新・遊歩道

日常の中で気づいたこと、感じたこと、心を打ったこと、旅の記録などを写真入りで書く日記です。

贅沢なプログラムでした

2023年06月21日 | 音楽
6月20日、アクロスシンフォニーホール。「未完成」「皇帝」「運命」という贅沢なプログラムを掲げて登場したのは「ベルリン交響楽団」。圧巻の演奏でした。
名前は似ていますが、ベルリン・フィルではありません。ベルリン・フィルは福岡まではなかなか・・・。来てもとても手が届かないかな。

2楽章までしかない「未完成」。オーボエやクラリネットの美しいメロディー、ボンボンと地下からわき出るような強調したコントラバスの音が心に響きました。CDで聴くより数倍もよかった!コンサートは別物です。

ベートーベンのピアノコンチェルト5番「皇帝」。若き才能を期待されているポーランドのピアニストはアレクセイヴィッチ。
指ばかりでなく手の動きも美しい!弾いてないときでも楽団の方を向き体で演奏に加わり、すべてが溶け合って舞台が丸ごと一体化していました。
満場の拍手が鳴りやまず、少しはにかみながら2曲のアンコール曲で応えてくれました。
ショパン「華麗なる円舞曲」と「マズルカ15番」。観客からは聞き慣れた曲に親しみを感じて喚声が上がりました!メインの料理のあとの極上のデザートというところです。
アンコールの曲選びには、ピアニストも観客の心理を読んで喜ばせたいという意図があるようです。

第2部。「ダダダダーン」と同音の連打、これが最初にみんなの心に入り込みます。重厚で少し重たい「運命」。
ゆったりとしたテンポの第2楽章。起伏に満ちているけど優しいメロデイです。
3楽章、4楽章は重厚なテーマが調性を変えながら何度も繰り返され、どんどん盛り上がり、軽やかになって素晴らしい終わりを迎えます。
作品「運命」が聴く人の心をつかむのは、メロディーとリズムで「人の運命」として自然に受け入れていくからでしょうか。

丸々2時間。指揮者も演奏者も相当疲れているはずなのに、ないだろうと思っていたアンコール曲がブラームスの「ハンガリー舞曲」。会場の鳴りやまない拍手に応えてくれた指揮者に喚声が沸き起こりました。会場と演奏者の双方向の心のやり取りが実現した場面です。

チケット購入のミスから始まった今日のコンサート。オンラインでクリックしたつもりは「ハンブルグ交響楽団」の方で、見事な怪我の巧妙でした。
7年前にも聴いたベルリン交響楽団でしたが、今回はもっとよかった!
ソロ演奏よりもやはり交響楽は盛り上がり方が違います。

コンサートの度に音楽会のチラシが配られます。映画で予告編を見たら次を見たくなるのと同じで聴きたくなります。もう次の先行予約の日を見据えています。
会場では皆まだマスクです。でも、もう以前のような恐怖感はありません。きちんと気をつけて楽しまなくちゃー。



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