<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
宇宙エンタメ前哨基地



往年のヒット曲、ウルフルズが歌った「明日がある」の歌詞、
「新しい上司はフランス人♪」
のところ。
ここは正確にはフランス人ではなくフランス国籍”も”持つ、どこの馬の骨かわからんやつ、というのが正確な歌詞だったようだ。

その新しい上司のモデル。
日産の元CEOカルロス・ゴーンは昨日の記者会見で己の意見を滔々と述べたのだが、その内容たるや日本でなら子供も言わない幼稚な発言に終始したのであった。
ほとんどが
「なぜ私が法律を破ってまで日本から脱出したのか。それは私は無罪なので罪人扱いしたからだ」
というもので、泥棒が「私は泥棒じゃない」と言っているのと同じことをいい年をこいたオッサンが一生懸命にしていたとうことになった。
まったくもってアホなのであった。
呼ばれて記者会見に行った真面目な欧米のメディアは呆れ返って会場をあとにしたという。
尤も本人は言い訳なんて思っていないのはありありだ。
その自信たっぷりな表情を良識のある人間から見てみると、
「法律を破ってきながら何支離滅裂言ってんだ」
という印象しか与えない。
とても自動車業界トップメーカーの経営に従事した御仁の発言とは思えない有様なのであった。

このゴーン。
今回の一連の法破りで痛烈に感じるのはその精神的モラリティの低さだ。
金を積んで保釈され、さらに金を積んで法を破って出国する。
金を持っていたら何でもできると勘違いしているのか、知的な要素も完全に吹き飛んでいた。
しかも報道が重ねられるごとに国籍とアイデンティティの関係も怪しくなってきている。
今回彼は出自の場所であるレバノンにフランスのパスポートで入国。
フランス人のように装っているようだが、言動を見る限り先進国フランスとは思えない。
フランスをよく知る人の話によるとフランスにはかつての植民地出身の人たちが大勢おり、その人達がフランスの伝統的なものとは違う別の価値観を持ち込んでいるのだという。
その価値観はあきらかにフランス人のそれではない。
生まれた国、両親や祖父母の国籍や文化、その社会的地位に依存する価値観で行動して度々顰蹙を買っている。
ゴーンはいわばフランス国籍を持っているだけの外国人なのだ。

そういえば日本にもそういう人たちがたくさんいる。
どういう手段かわからないけれども日本国籍を取得して日本人として生活している人々だ。
何が変かというと、こういう人々の中には日本国内では日本姓を名乗り、本国では漢字一文字の姓を名乗っている。
そのダブルスンダードを変とは思わず平気な顔をしている。
誠に持って異質なのである。

ことゴーンに至っても欧州人と呼ぶにも歌詞のようにフランス人と呼ぶにもアイデンティティという視点から行くと異質な民族というのが真実であったようだ。

ちなみにゴーン被告が持っているフランス旅券でフランスに入国すると逮捕される公算は少なくない。だから異国でフランス人の顔をしつつも、一歩もレバノンから外には出られないのだ。
なお、楽器のケースに入ったときだけは国外に出ることも可能かもしれない。


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1981年。
城山三郎原作で「男子の本懐」というドラマがNHKで放送された。
戦前に活躍した日銀総裁の井上準之助と内閣総理大臣の浜口雄幸の二人を主人公にした物語で井上準之助を近藤正臣、浜口雄幸を北大路欣也が演じていた。
私はこのドラマを再放送で見たのが、その面白いこと。
是非、今の政治家諸兄にご覧いただきたい内容なのだ。

とりわけ私にはこのドラマの前半の1シーンが印象に強くのこっている。
主人公の若き井上準之助と同じく若き浜口雄幸の二人が料亭で業者からの接待を受ける。
帰り際、その業者から桐箱に入った中国の高名な硯石と贈られる。
二人は顔を見合わせ拒絶するが、どうしてもといって業者は拒絶を聞き入れない。
で、仕方がないと判断した彼らは業者から硯石を受け取りニコニコ笑いながら、1,2の3でそれを縁石に叩きつけて割ってしまうのだ。

政治家は潔癖でなければならない。
それを象徴するシーンなのであった。

正直言ってこのドラマのハイライトである東京駅で浜口雄幸首相が右翼の暴漢にピストルで打たれ担架で運ばれる時に「男子の本懐である」と語るシーンよりも私には印象的なのであった。
実際に存在したシーンなのかどうかはわからないが賄賂を拒絶することがいかに勇気を必要として、いかに難しいことであるのか。
同時に政治家はそのようなものに手を染めてはいけないことをこのドラマは語っていたように記憶している。

で、IRで中国企業から賄賂をもらって開き直っている議員の方々。
1981年では両者ともドラマを見ていなかったのか小説も読んだことがなかったのか。
賄賂を拒絶する知恵ぐらいあっても良いものを。
ま、もしかすると賄賂と寄付の区別がつかない知恵なのかもしれませんが。



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トイ・ストーリー4を製作することになったという話を聞いたとき、
「3がいい感じで終わっているのになんでなん、それ」
と思ったものだ。
その後、トイ・ストーリーの生みの親にしてピクサーアニメーションの代表者ジョン・ラセターがセクハラでピクサーを退社。
「なんじゃなんじゃ」
と心配した結果誕生したのがトイ・ストーリー4なのであった。

結論から言って、トイ・ストーリーはスターウォーズ同様ディズニーになってしまったと言えるかも知れない。
ストーリー展開は悪くないけど、どこかしっくりしないモヤモヤ感が漂っている。
あまりに容易にウッディーが仲間たちと離れてしまうところもそうだし、バスフライヤー、カウガールやポテトヘッド、恐竜などのキャラクターがほとんど生かされず、ただただストーリー展開で客を楽しませようとするその感覚が、
「なんだかな〜」
という納得しきれない物足りなさになって心の中に残ってしまったのだ。
例えばトイ・ストーリー2の「カウガールの回想シーン」のような観客に涙をホロッとさせるような部分が見当たらなかったのだ。

トイ・ストーリー4の大方の評価は良好で星を5つつけている人も少なくない。
結末を見て泣いてしまったという大人もいるという。
確かにウッディが仲間と別れてしまうということは悲しいことであり、彼の新たな生き方を考えるとハッピーエンドなのかも知れない。
でも例えばこれまでトイ・ストーリーで描いてきたおもちゃ同士の友情や、子供との愛情といったものを若干否定してしまっているようでもある。
同時にそれはこのシリーズにとっては何やらこれまでやってきたことすべてを否定しているようにも写ってしまうのはなぜだろう。

骨子はどうでもシリーズ継続で定期的に売上をという空気が漂っていなくもない。
エンディングを見ると「トイ・ストーリー5」に続く、という臭いを感じているのは、私だけなのだろうか。


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1978年6月24日。
場所はシネラマ梅田OS劇場。
ここの前から7列目のほぼ中央の席で私は中学時代の友達数人と一緒に「スターウォーズ」を初めて鑑賞した。
8列め以降を選ばなかったのはそこはS席で値段が高くて高校生には買うことができなかったからだ。
OS劇場は当時は珍しい全席指定の劇場で、スクリーンサイズも今でいうところのIMAXシアター。
巨大なスクリーンは東京のテアトル東京とこの梅田OS劇場の2つしなかった。

このOS劇場で初めて見た映画はこの年のお正月に公開されたスピルバーグ監督「未知との遭遇」だった。
巨大なスクリーンに映し出される巨大なUFOの母船に圧倒され、スターウォーズを見るのならこの映画館でないといけないと決めていたのだった。
そして、その期待は裏切られることがなくスター・ウォーズの冒頭のシーン。
レイア姫を乗せた共和国の宇宙船を追いかけるスター・デストロイヤーの画面の上を通過するその迫力のすごいこと。
以後、そのワクワク感、ドキドキ感は今も忘れることができない。

この独特の雰囲気は以降製作された他の作品では再び感じることはなかった。
しかし結局40年間に製作された9つの作品の全部とスピンオフの2作品を律儀にもちゃんと鑑賞したのは、やはりあのワクワク感とドキドキ感を感じたいという思いそれだけだったのかもしれない。

スターウォーズは作品を重ねるごとに特撮技術はぐんぐんあがったが、それと反比例するようにストーリーはずんずん面白くなくなってしまった。
とりわけディズニーに買い取られた後の作品はともすれば見るに耐えないものだったことは否定できない。
なんでこんなになっちゃったの?とスクリーンを見ながら冷ややかになってしまったことも事実なのだ。
スターウォーズのキャラクターはミッキーやドナルドとは違うのに。
このため次第に劇場に行く回数も少なくなり、ついには前作を見たのは最終上映週。
たまたま時間をとることができたので駆け込みで劇場に足を運んで見た、というのが実情なのであった。

最後の作品と言われる「スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け」はもはや同窓会みたいな作品になっていた。
しかも見どころは水戸黄門の印籠を見せるシーンに酷似していたのだ。
ここで〇〇が出てくるかな、と思っていたらきっちりと出てきたのだ。
ハン・ソロは出てくるレイア姫婆は出てくる、Xウィング戦闘機のレッドファイブは出てくる。
お約束なのであった。
かといってオビワンやヨーダが出てくることもなく中途半端な感じはしないものではなかったが、もはや新作というよりも従来作品の振り返りという要素が強かったような気がして見ているものからすると懐かしいの一言に尽きる内容だった。

その「懐かしい」の集大成が惑星タートウィンで地平線に沈みゆく2つの太陽をレイが見つめるシーン。
私は最初に見たスターウォーズでルークが2つの太陽を見つめるシーンで流れる重厚なオーケストラレーションによるルークのテーマと、そのアナログだが完成された特撮に魅了された。
このオーケストラのストリングスによるサウンドをなぜ家では再現できないのか。
映画館の立体音響にも気付かされた一瞬なのであった。
そのシーンを彷彿とさせるタートウィンの廃墟になったルークの家のシーンはそれを思い起こさせしばし見とれてしまったのであった。

「スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け」は正しくは「スターウォーズ スカイウォーカーの日没」が正しいんじゃないだろうか。




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「出自が疑われる。やっぱり卑しい人だってってね」

と言ったのは年末に日本を不法出国してレバノンに渡ったというニュースを見て言った知人の言葉。
確かに億万長者かもしれないがやっていることや言っていること、どれをとっても正々堂々とは程遠くその人間性が疑われるのも仕方がない。
差別的発言と受け取る人もいるかもしれないが、日産の元CEOカルロス・ゴーンはやはり主銭奴で下品な男だった。

この保釈中で逃亡の恐れのあった男の海外逃亡をみすみす許した裁判所にせよ検察にせよ入管にしろなんとも面目のないことだろうか。
逃げおおせたレバノンとは犯罪者の引き渡し条約もないという。
この落とし前をどうつけるのか。
フランスの政府関係者はゴーンに激怒しているという。
そらそうだろう。
ゴーンが日本の法律を破って映画まがいの脱出劇を演じたこと以上に、日本の機嫌を損じて日産の技術をますます手に入れるのが困難になることを恐れているから怒るのも当然だ。

まあ、何を言っても手遅れなので仕方がない。
今の日本の一般大衆の望みはなんとかしてあの野郎を連れ戻す方法はないだろうか、ということだ。
日本の司法ばかりか日本そのものをバカにされた怒りは収まることはない。
戦前なら力技で取り戻したはずだが、今はそんなことはできっこない。

と思っていたところ、ふと思いついたのが、
「もしも右派系任侠の方々がゴーンの行動と言動に怒り猛って、極秘裏に彼を現地で拘束。そして貨物船かにかに連れ込んで日本へ戻して来たらどうなんだろう?」
ということだった。
確かに法律無視で出ていった輩を法律無視して連れ戻せるのは任侠の方々だけかもわからない。
あっちが映画手法ならこっちも映画手法。

実際にはそんなことは起こりっこないが、もし起こったらどうなるのか。

可能性として考えてみたらそれはそれでありかもしれないと思ったゴーン逃亡事件なのであった。


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令和2年を迎えた。
今年は喪中ということでもありいつもと違う正月を過ごしているのだが、街もいつもと違うようで何やら懐かしい雰囲気が漂っていることに気がついた。
それは何かと言うと、多くの店が休業しているということ。

高校生の時のある正月。
友達と一緒に「京都へ初詣に行こう!」と出かけて平安神宮にお参りしたのはよかったのだが、いざ昼ごはんを食べようと店を探したところ営業していたのがマクドナルドしかなく、
「え〜、お正月からマクドかい」
と大いに失望して帰ってきたことを覚えている。
当時は正月はどこの店も休業していたのだ。

それからバブル景気がやってきてバブル崩壊。
そして長い不況期がつづくと小売店や飲食店の多くは売上を確保するためかどうかわからないが正月は元日から営業することが普通になった。
そのおかげで便利にはなったものの正月雰囲気がぶち壊しになってしまった。
どこへ出向いても正月飾りがなされているものの平日と変わらない普通の営業ばかりになったからだからであった。

そこへ働き方改革が登場。
今年はその影響が大きく出て大手飲食店チェーンの多くと、百貨店やショッピングモールなど大手小売チェーンを中心に元日は休業となっている。
驚くことにコンビニまで休んでいるところが出ているのが新鮮でもある。

この元日休業の影響は街の雰囲気を大きく過去に戻しているように感じるのだ。
街の人通りの多いところは神社の周辺。
繁華街でも人出は例年ほど見られない。
しかも夜になると人通りもすくなくなり、静かなお正月になっている。
たぶん、初詣へ行っても飲食店が開いていないので多くの人はそのまま自宅や実家へ直帰。
家族で過ごす本来のお正月に戻っているのかもしれない、そんな雰囲気だ。

休業の元日。

らしさを取り戻した令和時代最初のお正月はいい雰囲気だ。


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