〔ベルリン 13日付ロイター〕
『1961年8月13日に何があったか』
旧東ドイツ政府の「ベルリンの壁」建設開始から13日で53年、今週発表された調査では、ドイツ国民の半数が建設着工日を知らない。
回答者1013人(14歳~29歳)の約50%が知らないと答えた。知っているとの回答は、32%である。
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ニュースを読んで、「そういうものかもしれない」と思った。
被験者を「ベルリン市民」と限定してならばともかく、「ドイツ国民」というくくりだと、知っているのが3人に1人程度になることはあり得る。ことの是非はともかく、おどろいてはいけない、間違いだと思う。
ベルリンの壁開放は1990年11月9日、その翌日から取り壊しがはじまった。現在23、24歳の以下の国民にとって、壁は過去のものである。過去のことは、何か理由がなければ知らないものだ。
「日本国民」に1945年3月10日、6月23日、8月6日と9日に何が起きたか同じように尋ねたら、8月の日付も知らない人がいる。最初の二つはもっと知らない人がいる。悲しいが、そんな確信がある。
知らないということを前提に、教育(戦争体験、歴史の引き継ぎ)を考えるべき時なのだ。知らないことを非難するばかりではダメなのだ。こうして話題になるのは、実は大切なことなのだと思う。