県展も今日が最終日。 午後から作品の搬出に出かけました。
桜三里は、連休でも以前のような混雑はないようです。 すいすいと松山市内へ入りました。 そして、美術館のある堀之内に近づいたところで、いやな予感。
予感は的中し、駐車場近くの三叉路で車の動きがにわかにノロノロしてきました。 わたしは、駐車場へ右折してはいる道を走っていたのですが、直進で駐車場に入る道のほうは車が長蛇の列。 しまった、今日は駐車場が満車らしい。 今日来るんじゃなかった、あすでもあさってでもよかったのに・・・・。
直進の列に割り込むこともできず、城山をぐるっと半周まわって直進車の最後尾につきました。 松山城のお堀を左に実ながらのろのろと進みます。 堀之内公園はしたたるようなみどり、みどり、みどりー
車の中から写真を撮る余裕も。 つまり、ろくに動かないということですけど。
わずか4,5百メートルしかない距離を進むのに30分経過。 やっと駐車場に入れました。 時刻は3時。 もう搬出のための作品の取り外しが始まっている時間です。
駐車場から見た二の丸。 若葉に包まれています。

残念、少し早めに入ってもう一度展示を見たかった。 今回、日本画にすばらしい作品があったのです。会場入り口の正面にどっしりと展示されていた「老椿」という絵。 作品の大きさもさることながらその描写の緻密なこと、風格ある椿の古木の深みのある色合い・・・・ もう一度見たかった。
ところがラッキーなことに椿の絵はまだそこにありました。 自分の作品がはずされるのを待つ間、わたしはそばでしみじみと眺めていました。 やっぱりすばらしい。 葉っぱ一枚一枚にも変化があり、動きがあり、線は細く美しく、木肌の模様は色と線とで複雑に描かれています。 どのくらいの時間と精力とをこの絵に注いだのだろうと、作者の絵に対する情熱を改めて感じました。
さて、せっかくここまで来たのだからと、本館で開催されている「藤城青治 光と陰の世界展」を覗いていくことにしました。 名前は知らない人でも、作品の一つや二つはきっと見ていると思います。 目の大きい特徴のある顔立ちの人や動物を切り絵で描き、カラーフィルムを貼って光をあてた幻想的な作品を多く発表している人です。
展示のしかたにも工夫がされてあって、作品の両側に鏡をおき、作品がどこまでも続いているかのような広がりを見せているのには驚きました。
また、作品になる前のスケッチや水彩画を見ると、確かなデッサン力があることがわかります。 やはり基礎の力がしっかりしていて、その上にあのメルヘンの世界が生まれるのだなあと思いました。
気の遠くなるほどの緻密な作業を重ねてできた光と陰の世界。 それは、あの「老椿」に通じる、作品に対する誠意や情熱がありました。 心を込めて作品と向き合っているからこそ人の心を打つのだと、二人の作家から学んだ1日でした。
図録やらポストカードやら、美しいグッズがたくさん売られていましたので、記念に買って帰りました。
買ったのは・・・・・

ジクソーパズルです。 デイサービスから帰宅後いつも暇そうにしている父にプレゼントするつもり。
うれしいことに、こんなきれいな袋に入れてくれました。
