10月に左臀部痛の相談でいらっしゃったランナーのAさん(男性)。
中殿筋の過労(trp2の部分)による臀部痛なのですが、
左の中殿筋が過労に陥る原因は右の寛骨の機能障害にありました。(←よくあることです)
←右寛骨
Aさんの右寛骨は骨盤底筋右半側の緊張から前傾したまま固定されていました。
寛骨は前傾すると股関節の支点が下方に下がってしまいます。
すると、見かけ上、右脚は左よりも長くなります。
これを機能的長下肢というのですが、
こうしたとき私たちの身体は帳尻を合わせようとするんですね。
Aさんの場合は長くなった脚を左脚の長さに合わせようと、右下肢は膝を内に絞ったニーインという片側のX脚で代償していました。
この状態で走ると右脚での蹴りだしで身体が左へと流れやすくなり、左足の接地が強くなります。
そのブレーキとして働かされるのが左の中殿筋です。
なので、治療としては左の中殿筋の労れを癒やしつつ右の寛骨の働きを正す手立てを講じます。
2週毎に治療にいらして本日3回目のご来院。
今は走行中に出ていた臀部痛も落ち着き、治療前の動作分析でもほぼ問題のない状態でした。
わずかに残る骨盤や胸郭の制限(身体の癖)を外し、セルフケアを提案して治療終了。
Aさんも身体に自信ができたようでしたので、あとは症状の再発を抑えるためのセルフケアを自宅で続けていただくことをお約束いただいて、経過観察となりました。
めでたしめでたし。
うん、めでたい…
いつものことなんですが、
故障が治って卒業される患者さんを送り出すのはとってもうれしいものなんです。
ですが、
送り出した後にちょっとした寂しさを覚えたりもするんですよね…
治療に来なくてもいい状態になってとても喜ばしいことなんですけどね。
なんなんでしょうかね、このちょっとした喪失感。
これを○○ロスっていうんでしょうかね。苦笑
困ったもんだ。
冗談はさておき、
ただいまマラソンシーズン真っ盛り。
Aさんが今シーズンめいっぱい楽しまれることを祈っています。