旅行中に足止めされるということは不安な反面、面白かったりするので一度経験すると、
「なにか起きないかな」
と期待していしまい、普通に旅が終了したりすると
「なんだ、つまんない旅だったな」
となることがある。
南米ペルーのマチュピチュで豪雨のために二千人にも及ぶ観光客が足止めを食っていて、帰って来れなくなっているのだという。
この中には50人ほどの日本人観光客も含まれているということで、あちらに滞在している人たちや家族はさぞかし心配していることだろう。
で、「足止め」の経験は私もいくつか持っている。
最初の足止めは高校一年生の時に大阪から兵庫県の網野というところに海水浴に行った帰り。
集中豪雨のために国鉄播但線が止まってしまい2時間ほど足止め。
夕方に大阪駅に着くはずが、かなり遅い時間になってしまったのを覚えている。
名も知らぬ駅に停車中、何もすることがないので、
「トランプでもするか」
とボロボロのカードを取り出し友人4人とポーカーを始めたのだが、これが盛り上がった。
高校生だからお金は掛けなかったが、確か食べ物を掛けて戦ったと思う。
いつ動き出すのかわからない列車の中で、後にも先にもこれほど面白かったポーカーは未だ経験したことはない。
多分、足止めの雰囲気に魅了されていたのだろう。
でも、経験した足止めの最大のものはミャンマーでの経験だ。
その時、私は鉄道でヤンゴンからマンダレーに向かっていたが、途中「タッコン」という街で12時間も足止めをくったことがある。
これも集中豪雨による足止めだったが、その原因を聞いたときは流石にびっくりしたものだった。
「この先の鉄橋が大雨で流されました」
日本語はもちろん英語も通じない田舎町。
食べ物も持ち合わせが無かったので完全にその土地のものを食べることになったし、外国人慣れしていない子どもたちは面白がって寄ってくるわで、非常に和やかな経験をしたのであった。
幸いなことに通訳兼ガイドさんがいたので事なきを得たものの、もし完全一人旅だったら、と今、考えると、不安を思い出すこともない。
しかし、「足止めをくった」からこそ体験できたことが少なくなかったので、その面白かったという経験の方が記憶の中で先にたつ。
ということで、マチュピチュで足止めされている観光客の皆様。
江戸時代、大雨で足止め食っていた大井川の川渡りでも想像して「足止め」の楽しさを満喫してください。
な~に、会社なんて気にしない。
それくらいでクビにされるようなら、その程度の会社と諦めることです。
なぜなら外国で「足止めくった」という土産話はお客さんへの強力な販促ツールになること、間違いなし!
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