フォアフット走法と腸腰筋由来の股関節(鼠径部)痛 =その2=

2014年02月18日 | スポーツ障害

【前回のまとめ】

前回は、フォアフット走法を取り入れる方に鼠径部の痛みを訴える方が多い。

フォアフット走法のキモの部分が、下肢(とりわけ下腿)の靭帯や腱の弾性=バネを上手に活用するという点にあり、

それらの構造物が一般的な日本人と外人さんとの間で差があること、そしてそうした構造物が弱い場合、

この走法は怪我に繋がってしまうこともあるだろう。

そのことが股関節の故障、とりわけ腸腰筋の遠位部(腱部)に故障をもたらすのはなぜだろうか?

 

と、書きました。

さて続き…

の前に、外人さんの足首の話をもう少し。

 

私たちの身体は皆同じ部品で組まれていますが、個々人でそれら部品の強さに違いがあったりします。

靭帯や腱といったコラーゲンでできた組織の発達の良い人もいます。

そうした方は関節の可動性が狭いというデメリットを持ちます。

一方で、捻挫を負ってもその回復がとてもいいというメリットも持っています。

その逆に、それらが弱い人がいます。

そうした特徴の持ち主は、関節の可動性がとても広いという特徴を持っています。

しかし、一方で関節が不安定になりやすく、捻挫をした場合、大きな怪我に繋がりやすく治りも悪いというデメリットを持ちます。

 

個人的な意見ではありますが、外人さん達(白人や黒人)は靭帯や腱の発達がよいのか、

いままでお会いした白人さんや黒人さんは皆、手首・肘・足首・膝がとても固かった。

でも、股関節の可動性は狭いと感じたことが少ないですね…

これはやっぱり大陸を移動してきたからでしょうか!?

ま、解らないことは解らない。

でも、黒人さんの股関節の伸展角度は日本人よりも大きい方が多いそうです。

それはそれとして。

 

何でそんなこと(外人さんは関節が頑丈)が判るって、実は若いころ合気道を習っていたんです。

合気道って手首や肘への関節技が多いんです。

外人さんと稽古すると彼らの関節の硬いこと硬いこと…

ちっとも技が効かない(-_-;)

それぐらい皆さん頑丈。

でも、柔軟性はというといま一つの方が多かった。

特に膝や足首の柔軟性は低い方が多かった。

いわゆるUNKO座りは皆さん苦手。

しゃがんでもらうと面白いように転げます。

あ、それに正座も苦手ですね。

正座と言えば…

 

昔、合気道を習っていたころ、国際専修生クラスという指導者養成コースに(日本人ながら…)いたことがあるんです。

その時、『先ずは正座から』という訳で、1.5時間、正座するだけという稽古があったんです。

これが外人さん達には地獄の1.5Hなんですね。

悲鳴をあげる者、さめざめと泣き続ける者、何かが降りてきたかの如くがくがく揺れ続ける者、

まるで地獄絵図でしたね(*^_^*)

僕の目の前に座っていたイタリア人のトニー(ブルースブラザーズの丸い方にそっくりでした)なんか

『白目向いてきたなぁ~』

って想った次の瞬間、

べろがのど仏に届きそうなほど、とんでもない長さで飛び出してきたりして…

びっくり人間コンテストだったらぶっちぎりで優勝でしょうね。

いま何してるのかな~、トニー。

いやぁ~、なつかしいなぁ

 

 

って、話が(かなり)それてしまいましたね

 

むむ(-"-)

しかも、だいぶ長くもなってきた。

では、続きはまた後日!

<つづく>

後日追記:セルフケアの動画をUpしました!
【ランニング障害のセルフケア=腸腰筋由来の鼠径部痛への対処=】


フォアフット走法と腸腰筋由来の股関節(鼠径部)痛 ~ランニング障害~

2014年02月16日 | スポーツ障害

ランナーの相談の多いこの季節、腸脛靭帯炎や四頭筋腱炎、アキレス腱炎や足底筋膜炎など

様々な相談をお寄せいただいておりますが、

このところ腸腰筋の故障による鼠径部痛の相談が続いているので、

ちょっとブログにしたためてみようかと。

※そう思ったのが2013年11月下旬…現在2014年2月15日…  ずいぶん遅くなってしまったなぁ…

図版引用:トラベル&サイモン トリガーポイントフリップチャート

上の図は腸腰筋の故障の箇所とそれによる痛みのエリアを書いたものです。

腸腰筋と言う筋肉は腿を前方に引き上げる働きを持つ筋肉ですが、

走る際には脚を振り出す時だけでなく、

脚を大きく後ろへ蹴り出した時にもブレーキとしても活躍しています。

 

治療をしていて『面白いな~』と思うのは、

最近流行りのフォアフット走法を取り入れた方に、この腸腰筋の故障が多いということです。

 

痛くて相談にきているのに面白いって言うのも不謹慎かもしれませんね(ーー;)

専門家として興味深い、ということなので、どうかご容赦くださいm(__)m

 

フォアフット走法では、踵からではなくつま先(というか足指の付け根)から地面に着地します。

なんとなくつま先以外は着けちゃいけないような誤解もありますが、

一度は足裏が地面に接地しますのでご注意ください。

 

この走法は土踏まずやアキレス腱をはじめ足首周りの腱、筋肉を包む筋膜をバネのように使うことで、

効率の良い(走るという仕事に対する消費エネルギーの少ないという意味)走りができる方法として

非常に注目を集めている走法です。

世界的に早い長距離ランナーの走りから導き出された走法ですから、

走り方やその理論が間違っているのではないと思います。

しかし、私たち日本人がこれらを取り入れるにはちょっとした準備が必要になるでしょう。

その理由は、私たちの足首と外人さんの足首の「強さ」の違いにあります。 

ちょっと遠回りしてお話しますね。

 

治療をしていると、いわゆる”外人さん”と日本人には関節構造に違いがあることに気がつきます。

いや、仕組みは一緒なんですが、外人さんの関節は一言で言うと「ゴツイ」んです。

基本的に関節が堅いし強い。

同じ体格の日本人と比較すると、彼らの関節は一回り強大きな日本人と同じ頑丈さを感じます。

これは小学生に対してでも同じような印象を受けました。

これは何ででしょうかね?

私たちがアップダウンの多い山間の土地に住んでいたこと(坂道を登るには足首は大きく反ってくれた方が都合がいい)と、

白人(コーカソイド)や黒人(ネグロイド)が大陸を大股で移動してきたこと(股関節からつま先までのコンパスを長く使えた方が長い距離移動するのに都合がいい)と、足首の柔軟性に関連があるのかどうか解りませんが、

やっぱり、靭帯や腱の発達は”外人さん”の方がいいように思えます。

 

思えます…!?

はい、関節の頑丈さについての話は私が臨床を通じて持った個人的な感想です。

残念ながら、ここで話している内容は

モンゴロイドとコーカソイド/ネグロイドの間に腱や靭帯の発達に有意差がある

という研究結果等に基づいているわけでは有りません。

 

それを踏まえたうえで聞いて(読んで)下さいね。(^_^;)

 

さて続き。

 

フォアフット走法のキモの部分が、この靭帯や腱の弾性=バネを上手に活用するという点にありますから、

それらの構造物が元来発達した”外人さん”にとってはフォアフット走法のほうが楽な走りとなるでしょう。

しかし、そうした構造物が弱い場合、この走法は怪我に繋がってしまうこともあるわけです。

取り入れるには、しっかりとアキレス腱や腓骨筋腱や足底筋膜など

足首を伸ばす(底屈させる)筋肉と腱を鍛えてからの方が安全です。

こうした腱や靭帯を鍛えるには縄跳びとか、何がしかのジャンプ動作がお勧めです。

「プライオメトリクス」という言葉でググってみてください。

色んな方法が出てきますよ!

 

さて、そのことが股関節の故障、とりわけ腸腰筋の遠位部(腱部)に故障をもたらすのはなぜでしょう?

 

続きは次回

※2020年動画で紹介!ランナーズニーのセルフケア特集はこちら

膝の外側が痛い!ランナーズ・ニ―DAY1 腸脛靭帯炎のセルフケア

膝の外側が痛い! ランナーズ・ニ― DAY2 外側広筋トリガーポイント筋膜リリース

膝の外側が痛い! ランナーズ・ニ―DAY3 原因究明・根本解決!!

 


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