「その1」の続編です。
実は「その1」で参考にした資料で、どうもわからない点が一つあった。
表番号(以下省略)「9 都道府県別 年齢別 本務教員数 (高等学校 公立)」は昨年の10月1日現在の教員の人数を、年齢ごとに区切って集計している表である。全164,431人中2名、21歳の教員がいるのだ。愛知県と鳥取県に各1である。これがどうもわからなかった。
高校教員免許状の基礎資格を確認、色々なケースを考えてみたがわからなかった。先週あらためて文科省資料を読み直したところ、発表文(Ⅱ 調査結果の概要)に、養護教諭等を含むとあることに気づいた。「4 年齢別 職名別 本務教員数 (高等学校) 3-2」を見ると、公立高校教員でカウントされている21歳の教員2名の性別は女性で、区分は養護教諭、養護助教諭が各1だと判明した。
なるほど...
資料の読み方がまだまだだね。
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さて、今回は年齢構成と、退職理由を見ていこう。
以下は「10 勤務年数区分別 教員構成(高校以下)」から作成したものである。高校の先生の勤続年数はどれくらいだろう。
区分 | 国立 | 公立 | 私立 |
5年未満 | 8.8 | 14.3 | 25.2 |
5年以上 10年未満 |
16.6 | 9.0 | 16.6 |
10年以上 15年未満 |
9.7 | 9.4 | 10.8 |
15年以上 20年未満 |
9.5 | 10.6 | 10.1 |
20年以上 25年未満 |
11.3 | 15.4 | 10.6 |
25年以上 30年未満 |
21.3 | 21.2 | 11.0 |
30年以上 35年未満 |
14.3 | 15.2 | 8.4 |
35年以上 40年未満 |
7.6 | 4.9 | 5.2 |
40年以上 | 0.9 | 0.1 | 2.0 |
平均 | 20.6 | 20.2 | 15.8 |
(注)平均(平均勤務年数)には、教員(本務教員・指導主事)として勤務した実年数を合算している。
国立の高校は数が少ないので、国立と公立で赤の部分がやや数字に差がみられる。
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次に「18 離職の理由別 離職教員数(高校以下)」から退職の理由を見てみよう。
平成24年度間(平成24年4月1日~平成25年3月31日)の離職教員数である。
退職理由 | 性別 | 設置者別 | ||||
男 | 女 | 計 | 国立 | 公立 | 私立 | |
定年退職 *1 |
4,464 | 1,029 | 5,493 | 12 | 4,426 | 1,055 |
病気による 退職 |
182 | 95 | 277 | - | 137 | 140 |
病気のうち 精神疾患 |
76 | 48 | 124 | - | 74 | 50 |
死亡 | 127 | 31 | 158 | - | 111 | 47 |
転職 *2 |
911 | 443 | 1,354 | 7 | 434 | 913 |
大学等 入学 |
31 | 28 | 59 | - | 15 | 44 |
家庭の 事情 |
236 | 417 | 653 | 2 | 260 | 391 |
職務上の 問題 |
81 | 20 | 101 | - | 40 | 61 |
その他 | 1,528 | 906 | 2,434 | 10 | 879 | 1,545 |
合計 | 7,560 | 2,969 | 10,529 | 31 | 6,302 | 4,196 |
*1「定年退職」には、勧奨退職を含む。
*2「転職のため」には、高等学校以下の学校の本務教員以外の職業に就いた者(大学・短大等の教員、教育委員会を含む官公庁への異動、民間企業への就職等)をいう。
何よりも考えてしまうのは、病気退職(含む精神疾患により)と死亡による退職である。
病気退職者は全退職者の2.63%、うち精神疾患により退職した人は1.17%である。国立は病気退職(含む精神疾患により)の退職が「-」なので、公立だけ見ると、それは2.17%、1.17%である。埼玉県の県立高校の規模ならば、2校に1人程度、精神疾患を(主たる)理由として定年前に退職している仲間がいることになる。これが、最少見積もりであることは、ちょっと考えれば誰でもわかる。
100人に一人が、心を病んでやめる職業とは、どんな職業なのだ。これとあわせて、現職のまま死亡した教員数は158である。これは退職者の1.5%である。
何か、おかしいのではないか。