マルクス・ガブリエル 廣瀬覚訳 岩波新書
きちんとした論文集の翻訳で、新書にしては堅い本。
世界を論じるのではなく、拠って立つ思想そのものについて。
序論では、本書全体の議論のやり取りから、ガブリエルの思想の位置づけが行われる。
第1章で、ガブリエルが、新実存主義について、自然主義や還元論への批判という立場で、解説する。
第2章から第4章は、3人のコメンテーターが第1章のガブリエルの論文について、矛盾等を指摘する。
第5章では、序論及び第2章から4章までの、コメントについて、回答するという構成。
注もあるが、新書ということで使いにくい。議論はかなり、過去の哲学の流れを前提としている。