「フォームが悪いとケガをする」という一例

2016年10月14日 | スポーツ障害

下の動画は5日前の練習の一コマです。

夏前の故障の影響で長々とリハビリを積んできた結果、ようやく自己ベストを更新できた瞬間です。

しかし、この日を境に私の腰は抜けそうに痛い…

原因は、崩れたフォームで無理やり挙げたから!!!(゚Д゚)ノジゴウジトクダネ!

ま、非常に強い筋肉痛(腰仙部の筋膜炎でした)といった類ですので深刻なケガではありません。

でもね…

翌日はほんとに仕事休んでしまおうかと思うくらい痛かった(;´∀`)

当然、自分で治療しましたよ…

で、何とか持ち直しましたが、お仕事ができるレベルに回復してしまうのが逆に恨めしくも思える日々をここ数日送っておりました。

今日はと申しますとですね、痛いながらも練習いけそうでウキウキです!!(゚∀゚)ヤタ~!!

おっと、本題に移らなきゃ(汗)

なんで動画を貼ったのかと申しますと、

中学生にこそウエイトトレーニングが必要です!~障害予防&回復のためにスクワットをしよう~

続・中学生にこそウエイトトレーニングが必要です!~障害予防&回復のためにスクワットをしよう~

でお話ししてきた故障の原因、「フォームの狂い」から傷めた決定的瞬間が映っているからなんです。

問題の瞬間はしゃがんでバーベルをキャッチして立ちあがる時です。

腰を丸めて「う~~~ん!!!」って粘っている瞬間がありますが、

これで腰仙部の筋膜炎をしょい込んでしまったんですね。(^^;

フォームがいかに大切かを逆説的にではありますが知っていただける機会になるかと思います。

みっともない姿が映っていますが、もしよかったら見てみてください!

では、トレーニングに行ってきます!!!


錦織選手、左の脇腹っていうけれど…

2016年07月05日 | スポーツ障害

錦織選手のマリン・チリッチとの試合、残念でしたね…

でも、リタイアするのはもう少し早くてよかった気がします。

ケガで棄権っていうのはそうとう悔しかったんでしょうね。

 

しかし、錦織選手はケガが続いていますね。

左わき腹の痛みが…とか言っていましたが、

左脇はおそらく二次的な故障だと思います。

左脇だけ見ていては治らないでしょう。

いったん落ち着いてもすぐにぶり返してしまう可能性は高いでしょうね。(´・ω・`)

錦織選手の場合、しっかり診なくてはいけないのは右の股関節です。

なぜそう思ったか、

思い出せる範囲で書いてみます。

映像から、彼の右の股関節は内転と屈曲方向の易可動性(そちらへと動きやすくなっているということ)が顕著です。

右足首にも固定が施しているあたり、足首の内反動揺も気になるレベルなのでしょうね。

股関節の伸展制限の出どころは足首かもしれません。

足首が反らないと膝をそらして腰が引けた姿勢になるんです。

そうした姿勢では四頭筋の過緊張も出やすい。

四頭筋の中でも大腿直筋は骨盤に足を延ばすので、固くなると股関節を後ろに伸ばしづらくなるんです。

見た感じでも、足首の伸展制限からは大腿直筋への緊張亢進が起こっていそうです。

でも、踏み込んだ際にさほど膝折れ(膝がカクッと抜けること)がみられないところを見ると直筋の問題はまだよさそう。

気を付けてほしいのは右の足趾屈筋から内転筋の緊張亢進です。

これらは股関節の外転運動を邪魔してしまうし、それらの緊張が左の腹斜筋へとつながります。

映像からも左の季肋部へ向けてオーバーフローしているように見えます。

こうなるとカウンターバランスとして左の起立筋群、とりわけ回旋作用の強い腸肋筋への負荷が強まります。

腸肋筋の胸腰移行部レベルのトリガーポイントは脇腹にも痛みが広がります。

そういえば、昨年は腰を痛めていましたね。

その当時の腰痛が左だったら要注意です。

なんでか?

定着してしまった体癖(体の癖・歪み)のために、同じメカニズムで故障を繰り返している可能性を考えるからです。

おっと、脱線。

戻って左脇の痛み。

脇腹の痛みの直接的な原因は「腹斜筋」「腸肋筋」を疑っていますが、

これらはおそらく二次的な故障でしょう。

「腹斜筋」「腸肋筋」の故障が問題の本質ではないということです。

「痛み」ではなく「痛みの出る道筋」を見出す、ここが繰り返し生じてしまう故障への対処の勘所です。

なんで「腹斜筋」「腸肋筋」の故障が問題の本質ではないといえるのでしょうか?

それは、以下の条件が見て取れたからなんです。

映像を見る限り左半身の胸腹部いおける回旋運動の範囲は保たれているようです。

ま、痛みでか動きが遅れたり急に伸ばせなかったりはしていましたが、

フルレンジで左半身は回旋に沿って動いていました。

つまり、左の腹斜筋と腸肋筋(起立筋の一部)の長さは保たれてるということです。

しかし、腹斜筋と連結を持っている内転筋たちは右股関節の動き妨げています。

こういった場合、痛めた部位(左脇)は右股関節の動けない分を代償して大きく動いていることで傷ついたと考えます。

であるならば、股関節の機能を正常化しなければ(この場合は足趾屈筋と足関節含め右下肢と考えますが)痛めた部位は無茶な代償動作から解放されません。

すなわち、右股関節への介入なくして左脇腹の故障は治せないということになります。

もちろん安静にすれば炎症も時期に落ち着き痛みは癒えるでしょうが、

右股関節から左半身と取り巻く筋膜群と関節が正常な連動性を取り戻せなければ、

つまり同じ条件で動きつづければじきに同じ故障をしてしまうでしょう。

…。

って、そんなこと言っても何も手が出せないんですよね(*_*;

もどかしいです。

ともかく、

錦織選手が次回までに万全なコンディションを取り戻してくれることを祈りたいと思います。


比叡山マラソン完走のAさんの治療から:足の裏の痛みのご相談

2016年06月02日 | スポーツ障害

2016年5月30日に行われた「比叡山マラソン」

制限時間11時間

距離50㎞

累積標高3700m

そして、昨年の完走率はなんと46%

招待選手の2/3がリタイアしたという過酷なレース…

このタフなレースにに挑むのは

レースの10日前に足底の痛みのためにご来院されたAさん(60代男性)。

Aさんの足の痛みは踵の内側。

その場で軽いジャンプ動作をすると痛みます。

痛みの出所は母指外転筋。

Aさんの足は偏平足気味で「足底筋膜炎」などの足部の故障を起こしやすい足でした。

故障した筋肉から見ても、潰れた足のアーチをサポートするために過労に陥ったのだと思われます。

幸い、母指外転筋自体の炎症は治まっていたので

患部の痙攣をポジショナルリリースで抑え、

線維化した組織を筋膜リリースで解除したところ、

無事ジャンプ動作での痛みは消えてくれました。

あとはテーピングの仕方とセルフケアを伝え、その日の治療は終了です。

 

そして昨日、

Aさん、メンテナンスがてら結果報告にご来院。

前回の状況から考えれば途中で棄権してもおかしくはない状況でしたが、

結果はなんと…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

制限時間まで1時間強を残して無事完走!

Aさん、おめでとうございました!!!!!

ちなみに、レース中はもとよりレース後も件の痛みはでなかったそうです。

めでたしめでたし!

↑お土産に八つ橋を頂戴しました!

Aさん、ごちそうさまでした

 

○マッサージ・鍼灸・整体治療の専門院|とよたま手技治療院|東京・練馬区
http://toyotama.net 


膝の外側が痛い!腸脛靭帯炎(ランナーズニー)・外側広筋由来の大腿外側痛のセルフケア動画3/3

2016年02月23日 | スポーツ障害

セルフケア動画二本目です。

外側広筋、ここも固くなりやすくなかなかストレッチで伸びにくい筋肉です。

これに対しても、テニスボールは実にいい仕事をしてくれるんです!

故障からの回復にも、故障を予防し安定したトレーニングを継続するためにも、ぜひお役立てください!


膝の外側が痛い!腸脛靭帯炎(ランナーズニー)・外側広筋由来の大腿外側痛のセルフケア動画2/3

2016年02月23日 | スポーツ障害

セルフケアの解説一本目です。

この方法は腸脛靭帯炎の他に坐骨神経痛に似た小殿筋のトリガーポイントに由来する下肢痛(坐骨神経痛の方にも役立つものですが…)のケアにもなります。

なんにせよ、股関節の外転筋は日常生活の中で健気に頑張り疲労をためやすいところです。

腰や膝に故障を持つ方(腰椎症や変形性膝関節症なども含め)のケアにもお役立ていただけます!


修正版:ジャンパー膝のセルフケア動画(膝蓋骨周辺の痛み)

2015年10月13日 | スポーツ障害

先日あげた「ランニング障害:ジャンパー膝のセルフケア(英訳版)」ですが、

誤植があったとの指摘があり、修正させていただきました(^^;)

修正版がこちらです。

どうぞご覧くださいm(__)m


ジャンパー膝のセルフケア動画に英訳を付けてみました。

2015年10月04日 | スポーツ障害

セルフケアやセミナー風景といった動画をYOUTUBEに上げ続け

アップした動画は255本。

気が付けば登録者数1300人超え。

ほんと、有りがたいことです。

 

あまりコメントを受けたりはしないのですが、

時折入るコメントはなぜか英語。

その彼(彼女!?)は

「何言ってんのか興味あるんだけど、日本語わかんないよ。英訳してくれ!」

という。

さらに、履歴を見ると海外からのアクセスも少なくない。

しからば!といった流れで、英訳してみることになりました。

 

しかし、自慢じゃないが英語は苦手!

震災前に通っていた英会話学校の講師には

「超ブロークンだね!( ̄∇ ̄;)ハッハッハ」

と笑われ、しゃべれないのに物怖じせずにしゃべくり倒す度胸だけを認められるというお粗末さ。

そんなんですからね、自力では翻訳なんて無理!(*'▽')

ってことで、

お世話になっているトレーニングの師匠、キース君に頼みこみ、

一本だけランナーズ・ニーのセルフケア動画を翻訳することができました。

キース君!いや、キース様!

忙しい最中にも関わらず、丁寧な仕事をしてくれてありがとう!

 

そんなこんなで、できた動画です。

どうぞご覧くださいm(__)m


オスグット病の痛みが長引くのは…

2015年09月18日 | スポーツ障害

今日はオスグット病という膝の故障について。

図版引用:図解 四肢と脊柱のみかた 医歯薬出版株式会社

 

オスグット(シュラッター)病というのは、

成長期(小学校高学年から中学生辺り)のスポーツをやりこんでる

子供たちにみられる膝の故障です。

四頭筋という腿の筋肉がお皿を通じて膝蓋腱という腱になって脛の骨(以下脛骨)に付いていますが、

オスグットではこの膝蓋腱が脛骨から剥がれるように傷つくことで痛みが生じます。

ひどくなるとお皿の下の脛骨粗面が盛り上がって瘤を作るんです。

これ、大人になっても残るんですよ。

なので、患者さんの膝を見てこの瘤を見つけるとつい

「子供のころ、ガンガン運動してたんですね~( ̄ー ̄)」

なんて言ってしまう。

 

この故障は、四頭筋の過用とそれによって疲労した四頭筋が固くなることも相まって

膝蓋腱と脛骨の境目に無理がかかり続けて傷つき起こります。

治療としてはまず安静 → 腫れが引いたら(炎症が落ち着いたら)セルフケアとして四頭筋のストレッチが推奨されるのが一般的です。

でも、なかなか治らないケースやすぐに再発してしまうケースも多い。

そうした相談を診ていて感じるのは、

腱の部分の傷跡を見過ごされているなというところです。

痛みを訴える個所(=脛骨粗面)に熱感や腫脹、発赤が見られない、

平たく言えば、赤く腫れあがっているというような炎症性の問題がないのに痛むような場合は

患部をよく触察すると、骨ぎわに圧痛を持ったざらついた傷跡を見つけます。

瘢痕治癒した組織に「自由神経終末」という痛みを感じ取るセンサーが巻き込まれて敏感になっているのでしょう。

こういった腱にできた故障は、四頭筋の力を発揮する際に反射的に力が抜ける「膝折れ」という症状にもつながりやすく、

・ここぞ!という時のパフォーマンスの低下

・フォームの崩れから故障へのループに落ちてゆく

などの原因となりやすいので注意が必要です。

 

「膝折れ」といえば、変形性膝関節症を持つ高齢者に多い症状ですね。

この場合は膝のお皿の上縁、四頭筋腱という場所の瘢痕をターゲットにするといいんです。

 

…(-"-)

また話が逸れましたね。

変形性膝関節症の「膝折れ」についてはまた後日書きたいと思います。(^^;)

 

少なくとも(共通して)言えるのは、

こうした腱骨移行部にできた傷跡はリハビリとしての筋力トレーニング自体を邪魔するということです。

痛めた間に萎えた四頭筋を鍛えようとすると、腱骨移行部の瘢痕組織から痛みや反射による抑制(=勝手に力が抜ける)

がかかってしまうんです。

過去に膝の故障の既往を持つ短距離走の選手のトレーニングをサポートしているときに、

この部分の故障を外しただけでスタートが速くなったケースもありました。

痛みや力の入り辛さといった自覚はなかったのですが、どうも動きがおかしいとみてみたら『これだ!』となったんです。

痛みはなくとも彼のスタートにとって潜在的なマイナス因子だったんですね。

他にも、

足首に砂袋着けて、一生懸命にレッグエクステンションや脚挙げ体操を繰り返しても、

かえって痛みや膝折れが出やすくなってしまうケース。

そうしたケースは在宅介護の現場などで多く見られました。

以前は訪問リハビリマッサージをメインにやっていた時期があるんです。

 

さて、こうしたケースにはどう対処すればいいのでしょうか?

それはもちろん、大本の問題を解決することでしょう。

 

悪さをしているざらついた瘢痕組織(傷跡)はだまになったコラーゲンの線維です。

コラーゲンの線維がセンサーを巻き込んでランダムにへばりついているわけです。

すると、まきこまれたセンサーは膝を動かす度に刺激を受けるでしょう。

こうして度重なる刺激に、センサーは過敏になってゆくのだと推察されます。

そのセンサーが痛みを拾うものならば痛みを感じ、

張力に反応するものならば反射的に力が抜けてしまう。

ならば、センサーの周辺にスペースを作ってあげればいい!!\(◎o◎)/

 

具体的には、ざらざら(というかジャリジャリ!?)した圧痛点を、許容範囲の強さでこそげとるように揉むんです。

これをフリクションマッサージまたはディープトランスバーサスマッサージ(DTM:深部横断マッサージ)といいます。

このマッサージはセルフケアにしろ治療にしろ、一点当たり90秒ぐらい行います。

上手くできていれば痛みは1/2~1/3になります。

手順としては、

初めにフルスクワットやジャンプ動作で痛みや動き辛さを確認してから行いましょう。

手入れの前の状態を知っておけば、手入れが効いているのか確認できるでしょう!?

揉んだ後にもう一度上記の動作をチェックして痛みが軽くなっていたり

動きが広くスムーズになっているようならば効果あり!(^^♪

逆に、エクササイズ中に痛みが強くなってゆくようでしたらいったん中止です。(;´Д`)

この場合、まだ傷が落ち着ききっていないと考えましょう。

そういう時は2~3日(長ければ6日)安静にしてからもう一度トライです。

患部の組織が落ち着いていれば、同じ手順で痛みの軽減が確認できるでしょう。

大切なのは時期の見極めなんです。

どんなにいい方法も間違った時期に行っては本来の効果を発揮できないどころか、

時には逆効果になることもあるのでご注意ください。

しっかりと前後比較を繰り返して、

患部の声を聴きながら行ってください。

 

以上、オスグットの治療のお話でした!


サロマ湖100㎞ウルトラマラソン

2015年07月03日 | スポーツ障害

Aさんに初めてお会いしたのはもう数年前。

健康のために走り始め、楽しくなってきてクラブに参加したまではよかったのですが、

月間走行距離を一気に80㎞増やしたのが仇となり、膝を痛めてしまったとご来院。

当時、痛くて5キロも走れなかったAさん。

そこからコツコツとリハビリし、練習を積んで、今ではフルマラソンも3H18分。

トレイルランやウルトラマラソンにも繁く参加されるまでになられました。

先日行われたサロマ湖100㎞ウルトラマラソンでは自己新達成(Aさんは今年還暦です。)!

なんと昨年よりも40分タイムを縮め、念願の10時間切りを達成することができたとのこと!!

本当におめでとうございます!!(*´Д`)

これも一重に私のサポートAさんの努力の賜物です!

素晴らしい!

私にとってさらに嬉しかったのが、今日のAさんのお身体の状態でした。

ほんの5日前、

100kmを限界まで追い込んで走ってきたというのに、

今日のお身体の状態が非常に良い!!

お伝えしたエクササイズをしっかりやっていたのがよくわかる、いい状態でした。

月末にも今度は120㎞のレースが控えているそうですが、

何の心配もなく送り出せる状況に、とっても嬉しい気持ちになりました。

 

Aさん、次回の120㎞も愉しんできてくださいね!


テニス肘(上腕骨外側上顆炎)のセルフケア動画アップしました

2014年06月01日 | スポーツ障害

休み時間にせっせと動画編集。

我ながら「ようやるな」と若干あきれてしまいますが…(^_^;)

テニス肘の患者さんがこのところ多いので、エクササイズを動画でまとめました。

 

途中紹介している「肘関節の運動を正常化するエクササイズ」の実施に痛みが伴われるケースでは、

患部がまだ急性期にある可能性が考えられます。

そうした場合は3~6日間の安静の後、リトライされることをお勧めします。

患部の状態が落ち着き、セルフケアに適した慢性期に無事移行していれば、

「肘関節の運動を正常化するエクササイズ」の実施に痛みは伴いません。
時には待つことも立派な治療なのですね。

この動画が多くの皆さんの御役に立てることを祈っています。


フォアフット走法と腸腰筋由来の股関節(鼠径部)痛 =その3=

2014年04月01日 | スポーツ障害

<前回までのあらすじ>

鼠径部痛のランナーの相談に、フォアフット走法を取り入れた方が多い。

それは、フォアフット走法のキモの部分が、下肢(とりわけ下腿)の靭帯や腱の弾性=バネを上手に活用するという点に関連がありそうだ。

それらの構造物が一般的な日本人といわゆる外人さんとの間で差がある(ようだ)。

そうした構造物が弱い場合、この走法は怪我に繋がってしまうこともありうるだろう。

と、そんなことをお話しました。

しかし、そのことが股関節の故障、とりわけ腸腰筋の遠位部(腱部)に故障をもたらすのはなんだか不思議な感じですよね。

今回はそこのところのお話をします。 

 

足首の軟らかな方がフォアフットで走るということは、足首が硬い人のまねをすることになります。

すると、本当ならばまだまだ動けるところを筋肉で固定することになるわけで、

筋への負担が増してゆきます。

すると、ふくらはぎの過労から、次第に緊張が強くなってゆきます。

すると、足首は反りにくくなる。

足首が反らないということは、膝から下のテコの長さが長くなるということで、

四頭筋にかかる負担が増すということになります。

すると今度は四頭筋の緊張が高くなり、膝も曲がりにくくなります。

すると、脚全体を伸ばしたまま振り出すようになります。

 

これの何が悪いのか?

と思われる方のために、ちょっと補足説明をします。 

脚を長いまま使ってしまうと走力を削ぐデメリットがあるんです。

脚を折りたてめないと振り出す際のクリアランスが悪くなります。

クリアランスというのは何か?というと、

片脚で地面を捉え、もう片方の脚が支持脚を追い越そうとするときの脚先と地面の距離のことです。

脚が伸びたままだと地面を蹴ってしまうことになりますから、それは避けたいわけです。

なので、地面をけらないためには膝を曲げたいけど固くて曲げ切らない。

そこで、代わりの方法でクリアランスの問題をクリアしようとします(地面と脚先の距離を取ろうとする)。

ありがちなのは片側の腰を引き上げて(骨盤の側屈)距離を作るようになるケース。

骨盤の回転中心が腰部(だいたいL2・3あたり)に引き上げられてしまう。

歩行ではこれがスタンダードとされますが、個人的には「回転中心は骨盤に持ってゆきたい派」です。

片側の腰を引き上げる動きでは腰椎部を丸めて(屈曲位)の回旋運動が生じるようになります。

この運動は椎間板の繊維輪のダメージが生じやすい運動なのです。

つまり、椎間板由来の腰痛を発症してしまうリスクが危惧されます。

他にも、高く跳ねることで地面との距離を稼ぐケースもありがちです。

これは発揮する力がジャンプする方向へとつかわれ、推進力に還元し辛いため、エネルギー効率が悪くなります。

つまり、疲れる割にタイムが縮まない…

諸々を考えても、脚は素直に折りたたんで振り出した方が経済的なんです。

では、話を戻して…

 

この時、股関節には膝を折って引き上げる時と比べてより長いテコがかかります。

つまり、腿を振り出すために腸腰筋にはより強い負担が掛るようになってしまうわけです。

こうして、ふくらはぎの過労から端を発して、めぐりめぐって大きな負荷が鼠径部を襲うようになり、

それが身体の回復の速度を追い抜くと怪我(腸腰筋腱や筋腱移行部の炎症やトリガーポイント形成)になる。

と、私はそんな風に考えています。

 

む、長くなったな…(-_-;)

では、今回はこの辺で。

次回は対処法について書こうと思います。


ランニング障害を抱えるみなさまへ「腸腰筋由来の鼠径部痛」セルフエクササイズ近日公開!

2014年03月03日 | スポーツ障害

=ランニング障害を抱えるみなさまへ=

ほんと、ながながお待たせしてしまってすみません(汗)

今日、件のエクササイズを動画に収めました。

アップまでにはもう少々お時間を頂いてしまうと思いますが、

近日公開…

の予定です!(^_^;)

いましばし…


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