さて、続いて今度は治療の話。
だいぶ間が空いてしまいましたが、久しぶりに治療関係のお話をかきたいとおもいます。
ちょっと長くなりそうですがお付き合いいただけるとありがたい。(^_^;)
今回のテーマは正中神経の締め付けによる手のシビレ(絞扼神経障害)。
相談者はAさん45歳男性。
手のシビレは半年前から。
初期はトレーニング時や朝起きぬけに痺れが出る程度だったようですが、
いまでは随時しびれてしまっていて、
特にアームカール(上腕二頭筋のトレーニング)をするとワ~ッとシビレるとのこと。
シビレの範囲は前腕から親指~薬指の中指寄りの半分迄。
病院では「手根管症候群(掌底で正中神経が締め付けられている状態)」と診断されたとのことでした。
Aさんの左右の指を親指から一本一本撫でてゆくと、
下図の水色の領域で触られた感触が鈍く、同時に「ピリピリ」するといいます。
シビレの範囲を見る限り、確かに正中神経の絞扼神経障害(エントラップメントシンドローム)のようです。
(以下GRANT's atlas of anatomy eleventh edition LWWより抜粋)
▲水色のエリアが正中神経のシビレの領域
さて、Aさんのシビレはどこから来ているのでしょう?
正中神経のシビレの相談では斜角筋・円回内筋・手根管での圧迫が有名です。
▲斜角筋と腕神経叢
▲円回内筋と正中神経
▲手根管と正中神経
通常であればこの辺りを疑うわけですが、
「アームカールでしびれる」と聞いたとき、Aさんのシビレの原因はそれらと別の場所であると考えていました。
あまり知られていませんが、上腕二頭筋でも正中神経の圧迫が生じることがあるんです。
絞扼部位は二頭筋腱の腱膜部。
▲上腕二頭筋腱と二頭筋腱膜
ペン先に切断された形で書かれているのが二頭筋腱膜です。
ペン先に黄色く書かれているのが正中神経。
もうイメージが付いたとおもいますが、
アームカールのような上腕二頭筋を強く使うシチュエーションでは正中神経が圧迫されることがあるんです。
そう書くと、アームカールをするとみんな正中神経を痛めてしまいそうな勘違いをされてしまいそうですが、
そう簡単に神経障害を起こすことはありませんのでご安心ください。
普通にトレーニングする中でそんなことになるのはむしろレアケースです。
神経って結構タフな組織で、多少圧迫されたぐらいでは痛みもしなければ痺れもしないんです。
でも、周辺の組織との間でごしごしと摩擦を繰り返すようなことがあると次第に傷ついてゆきます。
神経のケーブルが傷つくと、その傷をたたくことでシビレを誘発することができます。
これをチネル徴候といいまして、陽性所見は神経の走行に沿った放散痛。
Aさんの二頭筋腱膜部を打鍵槌でコンコン叩いてみると、くだんのシビレがビンビンと広がります。
ビンゴです。
手根管をたたいてみてもシビレは「ごく僅か」だということでしたので、主犯格はこの二頭筋腱膜部で決まりです。
でも、他にも共犯が隠れているかもしれません。
神経痛にはダブルクラッシュという故障の仕方があるんです。
「ダブルクラッシュ」というのは、
ひとつの末梢神経にいくつか同時に圧迫を生じている場合、
一つ一つの圧迫は神経症状が出るほどではなくても複数個所からの刺激の累積で神経症状があらわれる、
といった故障の仕方です。
ダブル、というと問題は二か所と勘違いしがちですが、複数個所が同時に障害された状況と考えてください。
なので、一つの問題点を突き止めただけでは不十分。
ざっと正中神経の経路上を確認する必要があるわけです。
さて、診察の続き。
まずは正中神経の出どころの頸椎を調べます。
第6~7頚椎での圧迫でも親指から中指にかけてシビレることがあります。
▲頚神経と皮膚節(各神経が支配する皮膚の知覚エリアの図)
通常はご高齢者でない限り第6・第7頸椎が同時に故障することはまれな話です。
若い世代では第6頸椎(C6)の領域のみ、第7頸椎(C7)の領域のみといった感じで狭いエリアでの症状が現れるものですから
Aさんのように綺麗に母指から薬指の親指側半分(専門的には「橈側半」といいます)がしびれる場合は頸椎由来の故障は原因としての優先順位は低いと考えます。
でも、ダブルクラッシュを疑った場合、累積負荷の一つになりえますから確認は大事。
頚椎のテストとしてスパーリングテストを行います。
頚を大きく後ろに倒してもらい、さらにシビレている手の方に頭を倒します。
これで首に痛みを訴えたら頸椎の故障を考え、手のシビレが出てくるようなら頸椎部での神経圧迫(頚椎症)も考えます。
でも、Aさんのそれはいたってノーマルでした。
頸椎部はクリア、ということです。
続いて斜角筋。
頚の動きが綺麗となると頚についている斜角筋の問題も薄そうだと考えます。
でも、筋の動きだけで神経のダメージの有無が決まるかというとそうではないから面白い。
▲斜角筋と腕神経叢
斜角筋が神経を挟み込みやすい場所の圧迫検査(モーレイテスト)を追加しました。
すると結果はなんと黒!
ジワリと前腕に痺れが感じられるといいます。
こういうことがあるから検査は丁寧に積まなくちゃダメですね。
続いて円回内筋。
ここは打鍵槌でチネル徴候(シビレの再現)を確認します。
結果は白。
そして神経の経路沿いに前腕をたたいてゆき、途中の神経損傷がないか探します。
これもなし。
そして、手根管。
ここはすこーし響くといいます。
ということで弱めの黒。
ここまでは神経の絞扼部位の特定を目的とした検査です。
神経は知覚を伝えたり筋肉に指令を届けたりする器官ですので、筋肉の働きもチェックします。
正中神経は手を握る作用を持つ筋肉を制御していますので、まずは力強く握手をします。
これは左右差もなく良好です。
続いて親指と人差し指で丸を作ります。
正中神経の障害では特に指の第一関節の力が入らなくなりますので丸をつくったつもりが第一関節が曲げきれずに「しずく型」になってしまいますが…これもなし。
二頭筋の筋力も、腕橈骨筋の筋力もばっちり。
なので、Aさんが障害されているのは「知覚」のみだということが分かります。
さて、では治療開始。
まずは背景要素からつぶしていきます。
って、ちょっと長くなり過ぎましたね。(^_^;)
いったんここまでで区切って、
後半を近日アップしたいと思います。
つづく
今日は足関節捻挫の臨床のお話しです。
患者さんはフットサルをしていて左の足首を捻挫してしまったA君(14歳)
先日、SNSで凄いものを見つけてしまいました…
なんと ウエイトリフティングもし放題のフリーウエイト専門GYMが大阪に誕生!!!
こちらのジムはパワーリフティングをはじめとするトレーニングギアの専門店「武器屋」さんプロデュース。
武器屋の奥谷社長はパワーリフティング元全日本チャンプ。
なのでジムの装備はとことん本格派!
ONI GYM24には競技用パワーリフティング機器が並びます。
もちろんデッドも下から引き放題!!!
それだけでもすごいのに、
なんとドロップ可能なウエイトリフティングスペースを完備!!!
非常にハイスペックなフリーウエイト専門ジムとなっています。
って、ウエイト知らない人には何が何やら?でしょうが、パワーリフターやウエイトリフターにはとてもありがたいことなのです(;^ω^)
装備設備だけでもびっくりなのに、
なんと24h使い放題!!
さらにさらに
驚くべきことに、月謝はなんと8000円!!!(税込)
ビジター2000円(税込)!!!
まさにリフターズパラダイス!!!
SNSを拝見したところ
8/1からオープンから一番稼働しているのがウエイトリフティングスペースとのこと。
や、そうれはそうですよ。
24H思う存分にウエイトリフティングができるんですもの。
練習場に恵まれない我らウエイトリフターですから、そりゃ集まってしまいますよ。
僕だって東京にあったらまちがいなく入会しますもの。
すくなくとも現時点でコロナが落ち着いたら速攻大阪行き決定ですし。
はぁ~
大阪かぁ…
武器屋さん、東京進出待ってます!!!
ここ最近、50代中盤以降の女性陣からの股関節痛の相談が続きます。
初めての股関節痛という方もいれば、思い返せば半年ごとに繰り返してきたという方もいらしゃる。
どの方も股関節の内転筋と小殿筋(外転筋)の線維化に加えて
軽い関節拘縮をともなうところから股関節の炎症を起こした後であることがうかがえます。
こうした突発的な股関節痛を繰り返してしまうようになったら要注意。
じつはこれ、変形股関節症のはじまりを示唆するエピソードだったりするんです。
変形性股関節症ではこうした発作的な関節炎を一年ごと、
半年毎、3か月ごと、1か月、半月…と頻回に繰り返すようになり、
気が付いたら立派な変形性股関節症になっていた、
と、そんな経過をたどります。
それから、
「急にスポーツをして」とか「旅行で長歩きをして」といったはっきりとした切っ掛けがあるケースもありますが、
「普通に生活してきて、なぜか急に」というケースもしばしば見受けられます。
そして、女性に多い。
理由は骨格の性差とホルモン分泌の加齢性変化にあります。
というと
「もう年だから仕方ないですよね」
なんてセリフも聞かそうですがそう決めつけるのはまだ早い。
確かに女性は50代あたりからホルモンバランスの変化から骨が脆くなりだします。
そして、出産という機能を持つ女性の骨盤は男性よりも横幅が広いため、
形態的に股関節の安定性が男性よりも低く、運動不足による不安定症が起こりやすい。※
※つまり、筋力が落ちると関節がガタつきやすいということ。
こうしたガタつきが関節を傷つけ、変形性関節症へとつながってゆきます。
でも、ちゃんと打つ手はあるんです。
ただ、変形が強くなるとセルフケアでの適応から外れ手術の適応となることもありますので、
手を打つのであれば早い方かいい。
ということで、
ここから股関節痛の際にお試しいただきたいエクササイズをご紹介してまいります。
その前に、ちょっとまとめ。
変形性股関節症のセルフケアの要点は以下の2点です。
<要点>
1、拘縮の解除
炎症の影響を受けて、関節や周囲筋は縮みます。
これを拘縮と呼びますが、硬くなったものは伸ばせばいいんです。
関節の腫れが引いたら股関節のストレッチを始めましょう。
2、股関節を中心とした「腰部・骨盤・股関節」の筋バランスの修正
股関節が急に腫れる原因に関節の不安定性という問題があります。
なので、回復を促し、再発を予防するために治療としての運動=運動療法に取り組みましょう。
股関節の働きを安定させるためには骨盤部の安定性を合わせて取り戻す必要があります。
この場合のターゲットとなる筋は下腹の筋群(私見ですが主に内腹斜筋)と大臀部です。
この部分のコントロールを取り戻すことが股関節の働きを正すのにおおいに役立ちます。
逆にこれらの筋群のコントロールが失われるとちょっとしたきっかけで股関節を痛めやすくなるのです。
さて、ここからが本題。
これらのオーダーに応えるエクササイズは以下の3つです。
<エクササイズ>
1、股関節前面のストレッチ
ウエイトリフター用にまとめた動画ですが、股関節痛にそのまま使えます。
2、下腹のコントロールを高めるエクササイズ:ペルビックティルト
3、殿筋のコントロールを高めるエクササイズ:ヒップスラスト
股関節の炎症が落ち着いた慢性期に入っていれば、の但し付きですが
上記のエクササイズ前後でしゃがめる範囲が深くなったり、
動作時の痛みの緩和や消失といった良性の変化を手に入れることができるはずです。
なかなか芳しくないようでしたら、ぜひご相談ください。
【鍼灸手技療法・とよたま手技治療院】
お電話:03-3994-5048
6月に入ってから、どういうことか新規の患者さんで肩関節周囲炎(〇十肩)の相談が増えています。
「腕を挙げる途中で肩が引っかかって痛い」といったレベルの方もいらっしゃいますが、
多くは拘縮をともなう中等~重症例。
みなさん経過も長く、半年から一年、中には数年肩が動かせない状態が続いているという方もいらっしゃいました。
通常こうした拘縮をともなう肩関節周囲炎は1.5年で緩解するケースが多く、
強い拘縮が数年続くというのは少数派です。
こうした経過の長い方の場合、肩峰下の癒着や肩甲下筋の線維化が回復の足を引っ張っているケースがよく見られます。
今回の方々もご多分に漏れずでした。
治療では癒着を剥がし、肩甲下筋の線維化をほどいてゆきます。
経過は良好。
長期にわたって変性した組織はいっぺんにもと通りになることはありませんが、
正常な回復の道筋に乗せることができれば順当に回復してゆくものです。
ちなみに、夜間痛があるケースは功を焦ると痛い目を見ますので要注意です。
患部の炎症が強い、もしくは刺激に対して炎症を起こしやすい時期ですので、
こうした時期にアグレッシブな手を打つと後々の拘縮が強くなる傾向があるので
治療する側も気を付けなくてはなりません。
夜間痛が出ているときは消炎鎮痛剤を服用し、安静を心がけましょう。
順当に行けば6日ほどで内部の腫れが引くはずです。
それでも夜間痛が落ち着かないようであれば、日中の活動時に三角巾で腕を吊っておきましょう。
そんな大げさな!
と思われるかもしれませんが、しつこい夜間痛には大いに役立つ一手です。
騙されたと思ってお試しあれ。
さて、
夜間痛が落ち着いていれば今度はセルフケアの出番です。
治療の勘所も「肩峰下の癒着や肩甲下筋の線維化」の解除。
セルフケアも同様です。
※この二点だけで済むものではないのですが、回復を阻む大きな要素としてこの二点があるということです。
「肩峰下の癒着」は「腱板(棘上筋の腱)」や関節包上面の靭帯(上関節靭帯・烏口上腕靭帯)あたりの傷跡が原因しています。
これに対しては棘上筋の働きにフォーカスしたケアエクササイズがおススメです。
「肩甲下筋の線維化」は文字通り肩甲下筋の働きにフォーカスしたケアエクササイズがおススメです。
どちらも収縮より伸長時(引き伸ばされるとき)のコントロールとその運動方向への組織の長さを作ることが重要です。
それを作るのに、最近はチューブトレーニングを見直しています。
家でもできる方法としては500mmlのペットボトルを使ったダンベルエクササイズがおススメ。
それらを今度、動画で紹介してみますね。
こうご期待!
緊急事態宣言から2か月、
ようやくトレーニングジムが再開しましたね。
待ちに待った久しぶりのワークアウト。
まずはフォームチェックから徐々に身体を慣らしていってほしいところです。
でも、
『いま、どれだけ挙がるのか』
そんな不安から、やってはいけないと解りつつワンマックスに挑戦してしまった方、
結構多いんではないでしょうか!?
その気持ち、よくわかります。
で、がっつり故障を背負い込んでしまったという方も少なからずいらっしゃるようで…
久しぶりのベンチで肘を痛めた方、
スクワットで内ももを痛めた方、
デッドリフトで腰がデッドしてしまった方、
今のところ、そんなご相談をいただいています。
お困りの方、まだまだいらっしゃると思います。
恥ずかしながら、コロナ明け(またすぐに閉まりそうな気配もありますが…)でまだまだ予約に隙間もございます。
お困りの方はどうぞお声がけください。
とよたま手技治療院
みなさん「ヒカキンTV 」のエンディングで流れる登録の歌って知ってます?
とうろく、とうろく、とうろくぅ~♪
とうろくとうろくとうろくとうろく~♪
うっひっひ…
ってやつ。
いきなりどうした!?ですよね(^_^;)
いや、
新型コロナ感染症対策に、治療ごとに院内隈なく消毒を実施しておりまして、
ここ数日、消毒のたびに頭の中で
しょうどく、しょうどく、しょうどく~♪
しょうどくしょうどくしょうどくしょうどく~♪
うっひっひ…
って流れっぱなしなんですよ。(^_^;)
さすがは全国1200万人の心を鷲掴みにしたヒカキン(敬称略)。
彼の動画をたいして見たことのない私にまでこの影響力。
流石は元祖ユーチューバー。
さて、院内消毒作業。
これが結構大変。
現在、患者さんが鉢合わせしないように予約の前後30分の間隔をあけ、
その間に消毒・換気を行うわけですが、これがまた結構な大仕事。
治療台からドアノブ・椅子・着替えのかご・ハンドソープやイソジン、
ハンドジェルのボトル、洗面、トイレ(便器だけでなくスリッパや壁、床まで)、
玄関の床、靴ベラまで、片っ端から塩素水ぶっかけちゃあペーパーで拭いて回るわけです。
ベッドのフェイスシートやまくら類はさらにアルコールで追い消毒。
そして最後に指先から肘までしっかりウォッシュ。
イソジンでうがいをして自身の消毒も完了です。
こんな感じで、これでもかってぐらい消毒しまくってます。
初日は18分かかったこの作業も手際が良くなり12分まで縮めるまでにはなりました。
一日に受けられる患者さんの上限が現在5名ですから、少なくとも1時間は消毒作業を繰り返している計算です。
どんだけきれい好きなんだよ…と自分に突っ込みを入れつつ
コロナの治療薬やワクチンができるまで、当分この生活が続くのだろうとちょっとゲンナリ。
でもね、安心して治療に来ていただくためにも手を抜くわけにはいきませんのでね。
がんばります。
患者様へ
消毒、手抜かりなく頑張ってますので、どうかご安心ください。m(__)m
新型コロナの影響でなかなか窮屈な日々が続きますねぇ…
でも、4月からは学校もぼちぼち始まりそうで親目線ではチョットホッとしてたりもしています。
さて、今回は肩の痛みの話。
五十肩も投球肩も肩峰下インピンジメント症候群も含め、
ときおり難治例(なかなか治ってゆかないケース)に出会います。
まだ治りきっていない段階でやりたいトレーニングやゲームをしてしまうケースや
提案したセルフケアを怠っているケースも多いのですが、
中にはきちんとセルフケアに取り組み、患部が耐えられる範囲の運動を心がけているにも関わらず
なかなか治らないケースもあります。
難治である要因には個別性があるのですが、
その多くに肩甲下筋という筋肉の線維化や瘢痕が見つかります。
この肩甲下筋という筋肉はけっこう厄介な場所に生えている筋肉で
一般的に治療しにくい筋なんです。
場所はここ
絵のように、肩甲下筋は肩甲骨の前面に付着していて胸郭の間に挟まれていてなかなか触りずらいんです。
問題を起こしやすい部分は下の図のところ。
オレンジの点のところが圧痛点を作りやすいところです。
肩甲下筋のダメージがまだ新しい時(怪我をしているとき)や委縮して脆くなっているときは
肩甲下筋に力をかけた瞬間やストレッチされたときに肩の前面に痛みが出ます。
※これはピッチングを想像してみてください。
コッキングの際に上記のようなシチュエーションが発生します。
また、肩甲下筋の故障が慢性化すると下の絵のように肩裏や手首に鈍痛や痺れたような痛みが広がることもあります。
トリガーポイントによる関連痛の例です。
こうしたとき、肩の裏側が痛むからと言って肩の裏を一生懸命ほぐしても徒労に終わります。
下の絵のオレンジの点を左から①②③とさせていただいて、
②と③の点はセルフケアでもなんとか行けるところですが、
①にできた線維化はセルフケアでは難しいところ。
こうした部分は特に治療の手が必要となります。
①のポイントは周囲の筋が邪魔してなかなか手が届かないものですから
私はもっぱら鍼を使います。
最近はやりの「肩甲骨はがし」のような手法も軽度な症例であればできるのですが(私も使いますし)、
①にアプローチしなければいけないケースに限って周囲の筋(僧帽筋や菱形筋、そして忘れちゃいけない前鋸筋)
が硬すぎて十分にアプローチできずに終わってしまいがちになります。
その点、鍼は周囲の緊張おかまいなしに①にリーチできるので重宝しています。
鍼でなくては治療ができないとは言いませんが、この件に関しては使い勝手がいい道具なのです。
それでも数か月、場合によっては数年をかけて縮んだ組織を正常化するにはそれなりに時間がかかるものですが、
この肩甲下筋の故障に気が付いてからは難治例も迷うことなく治療を進められるようになりました。
(注:魔法のように一瞬で治るということではないですよ)
他にも難治例では一部の靭帯(肩甲上腕靭帯や烏口上腕靭帯)や腱の損傷(腱板や上腕二頭筋長頭腱の脱臼)と
それに続発する周辺組織との癒着が足を引っ張っていることがあります。
でも、ちゃんと問題が把握でき、計画的な介入ができれば治らないということはありません。
肩関節の故障をこじらせて上腕骨側の付着部の骨が解けてしまったなんて例も治療しましたが、
ちゃんとリハビリしたら競技に復帰できるようになりました。
治るには治る理由があり、治らないには治らない理由があるわけです。
あきらめずに行きたいものですね。
困ったときにはひとりで悩まずご相談ください。
待ってます。
最寄駅 西武池袋線【練馬駅】中央口 徒歩2分/都営大江戸線【練馬駅】A2出口 徒歩2分
住所 練馬区豊玉北5-18-10プリマヴェーラ701 Nerima-ku, Tokyo Toyotamakita 5-18-10 Primavera 701
TEL 03-3994-5048(HPからのご予約で初診料2000円をサービス)
休院日 月・木・祝日
全国小中高校への政府からの休校要請で息子の学校も明後日から休校のようです。
教育の現場は突然のことでかなり混乱しているようす。
ニュースを見ると罹患者の年齢別の分布とその重症化率なんて話も出ています。
それを見る限り、子供たちよりも60代以降の既往症を持たれた方のリスクが際立っていますので、
リスクの高い世代へのアプローチに注力した方が良いように思いますが、
現実的にはそう簡単に仕事の手を止めるわけにもゆかず、悩ましい限りです。
さて、当院でも新型コロナ(SARS-COV-2)対策として、治療ごとに消毒・換気を徹底しています。
治療後にはイソジンでのうがいもご用意し、可能な限り頻回に手すり等の消毒も行っています。
今のところは問題もなく通常運行していますのでお困りの際にはご相談をお寄せください。
とよたま手技治療院 http://toyotama.net/yoyaku/
昨年末から年明けの今、やたらと首から上肢の痛みの相談が非常に多いですね。
どれも頸椎の故障による神経痛、
頚椎症性神経根症(けいついしょうせいしんけいこんしょう)です。
この故障は頸椎の不安定性からくる関節炎や変形に腕神経が巻き込まれて神経痛を生じたものです。
ちなみに、
頸の痛みだけだと「頚椎症」
腕への放散痛が伴われると「頚椎症性神経根症」となります。
より故障の度合いが深いのが「頚椎症性神経根症」とも言えますね。
この故障の原因は胸の固さです。
頚は胸の固さの割を食って故障した被害者なんです。
どういうことかと申しますと、
例えば、デスクワークなどで猫背のような不良姿勢が定着したとします。
猫背の状態では胸が柔軟に動かなくなります。
すると頚を動かす際に頸椎にばかりテコが集まってしまうようになります(玄人は「トルクがかかる」なんて言います)。
動きの悪い胸椎の分も大きく動かされてしまう頸椎はじきにガタつきだし、
そうした状況が続くと次第に関節が傷つき、ついには変形を生じてゆきます。
その道すがら生じるのが関節炎。
関節炎が強くなると神経も炎症に巻き込まれて神経炎を起します。
これが頚椎症性神経根症です。
それが証拠に「急に首と腕が痛みだした」と駆け込んでくる患者さんは皆さんほぼ猫背。
しかし、なぜこの時期に神経痛が増えたのでしょう?
恐らくは寒さのせいでしょう。
寒さで肩をすくめることが多くなったのと、
足元の冷えを下腿深層の筋膜が受け取って緊張し、
その緊張が体幹深層の筋膜群をたどって頚部深層筋の過緊張につながって、
胸郭の動きを妨げ、同時に頸椎部の圧縮を生んでしまうため、
この時期に首からくる腕の神経痛が増えたのだろうと思います。
これに対してどこから手を入れるのかというと、
もうお分かりのこと思いますが、胸郭の伸展性を回復することから始めます。
頚の故障ですが、治療のメインテーマは頚ではなく胸なんです。
面白いでしょう!?
炎症が強い時には鎮痛剤の服用や病院でのブロック注射が役に立ちます。
炎症由来の痛みはステロイド注射でスッと鎮まってくれることでしょう。
でも、それだけでは度々再発を繰り返すことになります。
だって、頸椎に無理がかかる原因(胸椎の固さ)が居座ったままですからね。
ただしい回復を導くためにも、ちゃんと背景要因への治療がなされることが重要です。
また、いったん神経の故障を負うと回復には時間がかかります。
なので、計画的な治療がとても重要になります。
神経痛(神経因性疼痛)に関しては「魔法のように」とはゆかないものですが、
セルフケアでも回復を促す手立てがいろいろあります。
ペルビックティルトやヒップスラストといった運動療法で脊柱の安定性を作り上げたり、
他にも頸椎の炎症が落ち着いた時点であれば、
ガタついた頸椎の安定性を引き上げる手法を負荷することで、
劇的な回復を診せることも珍しいことではありません。
方法はあるのです。
ただ、それぞれ取り組むタイミングが大事。
さて困った!
となりましたら慌てずに専門家の門戸をたたいてください。
お困りの方、ご相談をお待ちしています。
最寄駅 西武池袋線【練馬駅】中央口 徒歩2分/都営大江戸線【練馬駅】A2出口 徒歩2分
住所 練馬区豊玉北5-18-10プリマヴェーラ701 Nerima-ku, Tokyo Toyotamakita 5-18-10 Primavera 701
TEL 03-3994-5048
=エクササイズ動画=
【腰・膝・股関節】故障予防と回復のための運動処方 No.1【ペルビックティルト】// 徒手医療協会
【腰・膝・股関節】故障予防と回復のための運動処方 No.2【ヒップスラスト】// 徒手医療協会
お役立ていただけましたら幸いです。
【1分で改善】頚椎症のアクティブケアエクササイズ~オーバーヘッドスクワット // 徒手医療協会
暖冬とは言うものの、このところ寒さが厳しさを増してきたなと感じます。
こんな時は寒冷刺激の影響で緊張型の頭痛の相談が増えてきたりするものです。
なので、今回は頭痛に関する情報をご紹介します。
私が頭痛の治療において一番大事にしていること
それは、その頭痛が命の危険を伴うものか否かの見極めです。
これは私たち治療家にとって治療手法を知るよりも重要なことです。
下の動画は頭痛の治療について専門家を対象とした講義の模様ですが
一般の方にもわかりやすい内容のものでしたので
ここでご紹介させていただこうと思います。
お役立ていただけましたら幸いです。
【頭痛の徒手的臨床】の講義より抜粋
10/27は小田原アリーナで行われた
第31回全日本ベンチプレス選手権大会
で参加選手のケアをさせていただきました。
↑手前は私、胸椎の機能検査中。奥は中村先生、中殿筋の筋膜リリース中。
↑中村先生、大腰筋のポジショナルリリース中
↑私、上位胸椎のHVLA中
↑鍼も打ちますし…
↑テープも貼ります。
当日は開始早々からご相談をいただき、写真のように終日忙しくさせていただきました。
中には試合後に
「三本取れました!」
※三本試技を行い全て成功した=パーフェクトゲームだったという意味
と報告に来て頂く方もありまして、充実した1日を過ごさせていただきました。
次は11/24。
清水が丘公園体育館で執り行われる
第35回関東パワーリフティング選手権大会
第24回神奈川県ノーギアパワーリフティング選手権大会
です。
選手の皆様のお役にたてますよう頑張って参ります!!
膝が痛むとご来院のクロスフィッターのAさん。