によって巧妙に煽られた内戦という見方を示しています。これに、軍に徴兵されるために釈放された囚人や、外国人部隊の志願者も加えることができます。状況を悪化させ、管理不能にすることに貢献する、規則も訓練もない狂信者の集団です。
ウォロディミル・オレクサンドロヴィッチ・ゼレンスキー大統領
多くの党派が指摘しているように、ウクライナのゼレンスキー大統領の立候補と当選は、近年始まった、喜劇俳優や芸能人が政治へ貸し出されるという最近の決まり文句に対応するものです。
ふさわしい「エリートコース」(cursus honorum)にいないことが、機関のトップに立つ障害になるとは考えないでください。その反対です。政党の世界では、見た目が見知らぬ人であればあるほど、その人の成功は権力を保持する人々によって決定されるとみなされるべきでしょう。ゼレンスキーのドラッグパフォーマンスは、欧州のスポンサーが、男女平等、妊娠中絶、「グリーン・エコノミー」と並んで、すべての国が受け入れるべき「改革」アジェンダ(行動計画)の必須条件と考えるLGBTQイデオロギーと完全に一致するものです。WEFのメンバー(こちら)であるゼレンスキーが、シュワブやその同盟者たちの支援から恩恵を受けて政権を取り、ウクライナでも「グレート・リセット」が実行されるようになったのも不思議はありません。
ゼレンスキーが製作・主演した57回にわたるテレビシリーズは、メディアが彼のウクライナ大統領選への立候補と選挙戦を計画したことを示しています。フィクション番組「国民のしもべ」で彼は、思いがけず共和国大統領に就任し、政治の腐敗と戦う高校教師の役を演じました。絶対的に平凡だったこのシリーズが、それでもワールドフェスト・レミ賞(米国、2016年)を受賞し、ソウルドラマアワード(韓国)のコメディ映画部門で最終4候補に入り、ハンブルクのワールド・メディア・フェスティバルでエンターテインメントTVシリーズ部門のインターメディアグローブ銀賞を受賞したのは偶然ではないでしょう。
ゼレンスキーがテレビシリーズで得たメディア上の評判は、彼に1000万人を超えるインスタグラムのフォロワーをもたらし、同名の政党「国民のしもべ」の設立の前提を作り出しました。この政党には、(ゼレンスキー自身やオリガルヒのコロモイスキーとともに)「クヴァルタール95スタジオ」の総支配人かつ株主であり、「TV 1+1テレビネットワーク」のオーナーでもあるイワン・バカノフもメンバーとして名を連ねています。ゼレンスキーのイメージは人工的に作られたもの、メディアのフィクションであって、ウクライナの集団的想像力の中に何とか作り出すことに成功した政治的キャラクターが、フィクションではなく現実に権力を獲得したという、合意形成操作という軍事作戦なのです。
「ゼレンスキーの勝利が見られた2019年の選挙のちょうど1カ月前、彼は会社(クヴァルタール95スタジオ)を友人に売却し、それでも、家族に対して正式に放棄したビジネスの収益を得る方法を見つけていた。その友人とは、後に大統領補佐官に任命されたセルゲイ・シェフィルだった。(中略)株式の売却は、シェフィルが所有し、英領ヴァージン諸島で登記されている会社、マルテックス・マルチキャピタル社の利益のために行われた」(こちら)。
ウクライナの現大統領は選挙運動で、2丁の機関銃を持ち、腐敗やロシアへの従属を指摘された議会の議員に発砲するという、控えめに言っても憂慮すべきCMを流しました(こちら)。
しかし、ウクライナ大統領が「国民のしもべ」の中の役割で喧伝する汚職との闘いは、いわゆるパンドラ文書から浮かび上がる大統領の姿とは一致しません。この文書では、選挙前夜にユダヤ人大富豪コロモイスキー[1]からオフショア口座を通じて4000万ドルが支払われたと見られています(こちら、こちら、こちら)。[2]大統領の母国では、多くの人々が、彼が親ロシア派のオリガルヒから権力を奪ったのは、ウクライナ国民に権力を与えるためではなく、むしろ自分の利益集団を強化し、同時に政敵を排除するためだと非難しています。
彼は、保守派の大臣たちを清算した。まずは、力のある内務大臣だったアルセン・アヴァコフである。彼は、自分の法律をチェックする役割を担っていた憲法裁判所長官を突然引退させた。彼は、七つの野党のテレビ局を閉鎖させた。彼は、ヴィクトル・メドヴェドクを逮捕し、反逆罪で告発した。ヴィクトル・メドヴェドクは、親ロシア派のシンパであり、とりわけ、彼の政党「国民のしもべ」に続くウクライナ議会の第二党である「野党プラットフォーム・生活のため」の指導者であった。彼はまた、ロシアやその友人と仲良くしている人以外は誰でも疑ってかかるポロシェンコ前大統領を反逆罪で裁判にかけようとしている。人気者の元ボクシング世界チャンピオンのキエフ市長、ヴィタリー・クリチコは、すでに何度も捜索や押収を受けている。要するに、ゼレンスキーは、自分の政治にそぐわない人物を一掃したいように見える(こちら)。
2019年4月21日、ゼレンスキーは、73.22%の得票率でウクライナ大統領に選出され、5月20日に宣誓しました。2019年5月22日、彼は「クヴァルタール95」の局長であるイワン・バカノフを、ウクライナ治安サービスの第一副長官とウクライナ治安サービス中央総局の汚職・組織犯罪対策主管局長に任命しました。バカノフと並んで、世界経済フォーラムのメンバーであるミハイロ・フョードロフ副首相兼デジタルトランスフォーメーション担当大臣の名前を挙げるべきでしょう(こちら)。
ゼレンスキー自身は、カナダのジャスティン・トルドー首相にインスピレーションを受けたと認めました(こちらとこちら)。
ゼレンスキーのIMFおよび世界経済フォーラムとの関係
ギリシャの悲劇的な前例が示すように、国家主権と、議会が表す民意は、経済的な性質を持つ恐喝や明白な強要で政府の政策に干渉する国際巨大金融の決定によって、事実上抹殺されます。欧州の最貧国の一つであるウクライナの場合も、例外ではありません。
ゼレンスキーの当選直後、国際通貨基金(IMF)は、自分たちの要求に従わなければ、ウクライナに50億ドルの融資をしない、と脅しました。IMFのCEOであるクリスタリナ・ゲオルギエヴァとの電話会談で、ウクライナ大統領は、ヤキフ・スモリイに代えて、IMFの「命令」(diktats)に従わない、自分が信頼するキリーロ・シェフチェンコを選んだことを叱責されました。アンデルス・オスルンド【ロシア・東欧の経済政策に関与したスウェーデン出身の学者】が「アトランティック・カウンシル」(Atlantic Council)に、こう寄稿しています。
ゼレンスキー政権を取り巻く問題は、心配すべき状況を迎えている。まず、2020年3月以降、大統領のもとで進められた改革だけでなく、前任者のペトロ・ポロシェンコが始めた改革をも覆そうとしている。第二に、同大統領の政府は、ウクライナの未達成の約束に関するIMFの懸念を解消するための、もっともらしい提案をしていない。第三に、同大統領はもはや議会の与党多数派を持たず、改革派の多数派を形成することに無関心なように見える(こちら)。
IMFの介入が、グローバリストのアジェンダ(行動計画)によって決定される経済的、財政的、社会的な政策に自らを合わせるというウクライナ政府の約束を得ることを目的としているのは、明白です。このアジェンダは、ウクライナの中央銀行の政府からの「独立」から始まるのです。つまり、IMFがキエフ政府に対して、お金の発行や公的債務の管理とともに国家主権を行使する方法の一つである、中央銀行に対する正当な支配を放棄するよう求めることを婉曲に表現しているのです。一方、そのわずか4カ月前、クリスタリナ・ゲオルギエヴァは、クラウス・シュワブ、チャールズ皇太子、アントニオ・グテーレス国連事務総長とともに「グレート・リセット」を打ち出したばかりでした。
BCUの新総裁キリーロ・シェフチェンコとともにWEFの好意を得た(こちら)ゼレンスキーの大統領職のもとで、それまでの政権では不可能だったことが可能になったのです。
その1年足らず後、シェフチェンコは自分が従属していることを証明するために、WEFに「中央銀行が各国の気候目標の鍵であり、ウクライナはその道を示している」という論文を寄稿しています(こちら)。こうして、アジェンダ2030は、恐喝のもとに、実行されるのです。
他にも、ウクライナ国立貯蓄銀行(ウクライナ最大の金融機関の一つ)、DTEKグループ(ウクライナのエネルギー分野における重要な民間投資グループ)、Ukr Land Farming(栽培農業のリーダー)など、WEFとつながりのあるウクライナの企業はあります。銀行、エネルギー、食糧は、クラウス・シュワブが理論化した「グレート・リセット」と第四次産業革命に完全に合致するセクターです。
2021年2月4日、ウクライナ大統領はZIK、NewsOne、112ウクライナなど七つのテレビ局を閉鎖しましたが、いずれも自国政府を支持しないという罪を犯していたとされました。アンナ・デル・フレオがこう書いているように。
「この自由破壊的な行為に対する厳しい非難が、欧州ジャーナリスト連盟と国際ジャーナリスト連盟からも寄せられ、閉鎖の即時解除が求められている。この3放送局は、今後5年間は放送ができなくなり、約1500人の雇用が危険にさらされることになる。3ネットワークが閉鎖されるべきだという実際上の理由は、それらが、情報セキュリティーを脅かし、「悪質なロシアの影響」の下にある、と非難するウクライナの政治的頂点の恣意性以外には何もない。ウクライナのジャーナリスト組合であるNUJUからも強い反応があり、何百人ものジャーナリストが自己表現の機会を奪われ、何十万人もの市民が情報を得る権利を奪われていることから、言論の自由に対する非常に重い攻撃だと語っている。」
今見たように、プーチンが非難されていることは、実際には、ゼレンスキーが、そして最近ではEUが、ソーシャルメディア・プラットフォームの共謀を得て行ったことなのです。デル・フレオの記事はこう記しています。
EFJのリカルド・グティエレス事務局長は、こう述べている。「テレビ放送局の閉鎖は、報道の自由を制限する最も極端な形態の一つである。国家は効果的な情報多元性を確保する義務がある。大統領の拒否権が、表現の自由に関する国際基準に全く合致していないことは明らかである」。
欧州における「ロシア・トゥデイ」や「スプートニク」の閲覧禁止措置の後、欧州ジャーナリスト連盟と国際ジャーナリスト連盟がどのような声明を出したかを知るのは、興味深いものです。
ウクライナのネオナチと過激派運動
ロシアの侵略から国民を守るために国際社会から人道的援助を求める国は、集団的想像力の中で、民主主義の原則の尊重と、"過激派イデオロギーによる活動やプロパガンダの拡散を禁止する法律"の制定を際立たせるべきです。
軍事・準軍事活動に従事するネオナチ運動は、しばしば公的機関の公式支援を受けて、ウクライナで自由に活動しています。これらには次のようなものがあります。
ステパン・バンデラのウクライナ国民党組織(OUN)、これは、チェチェンですでに活動していたナチ、反ユダヤ、人種差別の母体を持つ運動で、2013年から2014年の「ユーロマイダン」のクーデター時に結成された極右運動の連合体「右派セクター」の一部です。
ウクライナ反乱軍(UPA)。
UNA/UNSO、これは、極右政党ウクライナ国民会議の準軍事組織です。
コルチンスキー同胞団、これは、ISISメンバーにキエフでの保護を申し出ました(こちら)。
Misanthropic Vision(MD)、これは、19カ国に広がるネオナチネットワークで、キリスト教、イスラム教徒、ユダヤ教徒、共産主義者、同性愛者、米国人や有色人種に対するテロ、過激主義、嫌悪を公に扇動しています(こちら)。
ウクライナ政府は、これらの過激派組織の代表者の葬儀に大統領警護隊を派遣することによって、また、アゾフ大隊を支援することによって、明確な支援を与えていることを忘れてはなりません。同大隊は、アゾフ特殊作戦連隊という新しい名称のもとで公式にウクライナ陸軍の一部となり、また国家警備隊の組織に組み込まれている準軍事組織です。アゾフ連隊は、ウクライナ系ユダヤ人のオリガルヒであるイゴール・コロモイスキー(前ドニエプロペトロフスク州知事)によって資金提供されており、彼はまた、オデッサ大虐殺の責任者とされる民族主義民兵組織「右派セクター」の資金提供者だと考えられています。パンドラ文書でゼレンスキー大統領のスポンサーとして言及されているコロモイスキーと同一人物です。この大隊は、欧州や米国のいくつかの極右組織と関係を持っています。
アムネスティ・インターナショナルは、2014年9月8日にサリル・シェティ事務局長とアルセニー・ヤツェニュク首相が会談した後、ウクライナ政府に対し、キエフ軍とともに活動するボランティア大隊による虐待と戦争犯罪を終わらせるよう要請しました。ウクライナ政府はこの件に関する公式調査を開始し、アゾフ大隊の将校や兵士は誰一人として調査対象にはなっていないと宣言しています。
2015年3月、ウクライナのアルセン・アヴァコフ内務大臣は、アゾフ大隊が「オペレーション・フィアレス・ガード」の訓練任務の一環として、米軍部隊による訓練を受ける最初の部隊の一つになると発表しました。2015年6月12日、米下院がネオナチの過去を理由に、同大隊へのすべての援助(武器や訓練を含む)を禁止する修正案を可決し、米国の訓練は打ち切られました。その後、CIAの圧力により修正案は撤回され(こちらとこちら)、アゾフ大隊の兵士は米国で訓練を受けることになりました(こちらとこちら)。
「われわれは彼らをもう8年も訓練している。彼らは実に優れた戦士たちだ。そこで、CIAのプログラムが深刻な影響を与える可能性がある」。
2016年、OSCE(欧州安全保障協力機構)の報告書は、アゾフ大隊が捕虜の大量殺害、集団墓地での死体の隠蔽、身体的・心理的拷問技術の組織的使用に責任があることを明らかにしました。ところが、つい数日前、アゾフ大隊の副司令官ヴァディム・トロヤンが、アルセン・アヴァコフ内相によって州地域の警察署長に任命されています。
彼らは、ウクライナ軍とともにロシア兵と戦っている「英雄たち」です。そして、このアゾフ大隊の「英雄たち」は、自分たちの子どもを守るのではなく、あえて少年少女を入隊させて(こちらとこちら)子供たちの体を屠所への肉とさせています。
これは武力紛争における未成年者の関与に関する国連子どもの権利条約の選択議定書(こちら)に違反しています。この議定書は、国家の軍隊でも武装集団でも、18歳未満の子どもを強制的に採用したり、あるいは直接戦闘で使ったりしてはならないと定めている特別法的文書です。
必然的に、ドラギのイタリアを含むEUが「反ファシスト」政党の支援を得て提供する殺傷力のある武器は、これらの子どもたちに対して使われることになるのです。
新世界秩序の計画におけるウクライナ戦争
ロシアの放送局に対する検閲は、明らかに公式の物語(ナラティブ)が事実によって反証されるのを防ぐことを目的としています。しかし、西側メディアがビデオゲーム「War Thunder」の画像(こちら)、映画「スター・ウォーズ」のシーン(こちら)、中国での爆発(こちら)、軍事パレードの映像(こちら)、アフガニスタンのフィルム映像(こちら)、ローマの地下鉄(こちら)、移動火葬場の画像(こちら)を、ウクライナでの戦争の最近の実際の場面として、すり替えて見せている一方で、現実は無視されています。
なぜなら、世界経済フォーラムの「グレート・リセット」と国連の「アジェンダ2030」の計画に従って、西側諸国の自由を新たに制限することを正当化する大量破壊兵器として、紛争を引き起こすことがすでに決定されているからです。
ウクライナ国民は、外交で解決できる問題を超えて、グローバル・クーデターの犠牲者であることは明白です。このクーデターは、超国家的権力によって実行されつつあるもので、国家間の平和ではなく、むしろ新世界秩序の専制政治の確立を意図しているの動きと同じものです。つい数日前、ウクライナの国会議員キラ・ルディクは、カラシニコフを持ちながら、フォックスニュースにこう語りました。「われわれはウクライナのためだけでなく、新世界秩序のためにも戦っている」。
プーチンが繰り返し非難したウクライナの人権侵害とネオナチ民兵の犯罪は、政治的解決を見いだせませんでした。なぜなら、その犯罪は、欧州連合、NATO、米国のディープ・ステートの協力のもと、グローバリスト・エリートによって計画され、煽られたものだったからです。さらにその犯罪は、戦争を不可避なものにしよういう意図のある反ロシア的な色彩を持っており、その戦争の目的は、主に欧州において、エネルギー配給制の強要(こちら)、[3]渡航制限、紙幣から電子マネーへの置き換え(こちらとこちら)、デジタルIDの採用(こちらとこちら)を押し付けることなのです。
私たちは、理論的なプロジェクトの話をしているのではありません。これらは、個々の国だけでなく、欧州レベルでも具体的に行われようとしている決定なのです。
注[1]2011年、コロミスキーは億万長者のヴァディム・ラビノヴィッチとともに、ユダヤ人欧州議会の共同設立者の一人だった。参照:http://ejp.eu/. なお、ラビノヴィッチは、ゼレンスキーに逮捕された指導者ヴィクトル・メドヴェドクを擁するウクライナの親ロシア政党、「野党プラットフォーム・生活のために」のメンバーである。
【続く】