長引く故障に悩まされている方へ

2016年05月03日 | 治療の話

故障を引きずりながらの競技生活。

ジリジリと下がるスコア。

反してジリジリと強まる痛み。

競技者としてのピークから離れて数年。

募る焦りから休養⇔再受傷のループから抜けられなくなる…

 

私のブログを見てくれている方の中にも、

長引く(繰り返される)故障に悩まされ、

『もう「あのころ」に戻ることはできないのか⁉』

と苦しい日々を送っている方もいらっしゃるでしょう。

そんな方に聞いていただきたい。

大丈夫!

明けぬ夜はありません!

※いま現在が50歳とか60歳とかで、20代の頃のスコアに戻りたい!ってのはまた別の話(^^;)


治らないには治らないなりの理由があるものです。

そして、治るには治る道筋というものもある。

なかなか治らないで困っている方の相談に共通するのは、早く元の力を取り戻したいがために患部の耐久性を無視した強度の運動を繰り返しているということ。

長引く故障に悩まされるようなケースでは、

傷が癒え、日常の動作では痛みがなくなったとしても、

怪我を負った後の患部は競技動作に耐え得るほどの強度を持ち合わせていないという事実が見落とされています。

また、傷が治りきらないうちに再受傷を繰り返しているケースもありますね。(数年間経っていたとしても、です)

傷が癒えていないままならば、先ずはしっかりと治るための条件を整えることから始めましょう。

こういった時には治療の専門家の手を借りることも大切です。

上のどちらも共通した注意点は「決して痛みと勝負しないように!」ということです。

故障を負ってしまったら、メモ帳に「痛みを伴わずにできるトレーニング」を書き出して整理してみましょう。

痛まずにできることの多くは「どんどん攻めてOk」なもの。

そうした種目まで自粛する必要はありません。

痛みを伴うけども競技上外せないトレーニングは、痛みなくできる範囲を探りましょう。

できれば「痛まず動ける範囲がどの程度であるか?」「痛みなくできる反復回数は?」といったことをメモしておきましょう。

これは今後の回復の基準にもなります。

 

ところで、

なぜ「痛みと勝負」してはいけないのでしょうか?

答えは簡単です。

 

痛めた個所は周囲の元気な組織と違って弱くて脆くなっています。

いってみれば、痛めた個所だけ寝たきりのお爺ちゃんやお婆ちゃんがいるようなもの。

元気な部位と同じ強度のトレーニングを繰り返せばオーバートレーニングですぐに故障してしまいます。

しかし、故障個所(お爺ちゃんやお婆ちゃん)が受け入れられる負荷の中で、

かつオーバーロードの法則にのっとってトレーニングを積みあげることができれば、

故障個所の強度が周囲の組織に追いつくことがちゃんとできるんです。

そして回復期のトレーニングについてもう一つ知っていてほしいことは、

再受傷のループを断ち切るためには「正しいフォームで行うことが大切だ」ということ。

『こっちのほうがそれらしくできるから…』

と我流のフォームに流れてゆくいうのは陥りやすい過ちで要注意です。

大切なことは正確なフォームをたどれる範囲内でたどること!

 

繰り返しますが、

患部に痛みを起こさない範囲で、

かつ、正しいフォームで行うこと。

これを尊守しましょう。

 

それから、焦らないこと。

競技者への復帰を登山に例えますと、8合目に差し掛かるころに魔がさすことが多いので要注意です。

『ああ、だいぶ落ち着いたなぁ(*´з`)』からしばらくすると

『むむ、あと2~3割で足踏みが続くなぁ(;一_一)』

『これぐらいなら、我慢できるし…』

で、無茶して『振出しへ戻る』(T_T)

経験上、焦りを感じてから3週間は堪えどころ。

治り際が一番の山場だってことをお忘れなく。


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