新・遊歩道

日常の中で気づいたこと、感じたこと、心を打ったこと、旅の記録などを写真入りで書く日記です。

肥前さが幕末維新博覧会

2018年05月20日 | 歴史

今朝、洗面台の鏡を見ながら唐突に頭に浮かんだのが「佐賀へ行こう!」。夫は終日お出かけ、天気はいい、気温も上がらない・・・。今、「肥前さが幕末維新博覧会」が開催されており、のんびり街歩きをしようと思い立ちました。
高速バスで80分で到着。県庁展望レストランで伊万里牛のランチで腹ごしらえをしてから街中に散らばる会場を訪れます。 

★ 幕末維新記念館 佐賀藩の歴史全体をアニメを交えた大型スクリーンで紹介。 
★ リアル弘道館 幕末維新期の佐賀の偉業と躍動の母体となった藩校「弘道館」を、見て、体験。
★ 葉隠みらい館 佐賀の風土に溶け込んだ葉隠の本質に触れます。
★ 旧古賀銀行 鍋島家の資料とカフェ   
★ オランダハウス 西洋の技術を導入するきっかけとなったオランダとの交流を深めるための施設
★ 徴古館 県内初の博物館。現在は佐賀藩主・侯爵鍋島家に伝来した品々を紹介する博物館

   
佐賀にはゆったりとした時間が流れています。建物も威圧的でなく、押しつけがましくなく、優しさが伝わる街です。

   
旧古賀銀行は鍋島家の資料が展示されていますが、その一角はカフェになっています。

佐賀駅までの歩道や公園には、佐賀出身の偉人を巡るモニュメントが25像あります。  
 直正の教育担当・古賀穀堂、10代藩主・鍋島直正、蘭学を導入した武雄領主・鍋島茂義

  
   枝吉神陽、赤十字社の基礎を築いた佐野常民、北海道開拓の父・島義勇

  
   早稲田大学の創設者大隈重信、外務卿・副島種臣

  
  司法制度の基礎を築いた初代司法卿・江藤新平、初代文部卿・大木喬任

他に東京駅の設計者・辰野金吾、近代医学の祖・伊藤玄朴、森永製菓の創業者・森永太一郎、江崎グリコの創業者・江崎利一、『次郎物語』の著者・下村湖人・・・などなど。

福岡藩と共に長崎警備に当たった佐賀藩は、相次ぐ外国船来航に危機感を覚え、反射炉の築造、大砲の製造、三重津海軍所(世界遺産)や実用蒸気船「凌風丸」を建造して強大な軍事力を備え、幕府や朝廷からは一目置かれました。
しかし幕末の政局には加わらず、戊辰戦争の勃発でやむを得ず参戦します。その後は大隈、大木、江藤、副島が政権に参加していきます。
なぜ幕末の争いに加わらなかったのか。今までは直正が「消極的」と解釈されていましたが、展示では「国内で争っている場合ではない」と最後まで戦いをのぞまなかったことが取り上げられていました。

徴古館では、直正が戦いをのぞまなかったのは、幼い時に受けた教育の為という資料が展示されていました。「一味同心」、藩主も庶民も協力して一つになれば、鍋島家も藩も続いていくという事です。

司馬遼太郎の『アームストロング砲』、『肥前の妖怪』を読んでいたので、作品の中の人物に出会えたような、体温を感じるような身近さをおぼえました。

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