M45・67kg級にて優勝しました!

2019年07月30日 | トレーニング日記

長かった梅雨も明けましたが、なかなかカラリとした晴天とはなりませんね(^_^;)

毎日高温多湿の日々が続きます。

熱中症には十二分にご注意いただきたいなと思います。

さて、

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、

7/26・27・28と臨時休診をいただきまして

「第37回 全日本マスターズウエイトリフティング競技選手権大会in宮崎」

に出場させていただきました。

結果はありがたいことに優勝!

 

下馬評(!?)でも優勝候補ということにはなっておりましたが、

諸々障壁も重なり、辛うじて拾えた勝ちでした。

せっかくなので、そのあたりの顛末をブログにしたためてみようかと思います。

 

↓当日の試技の様子

 

毎度のことながら今回の大会へ向けた準備期間中もなかなか波乱に満ちておりました。

昨年、階級重量に変更があり、従来69kg級で出場していた私ですが

69kg級がなくなり67kg級に出場することになりました。

67kg級への出場を決めたのが5月頭。

当時、増量期間中で73.5kgほど。

そこから67kg級出場となると、できれば200gアンダーで仕上げたい。

私の場合、だいたい一晩で700~800gほど体重が落ちるので

前日の夕食後で67.5~6kgで仕上げればOK。

朝起きて66.8kgであれば朝食をとって67.2kg。

会場につくころには67kgジャストという計算です。

2か月半で目標6kgの減量ということになりました。

以前、直前に体重を削ってしんどい思いをしたので今回は6月半ばまでに一度リミットまで落とし、

1kg戻して7月半ばを迎え、直前に1kg落とすという計画を立てました。

体重を落とすとスコアも落ちるというのが定説です。

なので体重の減った身体で運動にならしてゆこうと考えたんです。

ちなみに体重は後述しますがいろいろあって、結果的に7kg減となりました…

 

ともあれ、減量自体はまずまずの運びとなり、

6月中旬には体重自体は67kgで安定させることができました。

心配だったのが減量によるスコアの低減です。

4月の終わりに出したベストが、スナッチ78kgクリーン&ジャーク95kg、クリーン100だったのですが、

減量後はやはり筋力も落ち、スクワットなどの補強種目から競技種目(スナッチ、ジャーク)まで10kg落ちてしまうという事態を迎えます。

さて困った。

ここから1か月間でフィジカルの強化を望むのは現実的ではありません。

そこで神経系の適応をターゲットに据え、出力重視の練習を重ねることにしました。

そこから初めに戻ってきたのがオーバーヘッドスクワットやプレスといったウエイトリフティングの補強種目でした。

試合4週前には競技種目をー8kgまで戻せたのですが、残念なことにジャーク練習(90%×3)で軽い腰椎捻挫を負いました。

おかげで扱える重量が再び―10kgに逆戻り…

試合10日前に入り、捻挫が落ち着いてきたところでクロスフィット代々木の河原コーチからフォームの指導を受け

スナッチが―5kgほどまで戻ってきたところでほっと一息ついたのもつかの間。

今度は欲をかいてクリーン失敗(90%で脳貧血を起こして失神)で尻餅をつき右臀部の打撲傷を負いました。

結構な打撲傷だったようで90kgのフロントスクワットで痛みが走り、クリーン&ジャークに大きな不安要素を抱えてしまいました。

臀部の痛みが落ち着き始めたのは試合4日前。

今度は風邪をしょい込んでしまいます。

三日前には咳と頭痛、そして夜には38度の発熱。

発熱は試合前日まで続きました。

が、前日の夜はおそらく微熱程度に回復。

試合の朝まで十分に眠れず仕舞いでしたが、ぐっしょり汗をかいたせいか身体は軽くなっていました。

心配していた体重は風邪のせいで66.3kgまで減っており苦笑い。

でも、おかげで朝ごはんもしっかり食べることができました。

朝9時に食事をとって67kgジャスト。

検量まで4.5時間。

私の場合、1hあたり80g減るので、途中360gは水分補給できる計算です。

13時、会場につくと予備検量をします。

途中途中で水分はとっていたものの、なんと600gのアンダー。

当日の暑さで思ったよりも汗が出たようです。

宮崎県産日向夏ジュースで水分補給して300gアンダー。

身体はここ数日のうちで一番良い状態でしたが、まだ風邪は抜けきった感じはありません。

内心『この状態で試合なんてできるのか?』と不安がよぎりましたが、ここまで来て不戦敗というのもつまらないですからね。

できるところまで頑張ってみようと腹をくくります。

本検量では66.6kg。

風邪のおかげで削れ過ぎた感は否めませんが無事クリアです。

検量が終わったら2.5h後に試合開始。

アップも含めると2hほど時間がある計算です。

検量が終わった段階でやることといえば試合に向けた栄養補給です。

とろろそば、バナナ1本、ゼリー飲料で燃料を補給します。

エナジーブーズとして缶コーヒーも一杯。

このころになると気持ちも高ぶってきたようで、病み上がりのフワフワした感じも消えてきました。

腹がこなれたころ、いよいよウォーミングアップを開始します。

ウエイトリフティングの試合は非常に繊細なウォーミングアップが求められます。

ピークパフォーマンスを発揮するには、試合の進行を読みながら適切なタイミングで

競技特異的ウォーミングアップ(競技動作によるウォーミングアップ)を重ねなければなりません。

なので、学生や選手の試合ではセコンドをつけて試合を進めるのですが、マスターズでは自分でやることが多いのです。

これを一人セコンドといいます。

しかし、病み上がりのせいか頭の回転がいまいちな私には、一人セコンドがはたしてできるかどうか自信が持てずにいました。

そこにⅯ40(40~44歳の部)の時のライバル熊本県のN田さんが声をかけてくれました。

彼はまだM40なのでこの日は試合がありません。

昨日の敵は今日の友。

ダメもとでセコンドを頼んでみたところ快くセコンドを務めていただけました。

試合巧者のN田さんに背中を預けることができたこと、これは本当に心強かった。

アップではバーベルをさほど重いとも感じず、調子は良いように感じました。

しかし、いかんせんスタミナがありません。

軽い重量でも1本挙げると心臓がバクバクと踊ります。

いつガス欠を起こすかわからない状況でした。

アップの数を減らし、アップの間隔を調整しつつ、丁寧にアップを進めます。

隣りではこの日のライバルのM田さんが調子よさそうにアップしています。

噂によれば、高校時代選手をしていたとのこと。

やはりフォームが綺麗です。

復帰してまだ1年とのことでしたので、まだ今年は私も競える程度のスコアのようです。

でも、来年になればどうなることかわかったものではありません。

これは何としてでも今日勝っておきたいところです。

と、その気配を感じてか

N田「相手は見ない!自分に集中してください!」

とピシャリ。

さすが、よく見てらっしゃる。

そうこうしているうちに私の出番が回ってきました。

まずはスナッチから。

M田さんは63kgでスタート。

私は65kgでスタートと考えていましたが、どうも今日はスナッチの調子がいい。

ということで68kgでスタート。

一本目、無事に成功できました。

これで5kgリードです。

M田さんはこの後67→70or71とくるでしょう。

私の直近のベストは発熱前の73kg。

消耗した今の身体では70が出るかどうかも危ういところです。

ですが…

スコアボードを見るとM田さん、失敗を繰り返し63kgでスナッチを終えています。

アップの様子があまりに見事でしたのでびっくりしました。

ここですでに5kgのリードが手に入ったのですが、

体力が後半のクリーン&ジャークまで持たない可能性も大いにありましたので、ここで攻めにでることにしました。

71kgにトライ。

成功。

次いで73kgを成功し、10kgの貯金を手にSNATCHを終えました。

10分の休憩の後、クリーン&ジャーク競技が始まります。

アップでは思った通りスタミナがだいぶか細くなっていることが分かります。

通常3本挙げる重量も2本挙げると胸が弾み頭がくらみます。

当初88kgもしくは90kgでスタートと考えていましたが、安牌を取って85kgからのスタートとなりました。

崩れながらも85kgを成功。

M田さんがひっくり返すには95kgを成功させる必要があります。

直近では91kgを成功させていると聞いていましたから、頑張れば95もあるかもしれません。

しかし、挑戦したのは88kg。

恐らくは91kgが今のベストなのでしょう。

そして、失敗。

この時点で私の優勝がほぼ確定しました。

勝負としてのプレッシャーから解放されましたが、冒険するほどの体力はありません。

本音を言えば95→100と行きたいところでしたが現実的な選択とは思えません。

今の状態を考え、6本成功のパーフェクトゲームを目指すことにしました。

その後、90kg→93kgと成功し、無事全試技を終えました。

終わってみればスナッチはベストの-5kg、ジャークは―2kgまで成功することができました。

この日の体調を考えるとよく挙がったものだと思います。

これもセコンドにN田さんが付いてくれたおかげだと思います。

N田さん、本当にありがとう!

こうして、いろんな幸運に助けられながら、全日本初優勝を手にすることができました。

来年の全日本マスターズは徳島です。

全日本マスターズは世界大会の予選を兼ねています。

基準記録は170kgです。

スナッチ75、クリーン&ジャーク95出せば基準クリアです。

しかし、世界大会はエントリーの上位7名しか出られません。

できるだけ基準記録より上の数字を出す必要があるんです。

なので、来年の全日本マスターズまでにスナッチ85kg、ジャーク105kgを目指したいなと思います。

今の私には大きすぎる目標ですが、なんとか実現したいと思います。

以上、2019年の全日本マスターズのご報告でした。


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