新・遊歩道

日常の中で気づいたこと、感じたこと、心を打ったこと、旅の記録などを写真入りで書く日記です。

ゆったりパリ旅⑦

2011年11月12日 | ’11 パリ個人旅行

今日は見学の最終日。まだ行ったことがないモンマルトルとポンピドーセンター内の国立近代美術館とノートルダム寺院です。

★モンマルトル美術散策

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モンマルトルの芸術の丘に画家たちの青春の面影を探りました。丘に向かう石畳の急な階段、入り組んだ路地、活気のある商店街など心をひきつける光景が広がっています。しかし徒歩よりも、観光ポイントを見ながら走るというプチトランの方を選びました。途中下車、乗車も可能という便利さが嬉しいし、まるでおとぎの国の乗り物の様にかわいいのです。

ロートッレックは夜ごとムーラン・ルージュを訪れ踊り子を描きました。ユトリロは白亜のサクレクール寺院を詩情豊かに描きました。テルトル広場では多くの画家たちが絵を売ったり似顔絵を描いています。道路に手に生の真っ赤なバラを持った美しい彫像が置いてあり、さすがパリだと思ったらなんとそれは人間!観光客と一緒に写真を撮る時に動いたのでわかりました。パリの人間彫像はやっぱりおしゃれ!

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我が家の居間に、中村健一郎氏がパリ在住中に描いたラパン・アジルの絵があります。その場所を今回どうしても確かめたい思いがありました。ラパン・アジルはモンマルトルの貧しい画家たちのたまり場だったそうで、ユトリロもここを描いています。プチトランに乗りその説明を聞きながら、ほんのわずかの間でしたがもうそれだけで満足でした。

★早朝に携帯の着信音。娘からのメールです。サン・ラザール駅Cimg8028
近くのビル「PASSAGE DU HAVRE」の中に子供服専門店「SeRGeNT MaJoR」があり、セールをやっているから買ってきて・・・という宿題が発生しました。

ネットで一生懸命に調べたのだと思うと、ぎりぎりのスケジュールの中に「買い物」を入れざるを得ません。効率よく動かないと今日の見学も「未遂」に終わるかもしれない・・・。

でも、前もってHAVRE通りを確認していたおかげですんなりと行けました。いずこも同じで、パリのおばあさんも孫の服を買いに来ていました。

昼食は大通りのブラッセリーで。仏語のメニューがわかりにくく、仕方なく単語のわかるオムレツを注文すると、今までのイメージと全く違ってそのおいしさは格別でとても感激しました。注文してから作るので、店の中にはおいしそうなバターの焦げるにおいが充満しています。中にはきのこ、チーズ、ハムが入り、外側はちょっと焦げ目がつき中はふーわふわ!本当に幸せな味でした。

何も今まで注文に思い悩む必要はなかったのです。メニューにomelettesの名はあったのですが、私の中ではおいしくないメニューになっていたのです。今更ながら「しまった!」です。もう食べるチャンスはほとんどありません。でもパリのオムレツが最後に食べられてよかった!

★シテ島

メトロCHATELETで降り、長い長い地下道を通って階段を上ると、そこは雪国ならぬセーヌ河。ぱっと開けた視界には、広い静かな流れと紅葉しかけた並木があります。橋を渡るとマリー・アントワネットが幽閉されていたコンシェルジュリーがあります。向こうにはパリで最も古い橋ポン・ヌフも見えます。前回はポン・ヌフで画学生に絵を買わされました。

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ノートルダム寺院には、夫も私も中に入ったことがなかったので今回は入場。ここでも並ぶ、並ぶ、並ぶ。セーヌを走る観光船も難民船みたいに鈴なりで、パリは世界の観光スポットなんですね。

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150年余もかけて1320年に完成したノートルダム寺院は、フランス中世文化の結晶と言われています。ステンドグラスが見事なバラ窓です。

★パリ市庁舎

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シテ島から橋を渡るとパリ市庁舎があります。火事で焼失した後1871年に再建されたルネッサンス様式の重厚な建物です。重厚でも、冬には前の広場がスケート場になるという庶民に人気の市庁舎のようです。

ちょうどその前にあったカフェでパリジェンヌを眺めながらティータイム。リンゴのタルトとカプチーノを注文すると、タルトの上にアイスクリームも!最初は歓声をあげたものの全部食べるのはかなり難しい・・・。思うに料理の盛り付けは日本の方が繊細です。

リンゴと言えばフランスは青リンゴがほとんどで、飛行機の中も青リンゴのジュース、ヨーグルトも青リンゴ味、朝食のフルーツも青リンゴ。酸味の強い青リンゴは私には嬉しい味です。

★ポンピドーセンター(国立近代美術館)

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伝統的な建物の通りを歩いて行くと、いきなり奇抜な建物が威容を放っています。そこがポンピドーセンター。写真は夕方とライトアップされた夜のポンピドー。建物の外に設けられた透明チューブ状のエスカレーターを上っていくと5,6,7階が展示スペースです。

5階は1960年以降現在まで。日常社会を取り込んだポップアートで消費文化のにおいがします。ここは少し苦手です。

6階は20世紀初頭~1960年の作品で、マチス中心のフォービズム、ピカソ中心のキュビズム、カンディンスキーの抽象派の絵がどっさり。帰ってから考えると、ぜひ見たかったマチスの「ルーマニアのブラウス」を見逃していたことに気づきました。マチスの部屋にはなかったような・・・。でもあまり部屋が多くて見逃したのかもしれないと思うととても残念で、残念で。

Cimg8115Img_4438ポンピドーセンターは配管までも外にむき出しにして色を付けアートにしてしまっています。最初は度肝をぬかれますが、見ているとだんだん楽しくなってきます。

内装のイメージは赤。発券機も赤、ショップの壁も赤、こんな消火設備ですら赤でお洒落をしています。鐘に見えるのはバケツを逆さにしてつるしてあるからです。イタリア人レンゾ・ピアノのデザインとか、どうりで奇抜だと思いました。伝統の街並みに建てるには勇気がいったことでしょう。

閉館の21時まで頑張りました。これでスケジュールは終わりです。もう一泊あればと思うものの、そういったらキリがありません。とにかく満足度の高い旅のスケジュールでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

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ゆったりパリ旅⑥

2011年11月12日 | ’11 パリ個人旅行

今日は街歩きをしながらパリ市近代美術館、アンバリッド内の軍事博物館、ケ・ブランリー美術館のレストランで食事、プチ・パレを徒歩で回ります。

★パリ市近代美術館

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パリ市美はエッフェル塔が見えるセーヌ河に面して建てられています。パリ市街から少し離れているせいか入館者は少なく、古典的な外観の割には掃除が行き届いていなくてパリ市の財政も大変なんだな…と思ってしまいました。一つの作品にスペースがたっぷりとられているのでゆっくり鑑賞できます。私の好きなマチス、デュフィー、ヴァン・ドンゲン、モディリアニ、フジタの『寝室のキキ』など20世紀の作品が並びます。部屋いっぱいのマチスの『ダンス』、デュフィーの『電気の精』は10m×60mの大作。軽快なタッチと色彩が天井から床まであり圧巻です。

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★エッフェル塔を望みながらセーヌ河を渡るとケ・ブランリー美術館があります。5年前にオープンしたこの美術館は、アフリカ、アジア、オセアニアの彫刻や装飾品があり、その原始美術に人気があるようで入場者は多かったです。パスを見せて入場したもののあまり興味はわかずガイドブックおすすめのレストランに直行しましたが、予約制ということで断られてしまいました。

街の歩道にテーブルを置いたレストランで食事したあと、街歩きを楽しみながら次のアンバリッドへ向かいました。

★アンバリッドはルイ14世が負傷兵など退役軍人のために建てたものですが、今では軍事の行政機関になり、一角に「軍事博物館」があります。

Photo_3その中に若きアングルが絶頂期の皇帝ナポレオンを描いた1枚Cimg7946があります。武器には興味はないけど、その『皇帝の座につくナポレオン』を見るためにやってきました。

頭に金色に輝く月桂冠、真紅の豪奢な衣装には白テンの毛皮が胸元を覆っています。右が胸元の首飾りです。

金色の王笏と正義の手の杖。ローマ皇帝の象徴の鷲をデザインした絨毯に足を置いて権力を誇示しています。真正面から描いた英雄の肖像に、ナポレオンも大満足だったことでしょう。

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アレクサンドル3世橋を渡って次のプティ・パレに向かう途中に花嫁さんを見ました。結婚式は国を問わずいいものです。

★プチ・パレ(パリ市立美術館)

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建物は1900年の万博会場。テレビの美術館紹介で見ていたのでここもスケジュールに入れておきました。モネの「ラヴァクールの日没』。小品ですがアングルの『レオナルド・ダ・ヴィンチの死』を見たかったのです。福岡市美に来た『サラ・ベルナールの肖像』が何か言いたげな表情でこちらを見ていました。回廊のある中庭も見事で穴場の美術館という感じです。閉館18時までねばりました。

★シャゼリゼ大通り

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プティ・パレからシャンゼリゼ大通りを通ってコンコルド広場まで歩きました。道幅は70mでその半分が歩道です。まずは人間を優先して設計されたのを感じました。左を見れば遠くに凱旋門、右を見ればオベリスクが屹立しています。その間の距離が1880mでまさにパリの象徴です。歩いているとあっという間に暗くなり、昨夜の真夜中に冬時間への変更があったばかりでした。

今日の街歩きが5キロ。食事で腰を下ろした以外は全部立ち姿勢ということです。ずいぶん歩きましたが、両サイドの飽くなき街並みを見ながら歩いていたせいかあまり疲れませんでした。パックツアーでは味わえない街歩き。とても満足です。

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