エリザベス女王の国葬がとりおこなわれた同じ日に、女王の父ジョージ6世の実話に基づいた映画『英国王のスピーチ』が放送されました。
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右端が子供時代のエリザベス女王、2人目がマーガレット王女です。
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ジョージ5世の次男として生まれたアルバート(後のジョージ6世)は王族として厳しく育てられ、4、5歳の頃から重度の吃音に悩まされます。
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妻エリザベス妃は夫アルバートが吃音症を克服するよう医師の間を奔走しますが治療法は見つかりません。そんな時に言語療法士ライオネル・ローグに出会います。
吃音は治らないと諦めているアルバートに「生まれつき吃音の子はいない」とライオネルは断言します。ライオネルが治療で求めるのは信頼と二人の対等の関係です。
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彼の治療法は度肝を抜くものでした。アルバートのヘッドフォンに大音量の音楽を流し、自分の声が聞こえない状態で本を朗読させその声を録音します。(このとき流れるのがフィガロの結婚)
その結果に納得の表情のライオネルとは裏腹に、アルバートはこの治療法は無意味だと怒り信頼関係を結べないままに帰ってしまいます。
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父ジョージ5世が亡くなり後を継いだ兄エドワード8世でしたが、離婚歴のあるシンプソン夫人との結婚を選び、1年も経たないうちに国王を退位します。
その後を継いだアルバートがジョージ6世ですが、決して望まなかった王位の重さに彼は泣き崩れます。王位継承のスピーチも失敗に終わります。
そしてアルバートは再びライオネルを訪ね、謝罪してまた特訓に励みます。
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戴冠式の準備中に、アルバートはライオネルがドクターの資格を持ってないことを知り詐欺師だとののしります。
ライオネルは「確かに研修経験も資格もない。しかし沢山の経験の中から学び多くの人を回復させてきた。運動や療法も必要だが心の治療こそ大切だ。私の役目は患者に自信を持たせ、友が聞いていると力づけることだ。私は一度もドクターと名乗ったことはない。L・ローグ言語障害専門が表札だ」と説きます。怒鳴り合うほど激しいやり取りの後、アルバートは本音を吐き出しながら心を開いていきます。
この頃ヒトラー率いるナチスがイギリスに開戦宣言をします。ナチスに対して融和を試みたイギリスも為すすべなく開戦に踏み切ります。
国王として国民に一致団結を図るスピーチをする事になりました。王のスピーチが必要とされる時代背景があったのです。9分間の長丁場、二人で特訓します。
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当日、二人だけの録音室でライオネルはアルバートに付き従います。マイクを鋏み、表情で、身振りで、手振りで、スピーチ中のアルバートを励まし続けます。(この時に流れるのがヴェートーベン交響曲第7番の2楽章が重厚さを後押しします。)
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当日、二人だけの録音室でライオネルはアルバートに付き従います。マイクを鋏み、表情で、身振りで、手振りで、スピーチ中のアルバートを励まし続けます。(この時に流れるのがヴェートーベン交響曲第7番の2楽章が重厚さを後押しします。)
最後の方ではいつの間にか吃音の恐怖からも解放され、滑らかな口調で自分の言葉で心からのスピーチをしていました。
スピーチの中味は格調高く、心を打ち国民に勇気を与えるもので、終わるとどよめく賞賛の嵐の中にいました。大成功です。
アルバートはすっかり自信を取り戻し、ジョージ6世として「お手柄だ。我が友よ」とライオネルをたたえます。
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1944年、ジョージ6世はライオネルにロイヤル・ヴィクトリア勲章を与えます。それは騎士団の勲章の中で、君主個人への奉仕によって授与される唯一のものでした。
戦争スピーチには毎回ライオネルが立ち会い、ジョージ6世は抵抗運動のシンボルとなりました。
ライオネルとジョージ6世は生涯にわたりよき友であり続けました。
アカデミー賞作品賞、主演男優賞など4部門で賞を獲得した感動の映画です。録画だったので2度も観てしまいました。
英王室は同じ名前が多いので、系図を頭に入れておくと混乱しません。