モンゴルは、朝青龍、白鵬で取り上げられることが多くなりましたが、2006年は「日本におけるモンゴル年」、2007年は「モンゴルにおける日本年」として二国の交流が深まっています。
それにあわせた堺屋太一氏の日経の新聞小説『世界を創った男 チンギス・ハン』が537回の連載を8月5日に終えました。堺屋氏は東大経済学部卒、通産官僚、経済企画庁長官を歴任しただけあって、モンゴル帝国が形成されていく中で、経済面にもしっかりと照準を当てわかりやすく書いています。
堺屋氏は、チンギス・ハンの「人間に差別なし、地上に境界なし」の理念をグローバリズムの先がけとして高く評価し、そこに21世紀の世界の未来を見ようとしています。
堺屋氏は、チンギス・ハンがどのような思想をもち、どのような人材を登用し、東西交易の商人や旅芸人から何をどのように学び取り、どのようにモンゴル帝国を広げていったかを、歴史的正確さに気をつけながら書いています。時には現代の世界や日本の政治経済と重ね合わせながら、時には日本の歴史と比較しながら、時には地図を系図をと、分かりやすく興味深く面白い歴史小説として書いています。
ユーラシア大陸を縦横無尽に走るモンゴル騎馬兵や、広大な草原の暮しのイメージがなかなかつかめずに、チンギスハンの映画も観たし、本も読んでみました。関口知宏の「中国鉄道大紀行」も大変役に立ちました。
- 井上靖 『蒼き狼』 新潮文庫―――亡くなるまでひたすら敵を求め、侵略と略奪を繰り返したチンギスの征服欲はどこから来るのか。彼の内面の苦悩を突きとめながら、優れた為政者であり他面では非情冷酷な虐殺者としてのチンギスを、井上氏らしい格調高い文章で書いています。
- 司馬遼太郎 『ペルシャの幻術師』 文春文庫―――この中に、西夏の李睨(リーシエン)公主の降伏を、司馬氏は40ページの短編「戈壁の匈奴」に書いています。5度目の西夏攻めでついに手に入れた西夏の女。「お前を得るために40年を費やした。世界を従えて、ついに西夏を得た。そのお前が、いまわしの前に居る」といったように、司馬氏はチンギスを性欲と好戦欲と略奪欲の人一倍激しい男として描いています。
- 陳舜臣 『チンギス・ハーンの一族』 中公文庫
1巻―― 「草原の覇者」 草原から世界帝国へ、殺戮の底に潜む英知
2巻―― 「中原を征く 」 チンギスの息子たちの権謀術数と分裂の危機
3巻―― 「滄海への道 」 骨肉の争いを制したフビライの野望
4巻―― 「斜陽万里 」 王国の叛乱、フビライの死 帝国は終焉に向かう
- 『「中国の歴史」が分かる!』 三笠文庫―― 殷の文明、秦の統一から激動の現代まで。複雑な中国史の全貌が分かりやすく書かれています。
面白い新聞小説は、毎朝の楽しみをもたらしてくれます。今度は北九州が舞台となった北方謙三『望郷の道』が始まりました。タイトルの筆の字体が東山魁夷の「道」を連想させ、それだけで気になっている小説です。
その時代にモンゴルを目指されたところがまたすごいですね。
主義が違えば、歴史観がころっと変わって、第三者でさえ戸惑うのに、
良し悪しにかかわらず本国の人たちは戸惑ったでしょうね。
そういえば、2年前に旅したロシアで、ガイドさんはソ連崩壊のときはまだ5,6歳。「ソ連」からは開放されて、「スターリンは悪い人です。」といっていました。
9月2日から、関口知宏の鉄道の旅・後編が始まり、チンギスハンが駆け巡ったところが見られるのではと期待しています。
「旅のスケッチ」を拝見させていただきます。
クマゼミは以前は数が少なく、それを捕まえると男の子の株が上がったとか…。
今では異常発生し、枝と間違えて光ケーブルに卵を産み付けて通信不可能になる被害が出ているようです。
メキシカンやベトナム風の食生活、若いんですね~!
我が家は子供たちが帰ってきて連日肉料理。作るだけでお腹いっぱいになり、自分だけ簡素なメニューにすることもありました。
食生活もなかなか思うように行かないものです。
アメリカから帰ってから何故か、メキシカン風やベトナム風や
南のスパイスの効いた料理ばかり食べているよな気がします。
そうめんや蕎麦などでは、この暑さは乗り切れないと・・・
体がほしがっているかも知れません。
今日のメニューは野菜カレーにと・・
連日の南の料理に我が家では・・不評の声が。
しかし、我が家の蝉攻撃も少しは静まったように思います。
秋が早く来ないかと心待ちにしております。
若い頃は・・・あまり好きではありませんでした。
ご主人の好みの本を借りて読むのは、素晴らしいこだと思います。
自分の好みでない本を読むチャンスができて、読書の分野を増やせるし、共通の話題ができますよ。
チンギス・ハンのときも、よく話しました。
9月からは、また関口智宏の「中国鉄道大紀行」後編が始まり、まさにモンゴルの大地が見られるのを楽しみにしています。
パソコンで遊び始めたら、読書が遠のいています。探すのも面倒で夫が借りてきたものをまた借りし読んだりしています。
今度は、ちゃぐままさんさんの後追いをしてみようかしら。
中高生の時は新聞小説をよく読んでいたのですが・・・。
初めて知ること、共感できたこと、嬉しいです!
中国の教科書では、チンギス・ハンは英雄扱いなのですね。
ソビエト時代は、歴史の発展段階上英雄は現れてはいけないことで、チンギスハンの資料は公開されていなかったとか。
ソ連崩壊により、資料が公開され堺屋氏は新しい資料に触れて、今回の作品ができたようです。
今度の小説や、(本当にざっとですが)中国の歴史を読んで、あの素晴らしい文明は漢民族だけのものではなかたと痛感しました。そこが読んでいてわくわくするところでしょうか。
司馬遼太郎氏がもっと長生きしていたら、新しい資料でチンギスのことを書いたのでは・・・とちょっと残念です
>モンゴル騎馬兵や、広大な草原の暮しのイメージがなかなかつかめずに・・・
そうなんですよね。私もちゃぐままさんと同じ動機で似たような軌跡をたどりました(笑) 最近では「堺屋太一が解くチンギス・ハンの世界」を読みました。日本の国会で温家宝首相が阿倍仲麻呂や鑑真和上のエピソードを披露した隋は、漢民族を隷属させた鮮卑の国家であるそうな。鮮卑は今のトルコ人ですね。温家宝氏や漢民族の先祖ではなく、鮮卑は温家宝の先祖を支配した人たち。温首相は隋の歴史を得意げに話していましたが。現在、中国人の92%が漢民族ということになっているそうですね。そして、中国の歴史教科書にはチンギス・ハンが自国の英雄として登場しているそうです(笑) 隋も唐も元も清も漢民族の祖先を虐げ、時に奴隷のように扱ってきた異民族国家だったんですね。20世紀まで続いた清の時代ですら、漢民族は女真の髪型である辮髪にしないと死刑になりました。このことは漢民族がつい最近まで事実上の奴隷状態だったことを証明するエピソードで、たぶん温首相の祖父も、死刑になりたくないために異民族の辮髪にしていたはずです。なんてことを想像すると眠れなくなっちゃう(笑)
ロシアの農民たちも、アジア系の遊牧民族からどれほど害を受けてきたことでしょう。モンゴルの大征服は世界史を別な段階へと大きく前進させましたね。世界は一変しました。関口知宏の「中国鉄道大紀行」は、再放送をBSで一気に見ました♪
100m?
わたしも、「ほお~~」という心の動きが、なじみのないチンギス・ハンの世界に導いてくれました。
若い頃は『蒼き狼』も途中で放棄。ごつごつした、荒々しい読みもはどうも・・・という感じでしたよ。ちょっとしたきっかけでした。
以前は忙しい時間を見つけてやっと読書…でしたが、今やっと自由にその時間を持てるようになりました。
人生のピークを過ぎたら、それはそれで心のゆとりができてきますよ。
ました。
知らないことばかりですが、こういう話を聞くのは楽しいです。
しかし、chaguままさん、これらの本を全部読んだのです
か~~??
凄いですね!!
読書家ですね!!!
本当にチンギス・ハンはスケールが大きいですね。
中々本は読む方じゃないので(読みかけがいっぱい
溜まってます)、すぐにはchaguままさんが記事で
ご紹介して下さった本の数々は読めないかもしれませんが、
いつか少しずつ読んでみたいです。
「かける数」は100分の1でも、「元の数」が大きいので、
答えの値も相当におおきいはずですよ~?!
その値は、きっと絵に行ってるのでしょうね。
チンギス・ハンに欠けているものを補充しているところがいいですね!
ただし残念ながらその100分の一です。
イスラムの世界や、中国、モンゴルがこんなに面白いとは思ってもみませんでした。
本といえば、トルコで見たコーランの美しい本。見たでしょ?
金、銀、カラフルなアラビア文字、デザインは、今でも世界最高の本だと思っています。
文字も一番美しい形をしていると思います。
世界史がキリスト教中心みたいになっていますが、イスラム文化の果たした役割は
消されているようですね。
すごいですね。
でも実際に行ってみたいのではなく、本やテレビを見てロマンに浸るだけで十分です。
「トイレは?」「おふろは?」と心配するようでは、とても旅行どころではないから。
朝青龍の件はだんだんこじれてきて、一つはマスメディアの功罪のような気もします。
サッカーの同じ場面を、どこの局も何度も何度も流して、世論を大きくし傷口を広げている感じです。
あんなに大勢の取材者が張り付いていれば、孤独感は募るばかりでしょうね。
一人の人間をつぶさないように心してほしいと思います。
kju96さん、こんばんは!
堺屋氏も ●多民族、多文化、多宗教の国家
●無敵無限の軍事力と大量報復戦略
●財政と貿易収支の大赤字とそれを乗り越えるペーパーマネー体制
をモンゴルとアメリカの相似点としていました。
私の書きたりなかったところや書きたかったことを、分かりやすくコメントしてくださって、ありがとうございます。詳しいですね~!
義経説、そんなことはありえないと思いながら、心のどこかに詩的ロマンを求めて私も楽しく空想してしまいます。
朝青龍、こういうときはやはり『家路』が響いてくるでしょうね・・・。大草原の中で聴けば、いい治療だと思いますが。
帰りたい、帰れない・・・の状況では、心の病は治らないでしょう。
義経が大陸に渡ればこんな風になるのか・・と(冗談です。)
「人間に差別なし、地上に境界なし」確かに、いろんな人種の登用をし、
大帝国にしました。しかし侵略戦争には変わりなく、
その戦術は・・・・特に情報集積力、伝達力には驚かされます。
戦時での情報力、今の北朝鮮とアメリカくらい違う野ではないでしょうか。
しかし、なんと言っても人となりの魅力でしょうか、
繊細な心配り、家族や友人を大切する人間の大きさに魅了させられます。
そして最大の功績は、世界共通の認識を統一したことではないでしょうか。
個人的には、長くマーケティングの仕事をしてきましたので、ハーンの戦術は
一番の教え、勉強させてもらいました。
現在も企業戦術や商品開発、人材活用など素晴らしい戦術だと思います。
モンゴルの国民性は日本と似ているので、青朝龍はモンゴルには帰れないのではないでしょうか。(規律や規則を大切にする国)
そしてモンゴルの滅亡は、フビライがあまりにも優秀すぎたから・・・・ではと思っております。