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「シノドスの過程はパンドラの箱 : 100の質問と回答」第三章 シノドスの過程 : C – 教理の発展における信者の役割 D「疎外された少数派」の役割

2024年01月25日 | カトリックとは

「シノドスの過程はパンドラの箱 : 100の質問と回答」

The Synodal Process Is a Pandora’s Box: 100 Questions & Answers

ホセ・アントニオ・ウレタとフリオ・ロレド・デ・イズクエ著

第三章 シノドスの過程

C 教理の発展における信者の役割
22.信者は教会の教理を精緻化する役割を果たしますか。
23.それは信者が教会の不可謬性に積極的な役割を果たすという意味でしょうか。
24.シノドス推進者たちは、信仰の遺産の有機的発展において、教導権の積極的役割と信徒の受動的役割を区別していますか。

D 「疎外された少数派」の役割
25.シノドス推進派は、「疎外された少数派」の声に特に耳を傾けると主張していますか。
26.教区の協議で集められた「預言的証言」に含まれる「困難で否定的な経験」とは何ですか。
27.大陸レベルの協議はこれを反映していますか。
28.大陸ステージのための作業文書は女性の叙階について何と言っていますか。
29.これらのテーマは新しいものでしょうか。

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C – 教理の発展における信者の役割

22.信者は教会の教理を精緻化する役割を果たしますか。

はい。たしかに、単なる信者(洗礼を受けてはいるものの、聖なる叙階の秘跡を受けなかった人々)であっても、教会生活において非常に重要な役割を果たしていることは否定できません。彼らは、教会の生ける石なのですから。洗礼は彼らを教会の体の中に組み入れ、教会の使命を共にする者とし(45)、堅振が彼らを「キリストの真の証人として、言葉と行いによって信仰を広め守ることに、さらに厳格に義務づけ」させます(46)。私たちの主が使徒たちに約束された聖霊による天主の援助(ヨハネ14章16-17節、ヨハネ14章26節)は教会全体に関わるものであり、それは主に教導権(infallibilitas in docendo 教えにおいて不可謬)を通して示されますが、信者の総意を通しても明らかにされます。後者は、教会の信仰における不可謬性(infallibilitas in credendo 信じるにおいて不可謬)を表現するものであり、この不可謬性は、先に見たように、信者が洗礼において受ける信仰の感覚に基づいています。

しかし、「信者たちの信仰の共同感覚」(consensus fidei fidelium)をルソーの「一般意志」(volonté générale)と同一視することはできません。2018年4月にローマで開催された会議でヴァルター・ブラントミュラー枢機卿が指摘したように、「カトリック信者が一斉に(en masse)、離婚後に再婚することや避妊を実践することを、あるいはそれに類することを正当と考えるとき、これは信仰に対する大規模な証しではなく、集団背教です」(47)。

同じ集会で、ブラントミュラー枢機卿はまた、次のように回想しています。「信仰の感覚」(sensus fidei)は、信者があらゆる誤謬を認識し、本能的に拒絶するように導く、一種の霊的免疫システムとして働きます。それゆえ、教会の受動的不可謬性、すなわち、教会が全体においては決して異端に陥ることがないという確信が頼りにしているのは、天主の約束とともに、この「信仰の感覚」(sensus fidei)なのです」(48)。

23.それは信者が教会の不可謬性に積極的な役割を果たすという意味でしょうか。

いいえ。ここで強調されているのは受動的、つまり受容的な不可謬性です。教皇と諸公会議の教義宣言という荘厳な教導権と司教たちの通常の普遍的教導権においてのみ、位階階級の不可謬性が能動的です。聖ペトロと使徒たち(およびその後継者たち)は、「すべての民に教えよ」という使命を受け、その結果、信者たちに自分たちの教えを信じることを主が義務づけたからです。「あなたがたの言うことを聞く者は、わたしの言うことを聞く者である」(ルカ10章16節)。

24.シノドス推進者たちは、信仰の遺産の有機的発展において、教導権の積極的役割と信徒の受動的役割を区別していますか。

いいえ。グレック枢機卿は、シノドスの耳を傾ける過程を通じて、「信仰の感覚はその積極的な機能を回復する」と宣言しています。この機能は、教皇グレゴリオによる改革後に奪われたとされています(49)。グレゴリオ改革は、「教会体の硬化、特に教導教会(Ecclesia docens)と聴従教会(Ecclesia discens)の間の固定化された関係の形態」を生み出したからだと主張されます。同枢機卿によれば、そのような旧態依然とした教会では、「すべての活動能力が前者の手に集中され、聖なる天主の民である信者は従属する者に貶められていました」(50)。そこで今、この状況を元に戻すのだとされているのです。

D―「疎外された少数派」の役割

25.シノドス推進派は、「疎外された少数派」の声に特に耳を傾けると主張していますか。

「ハンドブック」は、「排除され、疎外されていると感じている人々を巻き込むためにあらゆる努力を払う」べきだと主張しています(15ページ)。この文書は、少数派に対する優遇策を表明していると言ってもいいでしょう。「総括文書は、あまり聞いてもらえない人々の声に特別な注意を払い、私たちが『マイノリティ・レポート』と呼ぶことのできるものをまとめるべきです。フィードバックは、肯定的な経験を強調するだけでなく、困難で否定的な経験も明らかにすべきです」(29ページ)。「実際、『マイノリティ・レポート』と呼べるようなものの視点が、天主が教会に伝えたいと思っておられることの預言的証言になることもあります」(57ページ)。

26.教区の協議で集められた「預言的証言」に含まれる「困難で否定的な経験」とは何ですか。

シノドスの大陸ステージのための作業文書には、いくつかの項目が挙げられています。「より有意義な対話と、より歓迎される場を求める人々の中には、さまざまな理由から、教会に属することと自分たちの愛情関係との間に緊張を感じている人々、例えば、再婚した離婚者、結婚せずに子を育てる親、一夫多妻制の結婚生活を送る人々、LGBTQの人々、なども見受けられます」(39番)(51)。

シノドス推進者にとって、それはこれらの「疎外された少数派」を教会に「含める」という問題だとされます。

27.大陸レベルの協議はこれを反映していますか。

はい。シノドスの旅における大陸ステージの結論文書(大陸統合【総括文書】)のほとんどすべてに、「疎外された少数派」と協議することに特別な配慮が払われたことが明記されています。

例えば、「北米統合【総括文書】」にはこうあります。「大陸集会では、各国の報告書と同様に、教会内の包摂性と歓迎の度合いを高めることが深く望まれていました。実際、交わりを壊しているとみなされた主な要因の一つは、特定の人々やグループが教会で歓迎されていないと感じているという多くの人々の経験でした。大陸ステージで名前を挙げられたグループには、女性、若者、移民、人種的または言語的少数派、LGBTQ+の人々、離婚して結婚無効宣言を受けずに再婚した人々、身体的または精神的な能力の程度に差がある人々が含まれていました」(26番)(52)。

28.大陸ステージのための作業文書は女性の叙階について何と言っていますか。

シノドス推進者にとって、女性は「排除された少数派」の一つです。「大陸ステージのための作業文書」は、教会の各組織の統治構造に女性が完全かつ平等に参加するために(64番参照)、新しい実践、構造、習慣(60番参照)をもって、教会に新しい文化を確立しなければならないと述べています。また、多くの女性が、自分たちの貢献やカリスマが必ずしも評価されていないことを悲しく感じていることを確認しています(61番参照)。最後に、多くの人が女性助祭と女性が説教できるよう求めているとしています。女性の司祭叙階を提案する人もいます(64番参照)。

教皇フランシスコ自身も重要な一歩を踏み出しました。4月、史上初めて、シノドスでの投票権を女性に認めたのです。ローマ教皇は、シノドス参加者の最大25%を平信徒、男女とし、全員が司教と同等の投票権を持つことを決定しました(53)。

29.これらのテーマは新しいものでしょうか。

いいえ。それらは、代表的な進歩的潮流による古い主張に一致しています。特に第二バチカン公会議以降に定型化されたかつての主張です。スイスのクール教区名誉補佐司教、マリアン・エレガンティ司教はこう語ります。「私は、タイトルにあるように、扱われるテーマは、教会の新しい『手法』(nodus operandi)とされる『シノダリティ』となるのだろうと思いました。しかし、実はそうではありません。それどころか、それは、1970年代以来、何度目か分からないほど加熱された同じシノドスの食べ残しに関するものです。つまり、民主主義、参加、エンパワーメント、あらゆる職位に女性を置くこと、女性の助祭職や司祭職、婚外性関係や再婚、同性愛に関する性道徳の見直し、典礼における司祭職の終焉などです。私たちは皆、このことを知っています」(54)。

最も顕著なケースは、1968年から1970年の3年間に、いわゆるオランダ司牧評議会が開催されたことです。これは、「シノダリティに関するシノドス」が今日提示したものと同様の様式と提案でした。このつまずきを与える会議によって、オランダの教会は深い危機に陥りました。1980年1月、ヨハネ・パウロ二世はこの危機を解決するために、オランダ司教の特別シノドスを招集しました。オランダの司教たちは、1968年から1970年の公会議で公言された多くの誤謬の撤回を表す内容の文書に署名しなければなりませんでした(55)。



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